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アマゾン、売上高1兆円の衝撃〜疲弊するリアル書店に家電量販店、止まらない雑誌販売減…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140116-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 1月16日(木)2時57分配信
ぱっと見には、雑誌が売れないと嘆く出版界に朗報かと思える。1月13日付「日経MJ」(日本経済新聞社)の『サミット、雑誌売り場 品ぞろえ充実〜棚増やし200種類』という記事だ。雑誌が売れるから書店のスペースを増やすのだろうか? それともブックスゴローという名称の書店事業を行っている大手スーパー・サミットは、ブックスゴローを増やすのだろうか? と思いきや、そうではなかった。別の記事で「書店事業からは撤退」とも掲載されているように、サミットはブックスゴロー事業から撤退するのだ。
つまり、こういうことだ。サミットはブックスゴローを展開し、独立店やスーパー併設店を運営してきた。しかし、書籍販売自体が振るわないうえ、スーパーとの買い回りも悪いこともあって、2014年内に書店事業から撤退することを決めた。
代わりに、これまではレジ近くに女性誌など約40種類を置く程度だった雑誌売り場を拡大。会計も食品などと同じにして、買い回りしやすくできるうえ、人件費もカットできる。「新店や改装店では、漫画雑誌やファッション誌なども含めて200種類程度を販売する。消費者の来店動機につなげると同時にイートインスペースで、購入した雑誌を読みながら軽食を取るといった相乗効果を目指す」ことにしたのだ。
事実上、雑誌はコンビニでほかの商品のついでに買われるように、サミットにおいても「ついで買い」の対象商品となるのだ。なお、ブックスゴロー閉店後は、100円ショップなど集客力のあるテナントを誘致するという。
●書籍、雑誌の市場規模は大幅に縮小
確かに、13年上期も雑誌は前年同期比4.9%減の4449億円。「月刊誌(=週刊誌を除くすべて)」が同4.1%減の3502億円で、「週刊誌」が同7.9%減の947億円と大きく落ち込んでいる(出版科学研究所調べ)。1月中には13年全体の数字が発表される予定だが、減少幅が縮小していることは考えにくく、衝撃的な数字になるはずだ。
最大の敵はスマホであり、アマゾンだろう。なんとアマゾンは13年の売上高は1兆円に達しているのだという。同紙記事『トップの戦略 アマゾンジャパン社長 ジャスパー・チャンさん 品ぞろえ、まだ増やす』によれば、アマゾンの快進撃が続く。書籍、音楽、映像などメディア関連の商品や電子製品、玩具のネット販売が成功し、その余波でヤマダ電機が営業赤字に沈むほどだ。今回のインタビューでアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は「ファッションや健康・美容関連、食品などはわりと最近始めた分野ですが、成長の勢いはめざましい」と答えている。
続けて、「アマゾンの足りないところは?」という質問に対しチャン社長は「書籍にも品ぞろえが十分でない分野はあります。ファッションも子ども向けがまだ足りない。ペットの衣装なども増やせます」。14年の挑戦については「ファッションのほか技術革新が期待できるデジタル分野に注力していきます。併せて価格や品ぞろえ、利便性を重視します」と攻めの姿勢だ。
アマゾンは電子書籍端末のキンドルを中心に電子書籍も拡大しているが、紙の書籍も売れていて、「紙の書籍と電子書籍を合わせた売り上げは4倍になっている」という。とはいうものの紙の書籍もネット販売では売れている一方で、既存の書店はますます疲弊していく。
「『勉強不足』だと怒られてしまうでしょうが、正直に言うと、ここ最近は書店に行っていません。行くとしても、たまたま駅構内で目についた時、新刊を物色するくらい。つまり、普段の私の導線上には、リアル書店はもうないのです。紙の本が好きで、書店に足しげく通っていた頃がもはや、昔話のような懐かしさを伴います」というのは安藤美冬氏。今年34歳になったという彼女だが、30代中盤より若い世代は書店への思い入れも低いのかもしれない(13年11月30日付「Japan In-Depth」記事『電子書籍は書店よりも本に出合える〜私、安藤美冬は、ここ最近はリアル書店に行っていません。』<http://japan-indepth.jp/?p=1628>)。
●アマゾンが最も安いわけではない
1月6日付「日経MJ」記事『不思議な値段、謎解けば 黄金価格〜「最安」ではない信頼のアマゾン』によれば、日本最大の価格比較サイト「価格.com」を運営するカカクコムでは、広告や手数料といったアマゾン関連の売上高は全体の1割超に上る。
「ただ、アマゾンが最安値を付けるケースは少なく10位以内、20位以内の値付けが大半。薄型テレビやパソコンでは最安の店より数万円高いケースも珍しくない」という。その分、アマゾンは早さという利便性がブランドになって、顧客をつかんでいるのではないかと同記事は見ている。
松井克明/CFP
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