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株式日記と経済展望
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木造の平均寿命は1997年時点の43年から2005年の54年に11年も延びています。
法定耐用年数を長くすれば、日本の中古住宅市場が大きく復活する土壌ができます。
2014年2月4日 火曜日
◆不動産は長く使えるようメンテすることの大きな意味 --- 岡本 裕明 2月2日
http://agora-web.jp/archives/1580264.html
国土交通省が建物の耐用年数の見直しを行っているようです。仮にこれが大きく見直されるようになれば日本の不動産市場は変貌することになります。そして、20年以上にわたって滑り落ちるような不動産市場は明らかに逆回転を始めることになるかもしれません。今日はこのシナリオについて考えてみます。
日本の不動産がバブルを境に凋落傾向が止まらない理由はぱっと思いつくだけでも片手以上挙げられます。特にその理由をセグメントに分けて考えると景気後退(デフレ含む)による価格下落、土地神話の崩壊というマインドの植え付け、少子化を含む不動産の需給バランス、高層マンションというライフスタイルの変化等だと思いますが、もう一つ重要なことは中古住宅の買い難さが市場流通性の点から懸念されていました。
財務省が定める木造住宅の法定耐用年数は22年、RC造のマンションなら47年です。これが何を意味するかといえば、あなたの夢の新築の木造二階建ての家は22年後には価値が基本的にない、ということです。つまり、あなたが40歳でようやく郊外に家を買えたとしても定年も近い62歳には家の価値が無くなることになります。ならば、二世帯住宅に住む息子夫婦にとっては売っても土地の価値しかないのだからそこに住むしかないともいえるのです。つまり、逆説的ですが、選択肢をわざわざ狭めていることになるのです。
では新築10年後に売却すればどうなるか、といえば今度は買い手のローンが問題になります。新たに購入希望する人のセグメントは若い人、世帯所得がやや低い人を大きく取り込みますが、その際、長いローンが組みにくいという弊害が出てきます。銀行は土地については一定の掛け目で融資できますが、建物についてローン期間が長いと法定耐用年数に引っかかることになり、ローンが付きにくいという結果を生むかもしれません。となれば、せっかく欲しいという人がいてもローンが組めないのなら…ということになりかねないのです。
私はこの法定耐用年数が長く見直されていなかったことに疑問を持っています。
財務省でプレゼンされたある資料を見る限り、木造の平均寿命は1997年時点の43年から2005年の54年に11年も延びています。ちなみに1982年時点なら38年程度の寿命だったようです。つまり、建物の品質の向上などにより寿命は82年からは42%以上(多分今なら60%ぐらいあってもおかしくないでしょう)も延びているのです。しかも22年というのは「法定耐用年数」であっていわゆる減価償却上の話であります。つまり、実際の建物の寿命とリンクしていないのにそれがあたかも建物の価値にリンクするような仕組みそのものが日本の不動産事情を複雑にしてしまっているのです。
仮に国土交通省で耐用年数が大幅に見直され、財務省がそれに呼応して法定耐用年数を長くすれば、日本の中古住宅市場が大きく復活する土壌ができます。なぜならローンがより付きやすいですから買い手も増えやすく、市場の活性化につながります。また、今、タワーマンション一辺倒の日本の若者の不動産嗜好が戸建という選択肢により変わってくる可能性があります。
それでも日本の建物の寿命は欧米のそれに比べ半分以下のようですが、もう一つの理由としては日本人は戸建にしろ、マンションにしろ不動産の管理、リノベーション、アップグレードという感性が非常に鈍いと思います。「古くなれば建て替える」という発想が強く、常に新しいものを求める傾向が圧倒的に強いのです。それなりに理由はあるでしょう。例えば多雨多湿故に建物が傷みやすいと。しかし、ここバンクーバーも年の半分雨季でも住宅は長くきれいに使っています。
戸建の良さはマンションのように管理費がかからないというコメントをよく耳にします。そんなことがあるわけなく、本来ならやらなくてはならないメンテをすっ飛ばしているだけの話です。
不動産価値を高めるには品質向上による耐用年数の見直しも重要ですが、最後は住む人ひとり一人の管理が建物をどれだけ大事に持たせようとするか、ということにつながっていくかと思います
(私のコメント)
木造住宅の寿命とコンクリートマンションの寿命は、建材の飛躍的な進歩で大きく伸びています。木造住宅にしてもコンクリートマンションにしても手入れさえ十分なら100年以上から200年は十分に持つはずです。しかし現在の法定耐用年数は「木造住宅の法定耐用年数は22年、RC造のマンションなら47年です。」
昔の木造住宅は安普請で古くなったら建て替える事が普通でしたが、最新の高級建材を使えば躯体そのものは200年くらいは持つでしょう。問題は住宅設備などで電気設備や給排水設備などは寿命が来れば交換しなければなりません。私が経営するオフィスビルも20年以上が経って空調設備も受変電設備もすべて交換しました。
木造のアパートも、付帯設備のほとんどを交換していますが、建物本体はパネル工法で建てられたものであり、大きな地震などがあってもびくともしないでいる。外壁なども新建材の外壁なのでペンキなどを塗れば新築と変わらなくなる。阪神大震災の時も古い木造住宅が押し潰されたようにペシャンコなのに、直ぐそばの新築住宅には何の被害も無かった。
このように最近の木造住宅は、耐震性や耐火性などが向上して耐久性も50年から100年以上は楽に持つ。にもかかわらず法定耐用年数は22年であり、建物の価値はほとんど変わらないのに20年も経てば評価額はタダ同然になってしまう。これは銀行などで中古住宅を買う時も担保価値はゼロという事でありローンが受けられなくなってしまう。
日本の中古住宅市場は欧米に比べると小さいのは、中古木造住宅などの評価が低いからであり、一つ一つの住宅ごとに評価をするべきなのだろう。コンクリートのマンションも設備面で問題が無ければ100から200年は楽に持つから、日常の維持管理が重要で欠かせない。
ちょうど都知事選挙ですが、東京では老朽化した木造住宅が大地震などで被害が想定されますが、東京の不燃化や高層化が欠かせない対策になっている。一戸建てでも新しいものは不燃化されて耐震性も高い。だから古い住宅の建て替えなどを推進すべきなのですが、戦後間もなく建てられたような住宅は地震が来ればペシャンコになるだろう。
最近では超高層マンションが都心に次々と建てられていますが、超高層マンションは維持管理費が非常にかかり、それが良くなければすぐに使い物にならなくなる。エレベーターなども酷使されますが、15年も経てばロープやモーターなど交換しなければならない。給排水設備は超高層マンションでは特に問題であり、配管などの交換はどうするのだろうか?
中国などの新興国では超高層マンションが次々と建てられていますが、バブルなどが崩壊して住民が居なくなるなどして管理費も積み立てていなければメンテナンスも出来なくなり廃墟となり使えなくなるだろう。多摩ニュータウンも高齢化が進んでエレベーターのついていない公営住宅は入居者が居なくなり取り壊して建て直さなければならない。
だから一戸建住宅やマンションも50年先100年先を見越して設計しなければなりませんが、設計や維持管理が建物の資産価値を決める事になる。記事にもあるように戸建はマンションのように維持費がかからないというのは嘘であり、設備や建具の交換や外壁塗装はしなければ資産価値はどんどん下がってしまう。古くなれば建物ごと建て替えるといった発想だから住宅にかかる費用は非常に高いものになってしまう。
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