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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140128-00000008-wordleaf-nb
THE PAGE 2014/1/28 12:18
今回はギリギリで回避したが
今月末の償還期限を前にデフォルト(債務不履行)の懸念が高まっていた中国の金融商品について、資金の償還が実施される見通しとなりました。この金融商品は、いわゆる「影の銀行(シャドーバンキング)」によるもので、もしデフォルトとなれば、中国で不良債権が表面化する初めてのケースといわれていました。今回はギリギリでデフォルトが回避されましたが、この案件は氷山の一角であり、中国の不良債権問題は当分の間、続きそうです。
今回デフォルトを回避した金融商品は、中国の信託会社「中誠信託」が発行したもので、金額は30億元(約510億円)にのぼります。集められた資金は山西省の石炭会社の増資資金に充当されましたが、この会社はずさんな経営を続けており、資金返済のメドが立たない状態にありました。この企業がどのような手段で今回の資金繰りを手当したのかは不明です。
中国は日本や米国などと異なり、金融システムが十分に整備されていません。このため正規の銀行融資でカバーできる範囲は狭く、経済のあらゆる場面において、銀行を介さない融資が日常的に行われています。これらを総称して影の銀行(シャドーバンキング)と呼んでいます。
国有化や資本注入の可能性も
中国の政府系シンクタンクである社会科学院の調査では、シャドーバンキングの融資規模は2012年末において17兆元(約289兆円)に達するとしており、現在はさらに拡大している可能性があります。中国の2013年のGDPは57兆元、銀行融資の総額は約77兆元ですから、シャドーバンキングの規模はGDPの3分の1、銀行融資の22%に達することになります。
今回デフォルトを回避した商品は氷山の一角であり、この他にも多数のデフォルト予備軍が存在していることになります。中国政府は基本的にバブル経済に伴って発生した不良債権は、投資家を保護することなくドライに処理していく方針を掲げています。
しかし、信用不安が起これば、大規模な金融危機になってしまう可能性もありますから、影響の少ない案件から徐々に破綻処理を進めていく可能性が高いと考えられます。また必要に応じて国有化や資本注入といった処理が行われる可能性があります。
日米のバブル処理を参考に
幸いなことに、世界には日本のバブル崩壊と米国のリーマンショックという、2つの大きなバブル処理事例が存在しています。中国の金融当局は両国のケースを詳細に調査しており、今回のバブル処理に生かす方針といわれています。
特に日本のバブル崩壊は、銀行ではなくノンバンクを経由して商業用不動産に過剰融資されたという点で、今回の中国バブルと状況が非常によく似ています。バブル崩壊時点でのGDPに対する融資総額の割合もほぼ同じ程度であり、不良債権比率も似たような水準になる可能性が高いと考えられます。
日本の場合、不良債権の総額が分からず、最終的に不良債権を処理するまでに10年近くの歳月がかかりました。中国は政府が管理する統制経済ですから、日本よりも処理が早く進む可能性がありますが、社会不安を起こさずにすべての不良債権を処理するためには、やはり相応の時間がかかると考えた方がよいでしょう。
(The Capital Tribune Japan)
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