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「貿易赤字が経常赤字となって国内のマネーが海外に漏れ出すと、国内で大量に消化している国債日本の財政赤字の受け皿になるマネーが乏しくなって、今のところ現実味は大きくはないがさきざき国債の金利が上昇する懸念がある」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)
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NHKニュースで分析しているが、去年の貿易収支が過去最大の赤字を記録した。
これは原発を停止し、老朽化した火力発電に切り替えたためだ。
天然ガスの価格は、石油ショックの影響もあり、安定供給を重視しており、長期契約になっており、簡単に価格は引き下げられない。また日本への輸入は巨額の液化設備が必要で、シェールガスを低価格で輸入することも難しい。
NHKニュースから
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140127/t10014787381000.html
去年1年間の日本の貿易収支は、円安で原油やLNG=液化天然ガスの輸入額が膨らんだことなどから11兆4745億円の赤字と、過去最大の赤字になりました。
日本の貿易赤字はこれで3年連続です。
財務省が発表した貿易統計によりますと、去年1年間の輸出額はアメリカ向けの自動車の輸出が増えたことなどから、69兆7877億円となり、前の年より9.5%増加しました。
これに対し、去年の輸入額は火力発電の燃料となる原油やLNGの輸入額が円安で膨らんだことに加え、中国や台湾からのスマートフォンの輸入が増えたことなどから、前の年を15%上回り、これまでで最も多い81兆2622億円に膨らみました。
この結果、輸出から輸入を差し引いた去年の貿易収支は11兆4745億円の赤字となり、赤字額はおととしの6兆9410億円を大幅に上回って、過去最大となりました。
年間の貿易赤字が10兆円を超える規模にまで膨らんだ要因の1つは、日本企業の生産拠点の海外移転や競争力の低下などによって、円安が続いてもかつてのように輸出が伸びなくなっていることが挙げられます。
日本の貿易赤字はこれで3年連続となり、赤字が定着することへの懸念が強まっています。
★貿易赤字の内訳は
貿易赤字が拡大した大きな要因は、円安に伴う原油など燃料の輸入額の増加です。
このうち▽原油は14兆2408億円で前の年より16.3%増え、▽液化天然ガスは7兆567億円と17.5%増加しました。
また電機関連も輸入が増え、▽主にスマートフォンが占める「通信機」は2兆6777億円で24.6%の増加、▽テレビやパソコン、スマートフォン向けの半導体などの電子部品も2兆4451億円と、37.4%増えました。
一方、輸出は、▽自動車が欧米向けに増えたことから12.9%増加して10兆4150億円。
▽化学製品もペットボトルの原料となる製品の輸出が中国向けに増えたことなどから7兆5109億円と18%増加しました。
輸出は全体の金額は増えましたが製品の数や量を見ますと、1.5%のマイナスと、3年連続の減少となっています。
政府は、円安によって初めは輸入額が増えて貿易赤字が増えるものの、その後は、製品の価格競争力が増して次第に輸出の数量が拡大し、貿易黒字を生み出すいわゆる「Jカーブ効果」を見込んでいます。
しかし、これまでのところ円安の効果は十分に現れず、輸出の増加が、国内の生産や雇用の拡大につながり力強い景気回復を実現させるというシナリオも期待通りには進んでいません。
★家電メーカーの海外移転進む
国際的な競争にさらされている日本の家電メーカーは、為替相場の影響を受けにくい生産体制をつくるため、円高局面で、海外に生産拠点を移してきました。
このうち冷蔵庫や洗濯機などの白物家電では、東芝が7年前に66%だった海外での生産比率を96%にまで拡大し、国内需要のほとんどを逆輸入で対応しています。
また、テレビも東芝と日立製作所が国内生産から撤退して、海外からの逆輸入に頼っているほか、カーナビゲーションシステムの分野でも、JVCケンウッドの海外生産がおよそ90%を占めています。
このところの円安で、生産拠点を海外から国内へ戻す動きが一部で出ているものの、海外生産は人件費などコストが安いというメリットがあるため、かつてのような生産体制に戻すのは難しい情勢です。
★貿易赤字のリスクは
貿易赤字の拡大が懸念されるのは、日本が国際的にどれくらい稼げるかを示す経常収支の赤字を招きかねないからです。
日本は工業製品を輸出して外貨を稼ぐ「貿易立国」として経済を発展させ、長年、経常収支の黒字を維持してきました。
しかし、貿易赤字が続くなかで、日本の経常収支は去年10月、11月と2か月連続の赤字となりました。
経常赤字が慢性化すれば、海外から受けとる金額より支払う金額の方が大きくなり、国内で必要な資金をみずから賄えなくなる事態が懸念されます。
政府が巨額の借金を抱える日本の場合、経常赤字国への転落は現在、国債の大半を消化している国内マネーが縮小して、海外への依存が大きくなり、国債の金利が上昇するリスクも高まりかねません。
今の日本は、そうした状況にまでなってはいませんが貿易赤字の拡大が経常収支の悪化を招けば、国の信用力を低下させることになりかねないだけに今後の貿易収支の行方に注意が必要です。
★専門家「国債金利上昇の懸念も」
貿易赤字の拡大が日本経済に及ぼす影響について、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「貿易赤字が経常赤字となって国内のマネーが海外に漏れ出すと、国内で大量に消化している国債日本の財政赤字の受け皿になるマネーが乏しくなって、今のところ現実味は大きくはないがさきざき国債の金利が上昇する懸念がある」という見方を示しています。
そのうえで熊野氏は、「人口減少が進む日本では、今後、内需の大幅な拡大は期待できないだけに円安が続いているうちに、技術革新によって国際競争力のある魅力的な製品を生み出すことで輸出を増やしていくことが必要だ」と指摘しています。
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