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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140118-00011693-president-nb
プレジデント 2014/1/18 12:15 東京カンテイ市場調査部上席主任研究員 中山登志朗 構成=上島寿子
2014年4月の消費税増税によって住宅購入の際の負担が増えることはご承知のことだろうが、これに加えて物件価格やローンの金利も上がる「トリプルパンチ」が懸念されている。
実際、今年、販売された物件の平均価格を見ると、首都圏で前年比6%、近畿圏で同2%ほどアップしている。値上がりの背景にあるのは、第1に地価の上昇。東京の都心部や人気の住宅地、大阪や名古屋などでも利便性の高い市街地ではじわじわと地価が上がり始めている。さらに、円安の影響から輸入に頼る建築資材費も上がり、施工の人件費もアップ。これらが物件価格を押し上げているのである。
では、住宅ローンの金利はどうなるか。アベノミクスによって今後、景気が順調に回復すれば、市場金利も上がっていくのが経済の法則である。長期的に見れば住宅ローン金利も上がることは否めない。しかし、この空前の低金利時代がすぐに終わるかといえば答えは「NO」だ。
たとえば、半年ごとに金利が見直される変動金利は、連動する短期プライムレートが09年1月以降、1.475%からピクリとも動いていない。この短期プライムレートは銀行間のお金の貸し借りにも適用される無担保コール翌日物の金利と連動するため、長期金利に比べて動きが鈍いという特性がある。
固定金利も、国債の大量買い入れなど日銀の緩和策の継続により、当面は上昇が抑制される。
さらにいえば、住宅ローンは金融機関の競争も熾烈であり、市場金利よりも競合相手の動向で金利が決められる傾向が強い。借り手をつけるには、市場金利が上がったからと安易に住宅ローンの金利を上げられないのが現実なのだ。
こうした状況下において、変動、固定のどちらが得策なのだろうか。
よく見受けられるのは10年固定タイプを選択して、10年後に資金計画を見直すという方法だ。現在、10年固定の住宅ローン金利は1.5%前後で推移している。変動金利よりは高いものの、全期間固定タイプよりは低い金利で借りることができる。低金利の恩恵を受けつつ、安心感も得られるわけだ。
しかし、考えてみてほしい。今の変動の最低金利は、金利優遇を受けるとわずか0.775%である。対して、10年固定型はその倍。仮に、10年後に金利が上昇していたとしても、10年固定の1.5%を超える可能性があるかどうか、冷静に検討すべきだろう。超低金利の恩恵を受けるのであれば、変動金利で住宅ローンを組んだほうがいいと私は考える。
安全策は頭金を多く入れたうえで、変動金利でローンを組む方法だ。たとえば、4000万円の物件を35年ローンで買う場合(元利均等払い)、頭金を400万円から900万円に増やせば、金利が1%上がった場合でもローンの総支払額はほぼ同じという試算が成り立ちうる。
当然、金利の先高感がある現在、変動金利に不安を覚える向きもあるだろう。だが万一、金利が高騰してきたら、その段階で固定に借り換える回避策はある。ただしこの場合、手続きはすべて一からの仕切り直し。固定金利自体が上がっていることも考慮に入れて最善のタイミングを見計らう必要があるだろう。
それでも変動金利のリスクが気になるならば、固定金利と変動金利を組み合わせて借りる「ミックスプラン」にするのも手だ。変動金利で借りた分を早く返していけば、その分、金利上昇のリスクは抑えられる。
さらに0.1%の金利上昇に眠れぬほど不安を覚えるタイプの人は、利子を多く払ってでも、フラット35のような全期間固定金利の安定型ローンを選ぶべきだろう。金利という住宅ローンの大命題の1つから解放されれば、多少は枕を高くして寝られるはずである。
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