http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/276.html
Tweet |
安倍首相のダボス会議の講演
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52539268.html
2014年01月23日 在野のアナリスト
昨日、日銀金融政策決定会合後の会見において、黒田総裁が来年度の物価見通しについて自信を示し、追加緩和への期待が後退しています。元々、日銀はこれまでも物価、景気について楽観的な見方を示してきたので、消費税増税の影響を相殺するため追加緩和、ということ自体、勝手に市場が夢想していただけのことです。しかし市場は乱高下し、昨日はほぼ横ばいで終えましたが、今日になりその影響を織りこむ形で、下落しています。
今日の下落は中国のHSBC、PMIの発表などもありましたが、それ以上にさらに失望を誘ったのが、ダボス会議における安倍首相の講演です。「日本は夜明けを迎えた」と発言していますが、英語のドーン(夜明け)は昔から結社、テロ集団に好まれて使われてきた単語です。夜明け、という言葉は、日本では『日の出』などの言葉にも表れるように、いい意味で用いられますが、海外の受け止めは異なります。しかも、1日の切り替わりを意味するなら、海外では日本は右傾化し、軍事大国へ向かう、その『はじまり』ということを意識したのかもしれません。
安倍氏は東証の大納会で鐘をならすなど、市場に気をつかう政治家です。しかし逆に、それが弱点にもなってきました。最近、経済評論家でさえ、公共の電波で「安倍ノミクスで儲かったのは輸出企業と株主だけ」と述べ始めました。個人的には建設業も付け加えられると思いますが、市場のみならず、国民の間にも不満がたまり始めてきた。甘い言葉ばかり囁き続けてきたため、現実との乖離に幻滅しはじめている。経済評論家も、これ以上のうそはつけない。誰もが「安倍ノミクスって一体何なの?」そう考える、そんな夜明けが近づいてきているのが、今です。
安倍氏のすすめる経済外交は、元々韓国などが得意としていたもので、安倍氏は二番煎じをしているに過ぎません。しかしダボス会議でも、法人税減税に前向きな発言をするなど、企業優遇の姿勢は、財閥系を優遇する韓国に似ています。一時、ウォン安で謳歌していた韓国企業が、ウォン高になって突然変調したように、今後の日本も同じことが起こるでしょう。つまり、安倍氏の手法をとる限り、今の韓国は将来の日本の姿にみえてきます。特区構想など、経済が上向きのときは良いですが、斜陽に入るとただの焼け野原のように焦土化してしまうに違い有りません。
著名投資家との会談なども行っていますが、甘い言葉をささやいて資金を呼びこんでも、実が得られなければ、すぐに逃げて行く。安倍氏の手法では、ずっと市場の要求にこたえなければならず、それではいつか息切れします。そして、息切れするタイミングはもうすぐそこです。
第一次大戦前の英独のよう、日中をそう評する英紙があります。今がITバブル前夜のよう、そう感じる人も多くいます。安倍氏のやっていることは、そうした黎明期、夜中に訪れるナチュラルハイに近い状態とも言えるものです。安倍氏は勝手に夜が明けた、と考えているようですが、世界は『これから』迎えるであろう日本の夜明けに、安倍氏が先頭に立っているとは考えていない。むしろ、ルー米財務長官が円安牽制発言を行ったように、これから日本への批判、圧力が高まって行く。そんな夜明け前の長鳴鳥のように、世界は受け止めたのかもしれませんね。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。