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作業員転落事故で原子力規制委員会の田中委員長が吐いた暴言が波紋、地元から怒りの声
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150205-00043024-playboyz-soci
週プレNEWS 2月5日(木)6時0分配信
「誰が聞いても、こじつけにしか聞こえないのでは? 漁業関係者はみんな、カチンときていますよ」(福島県漁業協同組合連合会・広報担当者)
原子力規制委員会の田中俊一委員長の発言が物議を醸(かも)している。
福島第一原発で、汚染水をためるタンクの点検作業をしていた作業員(55歳)が高さ約10mのタンク天井付近から転落し、死亡したのは1月20日未明のこと。
この事故死について、翌21日に開かれた原子力規制委員会の定例会議の席上で、田中委員長がこうブチ上げてしまったのだ。
「事故は排出基準濃度以下になった汚染水を捨てずに、タンクをどんどん増設するなかで起きた。(海洋放出に反対する)世論に迎合して、人の命をなくすようなことになっては元も子もない。東電には覚悟を持って(海洋放出に)取り組んでいただきたい」
さらに、こんな捨てゼリフまで。
「この発言に、傍聴者の女性が『汚染水の海洋放出なんて認められません!』と、抗議の声を上げたんです。すると、田中委員長は書類に目を落としたまま、今度は『人が死んでもかっ!』と吐き捨てた」(会議を取材していた全国紙記者)
この田中発言に怒りが収まらないのが福島県の漁業関係者たち。汚染水の海洋放出は「フクシマの魚は危険」との風評被害拡大につながるからだ。前出の福島漁連の広報担当者も怒りを隠さない。
「私たちはなんでも反対しているわけではない。海洋放出は廃炉を進める上で必要な措置と、漁協側も一定の理解をしている。事実、山側から流れてくる、汚染される前の地下水をくみ上げ、海に流す『地下水バイパス』については昨年3月に認めました。今はサブドレンと呼ばれる42本の井戸からくみ上げた汚染水の扱いについて、東電と協議しているところ。
汚染水はいくら浄化しても現在の装置ではトリチウムは除去できない。だからこそ放出は慎重にも慎重に進めることが大切なんです。なのに、田中委員長は事故死が発生したのは、いつまでも汚染水をタンクにためているからとこじつけ、早く海に流してしまえと聞こえるような発言をした。許せません」
元国会事故調査委員会委員で、福島第一原発4号機の原子炉圧力容器設計者でもある田中三彦氏もこう話す。
「田中委員長は、汚染水をタンクにためることが事故死を招いたかのように言っていますが、その因果関係は明らかになっていない。まったく非科学的な発言というしかない。そもそも、規制委員会は規制役に撤するべきで、自ら汚染水の海洋放出なんてアイデアを披露すべきではありません。
確かに、国や東電は海洋放出をやりたがっています。しかし、規制委員会の役割は違う。海洋放出に危険があればストップをかけるなど、あくまでも抑制的であるべきなのです。なのに、田中委員長は作業員の死亡事故まで持ち出して『世論に迎合するな』と、海洋放出のアクセル役を自ら進んで務めている。規制委員会のトップとしてはあまりに不適格です」
この騒ぎの直後、原子力規制委員会はサブドレンの汚染水を浄化後、海洋放出する計画を承認してしまった。もはや、汚染水の放出は誰にも止められない?
(取材・文/姜誠)
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