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「サプライサイド経済学の経済成長」(EJ第3713号) (Electronic Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/217.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 1 月 21 日 08:34:00: igsppGRN/E9PQ
 

「サプライサイド経済学の経済成長」(EJ第3713号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/385625385.html
2014年01月21日 Electronic Journal


 いわゆる新自由主義理論のひとつとして、供給側を強化するサ
プライサイド経済学というものがあります。これは、「需要」と
「供給能力」のうち、供給能力の方を強化することによって経済
成長を促進させるという経済学の考え方です。
 国家の役割を縮小し、なるべく市場原理に委ねることによって
個人や企業の経済活動を自由にし、供給能力を高めようとするの
です。そして、国家としては「小さい政府」を志向します。
 1981年に発足した米国のロナルド・レーガン政権には、サ
プライサイド経済学を志向する経済学者や通貨供給や金利操作な
どの金融政策を重視するマネタリスト、市場原理重視の経済学者
が多く政策ブレーンとして参加し、レーガノミックスを推進して
一定の成果を収めたのです。そしてこれらの経済政策は、それ以
降の米国経済政策の主流を占めるようになっていったのです。
 サプライサイドの能力を高める具体策について、三橋貴明氏は
次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 まずは法人税減税で企業に投資させ、供給能力を増やす。さら
 には、国営企業は基本的に競争をしないため、民営化を促進し
 て市場競争を激化させる。ただし、民営化を進めても、競争相
 手がいなければ、供給能力は増えないため、外資を積極的に導
 入する。すなわち外国の資本を受け入れる。各種の関税や「非
 関税障壁」を撤廃すれば、外資系企業が一気に参入し、競争激
 化により民営化された旧国営企業の供給能力が上がっていく。
 簡単に書けばこのような理論だ。もちろんサプライ・サイド経
 済学では各種規制緩和や投資の自由化もセットになっている。
 「規制やルールが多すぎて、供給能力が上がらない」という、
 基本的な発想があるのである。       ──三橋貴明著
           『真説日本経済』/KKベストセラーズ
―――――――――――――――――――――――――――――
 これを見るとすぐわかることは、かつての小泉内閣や現在の安
部内閣がやっていることにそっくりであることです。これら2つ
の内閣には、いずれも竹中平蔵氏が深く関与しています。小泉内
閣では経済財政担当相として、安倍内閣では産業力競争会議の委
員として、竹中氏は強い影響力を発揮しています。
 安倍首相としては、本当は竹中氏を経済財政諮問会議の委員に
したかったのですが、麻生財務相の根強い反対によって、産業力
競争会議の委員にせざるを得なかったのです。そのため、産業力
競争会議では、第3の矢である成長戦略に竹中氏の主張する規制
緩和が色濃く打ち出されているのです。
 ところで、竹中平蔵氏はデフレについてどのような立場に立っ
ているのでしょうか。竹中氏は2013年7月3日の「ITジャ
パン/2013」で、デフレについて次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 デフレの原因は、人口減少でも需給ギャップでもなく、マネー
 の量が少ないということ。         ──三橋貴明著
 『2014年世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機』/徳間書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、竹中氏はデフレについて「貨幣現象派」に立っ
ていることは明らかです。ここで「人口減少」といっているのは
藻谷浩介氏の説(藻谷浩介著、『デフレの正体/経済は「人口の
波」で動く』/角川書店)のことをいっているのですが、これに
ついて竹中氏は田原総一朗氏との対談で、次のように明確にその
説を否定しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 竹中:確かに人口が減ると、よく考えればわかるように、需要
    が、つまり、モノを買う力がそんなに増えないから、デ
    フレ的になる可能性はあるのです。
 田原:もうちょっと具体的にその本の内容を言いますと、実は
    人口が減っているというよりも、仕事をしている現役世
    代の人口が減って、仕事をしない年寄りの人口が増えて
    いる、という言い方でしたね。
 竹中:はい、それも含めてなんですけど、実は世界で日本だけ
    がデフレと申しましたけれども、世界中を見ると、人口
    が減っている国は24ヵ国あります。その24ヵ国のう
    ち、例えばロシアは人口が減っています。ウクライナも
    人口が減っています。でも、ロシアもウクライナも物価
    の上昇率はプラスの6%です。だから、人口が減るから
    デフレになるというのは間違いです。
  ──田原総一朗×竹中平蔵/『ちょっと待って!/竹中先生
   アベノミクスは本当に間違ってませんね?/ワニブックス
―――――――――――――――――――――――――――――
 この本のなかで竹中氏は、デフレと需給ギャップ(総需要の不
足)を否定してはいないのです。不況が長く続くと、需要不足が
起こり、モノの価格が下がることを認めています。しかし、デフ
レの真の原因は「マネーの不足」であるとして、次のように主張
しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 小泉政権下では「需給ギャップ」をなくしたんですけど、その
 ときもまだデフレだったのです。でも、2006年になって、
 「あ、これでデフレは克服できる!」と私たちは自信を持って
 いたのです。ところが、何を思ったのか。2006年3月に日
 本銀行は、それまで5年間行ってきた量的緩和をやめちゃうわ
 けです。これはもう、絶対に間違いだと私、思いました。
           ──田原総一朗×竹中平蔵の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 確かに、添付の「日本政府と民間の収支推移」のグラフを見る
とわかるように、基礎的財政収支は2006年〜2007年には
ゼロに限りになく近づいています。竹中氏は、日銀が量的緩和を
やめたこと、マネーを足りなくすることがデフレの原因であると
主張しているのです。   ── [消費税増税を考える/11]

