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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140119-00000500-biz_san-nb&ref=rank
SankeiBiz 2014/1/19 08:00
行き先を設定するだけで、ドライバーが運転しなくても目的地までたどり着ける「自動運転車」の技術開発が熱を帯びている。すでに自動車各社は公道での走行実験も始めており、一部技術は来年にも実用化される可能性がある。法整備など残された課題は少なくないが、SFの世界の「夢の技術」から、実用化の先陣争いをする段階に入りつつある。(飯田耕司、田辺裕晶)
自動運転車とは、周囲の状況を認知し、ハンドルやブレーキを操作する人の行動を機械が代わりに行う仕組み。近年、コンピューターの処理能力向上や、衛星利用測位システム(GPS)の普及などが一気に進んだことで各社が開発を強化、技術の蓄積を進めている。
自動車業界では、自動運転車を「交通事故撲滅の切り札」(日産自動車の志賀俊之副会長)として期待する。事故原因の9割超は脇見運転など人為ミス。センサーなどで周囲を把握しながら走行する自動運転技術が確立されれば事故は劇的に減少する可能性がある。
一方、無駄にアクセルを踏んだり緩めたりする回数が減るため、燃費向上や渋滞緩和にもつながる。昨年3月には独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が縦一列に並んだトラックの車間距離を一定に保って自動走行するシステムを開発。これにより燃費が約15%向上する実験結果を得た。
国内自動車メーカーで開発を進めているのはトヨタ、日産自動車、ホンダの3社。技術力はほぼ一線ともいわれ、平成22年にカリフォルニア州の一般道で実験を始めるなど、先行する米グーグルを追っている。当面、日本勢は信号や歩行者を気にしなくていい高速道路や、スピードを出す必要がない駐車場での自動運転技術を開発のターゲットにしている。
日産は昨年11月、電気自動車「リーフ」にカメラやレーダーを搭載した試験車が本線への合流や追い越し、車線変更などを自動で行う様子を披露。トヨタも先行車と無線通信しながら追従走行する実験を公開、来年にも高速道路限定で実用化する可能性がある。これに対し、ホンダは駐車場の空きスペースを見つけて、自動で駐車する技術を実演。急な飛び出しにも対応し、車を停止できる技術の実用化を進めている。
各社とも最終的には一般道での実用化を目指しているが、その開発スタンスは自動車メーカーによって異なる。トヨタ、ホンダは信号機などの交通インフラに情報を組み込み、その情報も駆使して自動運転を実現する「インフラ協調型」を推進。日産は車だけですべての動作を完結する「自律型」の開発を進める。協調型は官民の協力が不可欠で、実現には時間がかかるとみられる。一方、自律型は自動車本体の開発コストが高くなるとされ、互いに一長一短ある。
自動運転車の普及には制度や技術面で乗り越えるべき課題も多い。最大の懸案が法規制との兼ね合いだ。現行の交通法規は自動運転を想定しておらず、道路交通法第70条では「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作」しなければならないと定めている。ハンドルから手を離して自動運転車を公道で走らせれば、法律違反に問われかねない。
米ネバダ州では運転免許を持つ人が運転席に座り、助手席に技術者が同乗するなどした自動運転車の公道走行を認めており、日本でも自動運転車の実用化を目指すなら道交法などの改正を急ぐ必要がありそうだ。また、自動運転で居眠りや脇見運転など人為ミスによる交通事故が劇的に減ると期待される半面、それでも事故が起きた際の責任の所在が大きな課題になる。
現状ではリコール(無料の回収・修理)対象になるような車でない限り、交通事故の責任を問われるのはほぼ運転者だ。ただ、居眠りしていても目的地に着ける自動運転車が普及した場合、事故責任を問われるのはメーカーやシステムを開発したソフトウエア会社になる可能性がある。
「自動運転技術はあくまでドライバーの支援機能だ」(自動車大手幹部)と業界内で予防線を張る声が多いのはそのためだ。一方、技術面では人に代わって車を動かす高度な人工知能の開発が課題になる。自動車に加え人や自転車などが複雑に行き交う街中で周囲の動きを認識し、ハンドル、ブレーキ、アクセルを最適に操作するには、膨大な量の情報処理が必要だからだ。
このほか、悪天候時にも正確に作動するレーダー、カメラの高性能化や、1台数千万円とみられる高コストも悩みの種。こうした課題の解決には自動車メーカーだけでは難しく、官民挙げた検討が今後進められることになる。
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