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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140129/ecn1401290714002-n1.htm
2014.01.29
フィデリティ退職・投資教育研究所が2013年4月に実施したサラリーマン1万人アンケートでは、50代の退職準備で厳しい実情が明らかになった。50代男性2139人に「現在退職後の生活費として用意できている金額」を聞き、28・8%が「1000万円以上」と回答した一方で、「まったく準備できていない、0円」の人が28・2%に達した。同じく働く50代女性973人のうち30・3%が1000万円以上、23・4%が0円と回答している。
退職準備資金における大きな格差はそのまま老後の生活の格差につながるだけに改めて警鐘を鳴らしたい。もっと老後資産形成に気を配るべきだ。4人に1人の割合になる老後準備資金0円のサラリーマンは、このまま退職を迎えるのは厳しい。生活資金が不足して生活の基礎的な要件、医・食・住に支障をきたすような「老後難民」の予備軍といってもいい。
もちろん退職後の生活資金は退職までに作り上げてきた資産だけではない。多くのサラリーマンが退職金を老後の生活に充当するつもりでいるだろう。しかし、前回示したおとり、サラリーマンの場合には退職金の金額はまちまちだ。500万円未満の人もいれば、2000万円を超える退職金を受け取る人もいる。
肝心なのはそれが全額、老後の生活資金に充てられるかどうか分からないところだ。全国消費実態調査(2009年)によると、住宅ローンを抱えている人の比率は40代前半で53・6%だが、60歳前半になると20・6%まで低下する。退職金で住宅ローンを返済することで60代前半になると、この比率が一気に低下するわけだが、見方を変えると、住宅ローンを抱えた人の4割近くが60歳を過ぎても完済できていないということでもある。
そこで今から、少しでも老後の資産をどう作り上げるか考えてほしい。まずは60歳で引退するのは早すぎる。たとえ収入が少ないとはいってもまだ5年くらいは働けるだろう。次に、仕事から引退しても、運用から引退する必要はない。まだまだ20年くらいは運用できるはずだ。
さらに退職した後、資産運用を続けるとしても大都市にしがみつく必要はない。少しでも物価の安い、住みやすい地方都市に移住することもできる。総合的に退職後の生活のための資産確保に向き合うべきだ。
■野尻哲史(のじり・さとし) フィデリティ退職・投資教育研究所所長。1959年生まれ。一橋大卒。82年、山一証券入社。山一証券研究所でエコノミスト、ストラテジスト、米ニューヨーク在住アナリストなどを経験した。98年からメリルリンチ証券調査部、2006年にフィデリティ投信へ入り、07年より現職。『老後難民 50代夫婦の生き残り術』(講談社+α新書)など著書多数。
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