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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MXKSH56JTSEC01.html
1月28日(ブルームバーグ):
安倍晋三政権による大胆な金融緩和を背景に、不動産投資マネーが大阪や名古屋、福岡など東京以外の大都市圏にも流入し始めている。東京でオフィスビルの投資収益率に低下傾向が見られる中、高い投資利回りを求めて国内外からの資金が日本全体に広がり、投資市場として「復活」してきた。
世界最大の資産運用会社、米ブラックロック は昨年8月に大阪のオフィス・住宅の複合ビルを取得した。アジア不動産部門の責任者、ジョン・サウンダース氏はブルームバーグ・ニュースに対し、より高い利回りを求め東京以外の都市での投資を模索していると述べた。
国内の投資ファンドの買い意欲も旺盛だ。不動産証券化協会がまとめた日本版不動産投資信託(Jリート)の2013年の資産取得額(引渡日ベース)は前年比3倍弱の2兆2330億円と過去最高を記録した。
アベノミクス効果による景況改善を受けてオフィス空室率が低下するなど、不動産市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)改善が資金を呼び込んでいる。サヴィルズ・アジア・パシフィックのクリスチャン・マンシーニ氏は日本の不動産投資市場について、「やや復活の状態にある」と語った。
日銀は2%程度の物価上昇の実現に向け、昨年4月から積極的な金融緩和に踏み切った。クレディ・スイス証券の望月政広アナリストは21日付リポートで、量的緩和の継続により実質金利はさらに低下する可能性があるとし、「不動産投資の需要が刺激され続ける」とみている。
地方の主要都市
今回の不動産投資マネーの流れの中では、都心の物件には過熱感が生じてきたとみて、地方主要都市に選別投資する動きが出ている。Jリートのユナイテッド・アーバン投資法人は昨年11月、福岡市の天神ロフトビルを三菱地所から購入した。想定NOI利回り(費用を除いた賃貸収入を取得予定価格で割った数値)は7%だった。
ユナイテッド・アーバンの運用会社ジャパン・リート・アドバイザーズのチーフフィナンシャルオフィサー(CFO)、夏目憲一氏は天神ロフトの想定NOI利回りについて、同社の投資物件全体の平均値(13年11月期5.46%)を上回っており、「福岡は有望な商業地域と判断した」と述べた。
米不動産調査会社リアル・キャピタル・アナリティクス(RCA)のデータによると、都心のオフィスビルの投資利回りを示すキャップレートは、12年10月の5.4%をピークに低下傾向となり、13年10月は4.9%だった。同レートは賃料収入を物件価格で割った数値で、物件が値上がりすれば、利回りは相対的に低下する。
オフィス市況の改善は地方の主要都市にも広がり出している。三鬼商事がまとめた昨年12月のオフィス空室率によると東京は7.34%と12年6月の9.43%から約1年半にわたって低下傾向を維持。こうした中、大阪は9.79%、福岡は10.86%と、それぞれ9カ月、11カ月連続で低下している。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 桑子かつ代 kkuwako@bloomberg.net;東京 Kathleen Chu kchu2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andreea Papuc apapuc1@bloomberg.net
更新日時: 2014/01/28 11:41 JST
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