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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140128/dms1401280737001-n1.htm
2014.01.28 「日本」の解き方
22日に開かれた日銀金融政策決定会合で、昨年10月に公表された「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価が行われた。
当時の見通しでは、消費税率引き上げの影響を除く消費者物価指数(除く生鮮食品)上昇率について政策委員の中央値でみると、2014年度に1・3%、15年度1・9%であったが、今回の中間評価でも変わらなかった。
しばしば「2年で2%を目指す」といわれる。これは、15年度における消費税率引き上げの影響を除く消費者物価指数(除く生鮮食品)上昇率を指していると思われるが、今回の中間評価でも、その達成に日銀は自信を持っているということだ。
筆者は、日銀の異次元緩和の前から、「2年で2%」を達成するために必要なマネタリーベース(日銀が供給する通貨)の増加量を指摘していた。それは異次元緩和で実施されたものとほぼ同じであるが、消費税増税を織り込んでいない。増税のデフレ効果は気がかりだ。
一方、マスコミなどでは、「2年で2%」の意味を正しく理解していない論調が見られる。まず、「2年」であるが、これが明確でない。ある人は、13年4月に日銀が量的金融緩和を宣言したことから、15年4月とピンポイントで言うが、日銀の資料を見る限り、15年度の平均というのが妥当だろう。
次に「2%」であるが、多くの人はぴったり2%と思い込んでいる。筆者はかつてイングランド銀行のキング総裁に会ったときに、彼から「ちょうどいいときに来た。先月のインフレ率はぴったり2%で、珍しいときだよ」と言われた。ぴったり2%になることはめったにないというわけだ。2%といっても、上下プラスマイナス1%の幅を持つのが普通だ。
先進国のインフレ目標では、プラスマイナス1%の幅に入っているかどうかで、目標達成について判断することが多い。過去のデータではその幅に8割程度入っているので、それからはみ出たら、議会への説明が必要になるというわけだ。その意味で、2%の上下プラスマイナス1%がストライクゾーンだろう。
実は、日銀の政策委員の中にもインフレ目標をきちんと理解していない人がいると見受けられる。政策委員の見通しの幅を見ると、昨年10月には、15年度のインフレ率見通しを「0・7%」や「0・9%」としている人がいる。今回の中間評価でも「0・8%」としている人がまだいる。
それらの人は見通しを上方修正し、意見を少しだけ変えているが、はっきりいえば政策委員にふさわしくない素人だ。インフレ率を2年で1%すら達成できないと信じているのなら、なぜ達成できるような提案ができないのか。もし日銀の政策手段だけで達成できないと思うなら、なぜ政策委員をやり続けているのか。
日銀の政策委員は専門家であるべきだが、見識もなく具体的な提案もできず、組織にしがみつく単なるサラリーマンであることがミエミエだ。「2年の達成時期を変えよ」と主張する政策委員もいるが、まったく論外だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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