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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140115/dms1401150727006-n1.htm
2014.01.15 「日本」の解き方
新成人人口が過去最低を更新した。総務省統計局の調べによると、この1年間(2013年1〜12月)に、新たに成人に達した人口(14年1月1日現在20歳の人口)は121万人と、前年と比べると1万人減少した。
なお、男女別にみると、男性は62万人、女性は59万人。女性100人に対する男性の数(人口性比)は105・1となっている。出生率が低下しているので、新成人人口が減少し続けるのは当たり前といえば当たり前だ。
こうした人口減少は、経済にとってどのような影響があるのだろうか。人口減少が続けば経済成長は難しいのだろうか。
まず経済成長は実質GDP(国内総生産)成長率で見るが、これは給料(1人当たり実質GDPに相当)と人口の掛け算になるので、人口が減少すれば、1人当たり実質GDPが変わらなくても、実質GDPは減少するのは当然である。ここで問題なのは、人口が減少すると、1人当たり実質GDP成長率に影響があるかどうかである。
人口減少すると経済成長ができないというイメージは、過疎地域にある。たしかに、社会的な人口移動によって、働き手が都会に出てゆき、その結果、老人と子供が多く、生産年齢人口(15〜64歳)が極端に少ない地域では、所得が発生しようがない。ただし、これは特定地域の話であり、国全体としてみれば、移民などの社会移動があっても、ここまで極端に生産年齢人口が減少することはない。
世界銀行のデータによれば、世界200以上の国・地域の00年以降の平均で生産年齢人口増加率を見ると、年率マイナス0・76が最低である。
ついでに、同じデータベースで、00年以降の平均で1人当たり実質GDP成長率と、生産年齢人口増加率との関係を見てみよう。すると、両者の相関係数はマイナス0・14である。これは、両者にはほとんど相関がないことを意味しており、生産年齢人口の減少は必ずしも経済成長に悪影響を与えるとは言いがたい。
ちなみに、生産年齢人口が減少している国・地域は日本を含めて13もある。その平均の1人当たり実質GDP成長率は3・6%であり、日本の0・8%は13カ国中12位である。要するに、日本の低成長は、生産年齢人口の減少国の中でも際立っているのだ。
ちなみに、生産年齢人口増加率の代わりに、人口増加率をとってみても、1人当たり実質GDP成長率との相関係数はマイナス0・21となって、人口減少も必ずしも経済成長にマイナスとはいえない。また、00年以降の日本の人口増加率の平均はほぼゼロであるが、マイナスの国・地域は19ある。その平均の1人当たり実質GDP成長率は4・3%であり、日本の0・8%を大きく上回っている。
こうしたデータからいえることは、人口が減少しても、1人当たり実質GDP成長率で経済成長を見る限り、経済成長には影響はないということだ。それが伸びないのは、人口以外に原因があるわけだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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