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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140118-00000010-pseven-bus_all
週刊ポスト2014年1月24日号
大手化粧品会社「資生堂」が4月1日付で就任する次期社長を内部昇格ではなく、外部登用すると発表した。「日本コカ・コーラ」で社長、会長を歴任した魚谷雅彦氏(59)だ。伝統がある分だけ“しがらみ”も多いはずの老舗企業。「外様社長」は2013年3月期に8年ぶりの赤字転落となった資生堂を立て直せるのか。
「死ぬまでに一度、これまでの経験を日本企業で活かしたいと思っていた」
昨年のクリスマス・イブ。サプライズ人事の発表会見で、魚谷氏はこう述べた。180センチを超える長身と健康的に日焼けした肌。精悍さを漂わせる魚谷氏は、主に外資系企業でマーケティングの専門家としてその手腕を発揮。資生堂には、昨年4月にマーケティング統括顧問として招聘された。
魚谷氏のいうマーケティング戦略とは、広告や市場調査に限ったものではない。商品開発から流通まで、経営すべてに「顧客の視点を取り入れる」ことだという。それを実践したのが、今では誰もが知っている「ジョージア」と「爽健美茶」のヒットである。
魚谷氏は1994年、外資系食品会社から日本コカ・コーラに副社長として入社。缶コーヒー市場でサントリーの「ボス」の後塵を拝していた「ジョージア」の立て直しを命じられた。
米本社で決められた広告を就任後1週間でストップ。日本のサラリーマンに響く広告を第一に考え、〈男のやすらぎキャンペーン〉を展開し、男性向け商品にもかかわらず、女性タレントの飯島直子をCMに起用した。それにより、ジョージアの国内シェアは10ポイントもアップ。その後に続く吉本興業のお笑いタレント総出の〈明日があるさキャンペーン〉も魚谷氏の主導である。
頭打ちだったお茶市場も拡大させた。マーケティングから浮かび上がったのは「家でも入れられるお茶をペットボトルで買う必要はない」という顧客の意識。それを逆手にとり、「家では絶対に作れないお茶」の開発を求め、10種類の茶葉をブレンドした「爽健美茶」を販売。若い女性を中心に爆発的にヒットした。
「近年の資生堂の経営戦略は迷走。化粧品は専門店ではなく、ドラッグストアやネット通販が主戦場に変化しているのに上手く入り込めず、広告宣伝費のかけ方にも偏りがあった。すべてはマーケティングの失敗。その道のプロである魚谷氏は適任でしょう」(大手広告代理店マーケティング担当)
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