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規制再強化で格安タクシーは姿を消す
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140131/ecn1401310724001-n1.htm
2014.01.31 「お金」は知っている
タクシー運賃引き上げの特別措置法が27日から施行された。同法により、大阪の「500円タクシー」など格安業者は強制的に値上げさせられる。
タクシー利用者として値上げがけしからぬ、と言うのではない。怒りを覚えるのは、お上が民間の自由な経済活動に口をはさむのをよしとする政治の風潮である。これに限らない。政府は4月からの消費増税分の販売価格への転嫁を義務づけ、官僚たちは業界指導に喜々としている。
運賃規制は東京23区と大阪市のほか、札幌、仙台、福岡などの地方の中核都市のタクシーを対象に、国が運賃の上限と下限を定め、下限よりも安い運賃のタクシーは走れなくする。4月の消費税増税後の大阪市の初乗り下限運賃は660円で、500円タクシーが姿を消す。
特別措置法ではおまけに、タクシーの「供給過剰地域」を指定して、台数を強制的に減らすこともできるという。
政府は小泉純一郎政権時代の2002年にタクシー規制を大幅に緩和したが、09年に規制を再強化し、さらに大幅な規制策を追加した。郵政改革の停滞を含め、自公、民主を問わず、ポスト小泉の政権は規制強化の流れに乗っている。
懸念するのはアベノミクスへの信頼が揺らぐことだ。アベノミクスの「第3の矢」は規制緩和を柱とする成長戦略である。安倍晋三政権がこうも簡単に規制強化と官僚によるビジネスへの介入を許すのを見ると、その規制緩和への本気度はどの程度のものなのか、疑わざるをえない。事実、安倍政権が議論している規制緩和は迫力不足だ。
あるいは、理由はなんであれ、値上げすること自体は、物価の上昇につながる。つまり、「脱デフレ」の一助になるとでも、お上は考えるのだろうか。菅直人民主党政権時代に消費税増税を仕掛けた与謝野馨経済財政担当相(当時)に付き従う某官僚は、デフレ下の消費増税に反対する筆者に向かって、「消費税増税すれば物価が上がりますよ」と、「脱デフレ」効果を強調したものだ。
日銀政策委員会の見解によれば今回の消費税増税による消費者物価上昇幅は約2%だが、それを需給関係の好転からくる自然な物価上昇と峻別(しゅんべつ)する良識は官僚側にはない。4月以降、官僚たちは見かけ上の2%以上のインフレ率を盾にとって、「脱デフレが進んでいる」とばかり喧伝(けんでん)するに違いない。
需要がないときに値上げするのはデフレ圧力を呼び込む。一時的に消費者物価指数が上昇しても、消費水準が落ち込む結果、1年もたたないうちに物価は下がり始める。これが1997年度の消費増税の教訓である。もとより、日本型慢性デフレは、物価の下落率の数倍以上の速度で家計の所得が下落し続けるのが特徴だ。
規制緩和への逆行に加えて、脱デフレも困難ともなれば、いったいアベノミクス、いや、日本はどうなるのか。杞憂(きゆう)に終わればよいが。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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