≪画像および関連情報≫
 ●日本のデフレは人口減少が原因なのか/高橋洋一氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  かなり多くの人々が「デフレ人口原因論」に共感していてい
  るようなので、このコラム「俗論を撃つ!」にふさわしい話
  題だ。まず2つの主張であるが、その代表的な出典を明らか
  にしておこう。「デフレ人口原因論」は藻谷浩介著『デフレ
  の正体』(角川書店)、「デフレ金融政策原因論」は、私の
  『日本経済のウソ』(ちくま新書)である。その上で、両書
  を読み比べると、驚くことに肝心要の「デフレ」の意味が異
  なっている。異なった「デフレ」をそれそれで分析対象にし
  ているので、異なった政策的インプリケーションがでてくる
  のだ。そもそもデフレとはdeflation の日本語訳で、その意
  味は一般的な物価水準の持続的下落である。国際機関などで
  は、GDPデフレータが2年続けてマイナスの場合をいう。
  ここで一般的な物価水準というのは、個別品目の価格ではな
  く全品目の加重平均である「物価指数」を指す。この意味で
  「deflation」 は、一般物価というマクロ経済現象の話だ。
  「日本経済のウソ」では、この国際標準の「デフレ」の意味
  で、一貫して書かれている。その上で、デフレの問題は、デ
  フレが雇用喪失や設備投資減少を引き起こすことが書かれて
  いる。そのロジックは、マクロ的な意味での名目賃金や名目
  利子率には下方硬直性があるために、一般物価の下落に対し
  て、名目賃金や名目利子率がうまく対応できず、結果として
  実質賃金や実質利子率(それぞれ名目値から物価上昇率を引
  いたもの)が高くなるからだ。   http://bit.ly/1bm1aNh


 

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コメント
 
01. 2014年1月21日 10:05:08 : nJF6kGWndY

何でも単一要因で説明する低レベルの経済理論は、聞き飽きたよ

デフレ不況の要因は複数あり

リーマンショック後の高付加価値需要の急減による高賃金雇用の激減

海外との緩和競争で負けたこと

少子高齢化や規制など構造的な内部要因

緊縮的な財政政策(ギリシャ危機後の消費税増税ブーム)

それに乗じた投機的な円高

など複合要因であり、重要なのは、それらの効果を数理モデルに基づき、定量的に再現することだろう



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