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科学の心で考える 原発は実用性があるのか?
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2015年01月14日 武田邦彦 (中部大学)
お金に目がくらむと原発を科学的に考えることができないけれど、お金から切り離せば、結構、正しく判断できる。
東北大震災で東北新幹線は線路も痛まず、走っていた27本の列車も脱線しなかった。震度6の地震に耐える設計が出来ていたということだ。
東北大震災で東北の原発5発電所はすべて破壊された。そのうち、福島第一が爆発、福島第二と東海第二が爆発寸前、東通が余震で全電源喪失、そして女川が大量の放射線漏れを起こした。震度6とそれに付随する津波等に耐える設計が出来ていないことを実証した。
「新しい安全基準」と「新しい審査体制」ができたから原発を再開するという。それが本当なら、東北大震災の前には「震度6の地震に耐えうる設計はできたのにしなかった」ということになる。安全基準と適正な審査をすれば原発の安全を保つことができたなら、なぜ震度6の地震に耐えうる原発を作らなかったのか?
今、また政府は国民を騙そうとし、専門家はそれに協力し、そして国民も錯覚している。もし「設計と施工の技術があるのにやらないで、震度6で原発が破壊した」というなら、電力会社の故意の事故である。もし「設計や施工ができないから、基準や審査をきちんとやっても破壊は免れなかった」というなら、震災から新技術が誕生したわけではないので、現在も再開はできない。
科学の心は誠意を求める。特に技術者が技術に対して誠意を失ったら、社会は混乱する。東北大震災で破壊した原発5発電所は技術的になにが不足していたのか、設計と施工技術なのか、それともそれはできたのにごまかしてきたのか?
「厳密な審査をしますから、安全が保てます」というのは到底、科学としては受け入れることが出来ない。
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