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欧州の病人:フランスは経済的苦境から脱却できるか?(The Economist) 
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/204.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2014 年 1 月 20 日 15:54:25: AtMSjtXKW4rJY
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39715
2014.01.20(月) The Economist


(英エコノミスト誌 2014年1月11日号)

フランソワ・オランド大統領は改革を口にしている。改革は大統領にとってもフランスにとっても利益になるため、断行すべきである。

 欧州の弱さは周縁国で最も顕著だった。ギリシャ、ポルトガル、スペイン、そしてイタリアといった国々だ。

 だが、いくつかの尺度では、フランスの方が悪い状態にある。欧州連合(EU)加盟国のうち、過去25年間でフランスより成長が鈍かったのはイタリアだけだ。フランスの財政赤字はイタリアのそれより大きく、経常赤字はユーロ圏で最大だ。

 しかし、何より痛ましいのはドイツとの対比だ。1999年のユーロ創設以降、フランスの1人当たり国内総生産(GDP)は年間0.8%しか伸びていないのに対し、ドイツは1.3%伸びた。ユーロ創設当時、ドイツを下回っていたフランスの単位労働コストは現在、ドイツより高くなっている。

壊れた独仏エンジン

 当時ドイツの輸出額の60%近くに相当したフランスの輸出額は、今ではドイツの40%にも満たない。フランスの失業率は11%に迫り、16年ぶりの高水準にある。一方、ドイツの失業率は5%を若干上回る程度で、20年ぶりの低さを記録している。また、ユーロ圏の大半が今では成長しているのに対し、フランスは再び景気後退に入りつつある可能性がある。

 こうした脆弱性は、ユーロ再建に向けた努力を台無しにしている。通常はEUの原動力として機能する独仏エンジンが故障しており、フランスが改革できずにいることは、単一通貨の強化に欠かかせない取り組み――例えば銀行同盟の創設など――に対する反発を招いている。

 ドイツの納税者は、どうして自分たちのカネを使って、改善されないフランスの慣行を支えなければならないのか、と問うている。

 こうした状況に対し、2012年半ばからフランス大統領を務めるフランソワ・オランド氏(社会党)が取ってきた対応策は、今のところ実を結んでいない。過度な緊縮に対して当初同氏が示した反対は、何の成果も生まなかった。オランド氏は公共支出(GDP比57%でユーロ圏の中で最も高い)を削減する代わりに、高額所得者に対する75%の給与税課税を含む増税に踏み切った。

 オランド氏は他国で実施されている適切な年金改革の代わりに、掛け金の拠出期間をわずかに延長しただけだ。また、周縁国で実施されている抜本的な構造改革に倣うどころか、オランド氏は労働市場および製品市場の自由化と、先進国クラブである経済協力開発機構(OECD)の中で最も高いフランスの社会保障支出の削減に辛うじて着手したばかりだ。

 そのような生ぬるい取り組みは、オランド氏に何ももたらさなかった。世論調査では同氏は現在、第5共和政で最も人気のない大統領になっており、若者の多くは国を出ることを考えている。

 それでも最近は、かすかな光が見え始めている。年頭の挨拶の中でオランド氏はようやく、減税と公共支出の削減、競争力の向上、より投資家に優しい環境整備について本気で語った。さらに同氏はフランス企業に、大統領の言う「責任協定」なるものを提案した。

 フランスを刷新するには、全面的な改革が必要になる。税金は高すぎるし、政府の規模も大きすぎる。どちらも縮小しなければならない。その後、より大がかりな労働市場の自由化と、もっと本格的な年金制度改革、そして企業にかかる社会保障費の大幅削減が実施されなけれなければならない。

オランド大統領の最後のチャンス

 オランド氏のフランス国内での実績を考えれば、同氏が公約を果たすことを有権者が疑うのは至極当然だ。だが、オランド氏は国外での行動で大胆さを示した。国内でも抜本的な対策を講じることは、同氏自身のためになる。

 オランド氏が景気の悪化を許してしまうことがあれば、同氏は2017年の大統領選で再選を果たす可能性を台無しにしてしまう。フランスが既に多大な債務を抱えているため、同氏はカネをばら撒いて現状を打開することもできず、改革が同氏に残された唯一の選択肢だ。

 次の選挙まで、改革を実行する時間は十分ある。フランスの大統領は大きな権限を持ち、オランド氏は、議会を通さず大統領令によって改革を押し通す用意がある。

 マリーヌ・ルペン氏の国民戦線(FN)が躍進していることもあり、中道右派の足並みは乱れている。オランド氏は自党である社会内の一部には不人気だが、自身以上の左派を恐れる必要はない。いずれにせよ、フランスの左派は多くの場合、右派よりも改革に前向きだからだ。

 10年前にドイツが「欧州の病人」の烙印を押されていた。そこで社会民主党(SPD)出身のゲアハルト・シュレーダー首相が徹底的に自由化を推し進め、ドイツは復活を果たした。大統領さえ十分に大胆であれば、今のフランスにも同じことができるはずだ。


 

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コメント
 
01. 2014年1月20日 16:58:21 : nJF6kGWndY
>大統領さえ十分に大胆であれば、今のフランスにも同じことができるはず

まず無理だな


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