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クローズアップ現代から
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3255_all.html
中国国内で巻き起こった反日デモ。
その矛先は日系企業にも向けられ、甚大な被害をもたらしました。
反日問題だけでなく相次ぐストライキや人件費の高騰などさまざまなリスクに直面し今、撤退を検討する企業が増えています。
日系企業社長
「中国で何のためにやってきたのか。
出なきゃよかった。」
しかし、中国では撤退は一筋縄ではいきません。
雇用を確保したい当局からはなかなか撤退を認められず、労働者からは多額の退職金を要求されます。
そうした中、注目を集めているのが撤退コンサルティングという新たなビジネスです。
企業が致命的なダメージを受ける前に、速やかに撤退できるようにするのです。
コンサルティング会社社長
「泥沼の撤退になってしまえば、たとえば労働争議が起こったりとか、日本の本社の方が倒産をしかねない。」
さまざまなリスクを背負う中、撤退に揺れる日系企業の現状に迫ります。
中国から撤退できない日系企業の苦悩
上海市郊外にある日系企業の工場。
そこで異変が起きていました。
「日本の会社はどうしたんですか?」
「倒産したんだよ。
何も知らない、裁判所にでも聞きにいけよ。」
かつて、この場所で操業していた日系企業は今年春、夜逃げ同然で工場を閉鎖していました。
電気部品を作っていたこの企業は今から16年前に中国に進出。
しかし、人件費や材料費の高騰で経営難に陥っていきました。
この企業の元社長です。
資金繰りが限界に達し、中国の従業員たちに撤退の意思を伝えました。
従業員たちは退職金が全額支払われる見込みがないことを知ると激しく反発しました。
日系企業 元社長
「取り囲まれて、彼らは(私を)解放するとお金を請求する者がいなくなるということで、そこから一歩も動けない状況に陥りました。」
社長はホテルの一室に閉じ込められ、従業員たちに金を払うまで日本に帰さないと脅され続けました。
深夜に至るまで呼び鈴を鳴らされ、精神的に追い詰められていきます。
元社長が録画した音声
「逃がしたら大変だからな、そんなことはさせない。」
日系企業 元社長
「恐怖はありましたね。
異国の土地ですし、言葉もできませんし、たったひとりという思いがありましたので。」
社長は破産手続きを済ませ、負債を整理してから帰国するつもりでしたが全く身動きが取れませんでした。
軟禁から20日。
一瞬の隙をついて社長は逃亡。
命からがら日本に逃げ帰りました。
しかし、破産手続きができなかったため、ばく大な負債だけが残ってしまい日本の本社は倒産に追い込まれたのです。
日系企業 元社長
「(会社を)閉めたくても閉められない、もうお手上げ状態で何もかもパーになってしまいました。」
どうすれば致命的なダメージを受けずに撤退できるのか。
撤退をサポートするコンサルティング会社があります。
「今の会社の経済状況からすると、当然、資金的に支払えない。
このままほっといて逃げだいしたと。」
「夜逃げはまずいですね…。」
20年にわたって中国に進出する日系企業を支援してきましたが、ここ数年、撤退の相談が増えています。
企業が撤退しようとしても一筋縄ではいきません。
4年前から、撤退の際には従業員に退職金に当たる経済補償金を支払わなければならなくなりました。
もし払えないと労働争議に発展してしまいます。
地方政府も税金をとれる最後のチャンスだと考え帳簿の調査が終わるまで撤退を認めてくれず、長期化して負債だけが増えていきます。
そこで、このコンサルティング会社は企業と従業員の仲裁に入ったり地方政府との交渉を代行してできるだけ早く撤退を終わらせ、日本本社への影響を少なくしようと努めるのです。
コンサルティング会社 池田博義社長
「長引けば長引くほど当然、撤退に関しては(会社が)痛むわけですから、できるだけ早く処理をしていきたい。
それと投資回収率を上げることと、ワーカーさん(従業員)に痛みがないように考えるのが我々のミッション(使命)じゃないかなと。」
このコンサルティング会社が相談を受けている日系企業で問題が起こりました。
「何かあったんですか?」
コンサルタント
「客先から電話がありまして、ちょっと困っていることがあると。」
日本の企業3社が共同出資して雑貨を作っているこのメーカー。
赤字経営が続いたため、2年前から撤退に向けた手続きを行ってきましたが、なかなか地方政府は認めてくれません。
手続きが長引く中、出資していた1社からもうこれ以上の金銭的負担はできないという知らせが届いたのです。
このままでは給料が支払えなくなってしまう。
労働争議に発展すれば撤退の手続きが、ますます長期化するおそれがあります。
日系企業 総経理(現地の責任者)
「今の状況はすごく危険ですよね、従業員も給料が払えないと騒ぎだしますから。」
どうすれば従業員を動揺させず日本の会社への影響を少なくできるか。
コンサルタントは対策を考えると約束しました。
1週間たっても資金繰りはつかず、焦った総経理は一枚の紙を持ってコンサルティング会社にやって来ました。
日系企業 総経理(現地の責任者)
「このままでは成り立たないので、生産停止を言わざるをえないなと。」
給料が支払えないため工場を閉鎖するしかないことを従業員に説明しようというのです。
しかし、コンサルタントのリーダー、菅沼さんは従業員を動揺させるだけだと反対しました。
「総経理自身のからだに何らかの危害が及ぼされる可能性も否定できません。」
ここで菅沼さんは一つの提案をします。
この会社を現地のほかの企業に売却して雇用を守りながら撤退しようというのです。
問題はこの会社が抱える100万元およそ1400万円の借金でした。
そこで出資している日本の企業に負債を整理してもらいその上で、ほかの企業に売却しようというのです。
もし売却に成功すれば多額の経済補償金も払わずに済み従業員たちの雇用も守れます。
「守れるものは多いと思う、従業員の雇用も守れるし、(会社も)途中で逃げたという記録は残らないですしね。
だからそこまで頑張ってほしい。」
撤退を巡り、翻弄される日系企業。
この会社は今も売却に向けた調整を続けています。
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