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トヨタの世界戦略 富士重の完全子会社化とスズキ買収提案もhttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140125-00000012-pseven-bus_all
週刊ポスト 2014年1月31日号
トヨタ自動車の2013年生産台数が1000万台を超え、2年連続で世界一となる見通しだ。世界のだれもが認めるトップ企業のトヨタだが、将来にわたってトップを維持するためには、生産台数2000万台を目指しスズキを買収するような大胆なM&Aをすべきだと大前研一氏は提唱する。
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トヨタ自動車の2013年のグループ世界生産台数(ダイハツ工業と日野自動車を含む)が、世界の自動車メーカーで初めて1000万台を超える見通しとなった。トヨタが発表した同年1〜11月のグループ世界生産台数は、前年同期比0.9%増の約934万台と2年連続で過去最高を記録し、同年の世界生産計画1012万台の達成が濃厚になったのである。
このままいけば、トヨタは2012年、2013年と2年連続で世界一の座を維持することになる。だが、経営戦略とブランド系列と進出国を見ると、私が数年前に指摘した通り、今後はトヨタとGM(ゼネラルモーターズ)に続く世界3位(2012年)に位置するVW(フォルクスワーゲン)グループに分があると思う。
なぜなら、まず基本的に“身内主義”を貫くトヨタと異なり、VWは積極的なM&Aによって、今やベントレー、ブガッティ、ランボルギーニ、ポルシェ、アウディ、セアト、シュコダ、マン、スカニア、ドゥカティなど、ラグジュアリーからプレミアム、大衆車、商用車、二輪車まで、傘下に12ブランド・280車種を擁し、すべてのセグメントを網羅しているからだ。
私は、トヨタが今後VWに対抗するためには、「世界一を維持」とか「世界生産台数1000万台+α」ではなく、「2000万台」を目指すべきだと思う。2000万台とはどういうことか? すべての主要国でトップになり、かつ2位にダブルスコアの差をつける、ということだ。荒唐無稽と思われるかもしれないが、実は国別に見れば、1位と2位の差が2倍以上というケースは珍しくないのだ。
2000万台を目指すにはどうすべきか? まず、富士重やマツダ、VWで言えばポルシェやベントレーのようなインパクトのあるブランド車を開発できる体制を作らなければならない。
もう一つ必要なのはM&Aだ。トヨタは日野とダイハツ以外に大胆なM&Aをしていないが、たとえば、いまトヨタの出資比率が16.5%の富士重を完全子会社にすれば、VWのアウディ買収と同じように、個性的なブランドが手に入る。あるいは、スズキを買収してテコ入れすれば、インドで50%のシェアを取り、ハンガリーでもトップシェアを獲得することができる。
海外メーカーも含めたM&A戦略を進めれば、VWやGMに2倍差をつけることも決して不可能ではない。
ところが、現在のトヨタの組織はあまりにも古い。レクサス事業を担当する「レクサスインターナショナル」、日米欧の先進国を担当する「第1トヨタ」、新興国を担当する「第2トヨタ」、そして部品の「ユニットセンター」という四つのビジネスユニットに分かれているわけだが、先進国と新興国で二分する発想自体、今の世界市場が見えていないのではないかと思う。
国内の販売台数が500万台を超えているか、これから超えるとおぼしき主要国は国名で呼ぶべきであり、そういう国は日本、アメリカ、中国、インド、ブラジルくらいしかない。その次には人口1億人で1人あたりGDPが5000ドルを超える国を個別に攻略する。EUとASEANは統一市場としてシェアトップを目指し、その他は各国のトップメーカーやディーラーと提携すればよいのである。
トヨタは改めて根本から組織を作り直し、商品別のフォーカスと国別のフォーカスを強化しなければ、遠からずVWの後塵を拝することになるだろう。
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