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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140116/dms1401160721004-n1.htm
2014.01.16
最近、政府系金融機関のトップに、官僚OBが続々と返り咲いている。
政策金融改革は、郵政民営化と公的金融システムにおける資金調達と運用の関係、つまりコインの裏表であるので、ともに小泉純一郎政権で行われた。調達部門の郵政(郵貯と簡保)が完全民営化されるのであるから、運用部門の政府系金融も当然スリム化が必要となったのだ。
具体的には、日本政策投資銀行と商工中金は完全民営化、その他の各省ごとに存在していた政府系金融機関は日本政策金融公庫に統合された。と同時に、各省次官の天下り先になっていたそれぞれのトップを、民間人にする方針となった。
この改革方針を決定づけた経済財政諮問会議における小泉純一郎首相(当時)の迫力は今でも語り草になっている。机を叩いて「官僚の言いなりになるな」と、谷垣禎一財務相と中川昭一経産相を叱責したという。
ところが、民主党政権は、郵政民営化でゆうちょ銀行とかんぽ生命の完全民営化を後退させ、事実上、再国有化したばかりか、政投銀と商工中金の完全民営化をほごにし、1つになっていた日本政策金融公庫から国際協力銀行を分離した。
それでも、政投銀と商工中金、日本政策金融公庫、国際協力銀行のトップ4人は、それぞれ橋本徹氏(元富士銀行頭取)、関哲夫氏(元新日鉄副社長)、安居祥策氏(元帝人社長)、奥田碩氏(元トヨタ社長)と官僚OBではなく、民間出身者だった。
しかし、安倍政権になってから、昨年6月には商工中金社長に杉山秀二氏(元経済産業次官、65)、10月には日本政策金融公庫総裁に細川興一氏(元財務次官、66)、12月には国際協力銀行総裁に渡辺博史氏(元財務官、64)が就任した。
政府系金融機関で残る民間人出身のトップは政投銀だけとなったが、ここもいずれ官僚OBになるだろう。官僚社会では横並び原則があり、経産省にとっての商工中金と財務省にとっての政投銀は似たような位置であるので、経産省OBの天下りだけを認め、財務省OBを認めないとはいえないはずだ。
民主党時代からの民営化の逆行の動きとはいえ、天下りを厳しく批判した第1次安倍政権とは思えないほどの官僚優遇だ。第1次安倍政権の時、官僚と対峙(たいじ)して、それが政権の命取りになったという意見もあったが、それを考慮した政権の安全運転にしては、あまりに改革の方向が違い、残念である。
民主党時代に、郵貯・簡保や政府系金融機関の制度的な位置づけが法改正され、郵政のトップは官僚OBになった。安倍政権になって、郵政トップを再び民間人出身者にして意地を見せたが、政府系金融機関ではその逆になっている。金融に関しては専門的な知識が必要で、官僚OBでは不適切ということはよくある。郵政、政策金融機関ともに、民間人出身のほうが望ましい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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