http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/501.html
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今回はリラッキングについて。
リラッキングとは、使用済み燃料プールの中で核燃料を保管するラックの間隔を詰めて、
より多くの燃料を収納できるように改造することである。
名前はかっこよく聞こえるが、要するに朝の満員電車と同じ、「ぎゅうぎゅう詰め」である。
青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場はトラブル続きでさっぱり処理が始まらない。
そのため、六ヶ所村と各原発の一時貯蔵プールは使用済み燃料で満杯、糞詰まり状態になり、
原発が稼動できないところまで来てしまった。
そこで、核燃料を保管するラックを改造して「ぎゅうぎゅう詰め」にすることにした。
ここに図がある。
「リラッキング」 (原子力百科事典ATOMICA)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/fig_pict.php?Pict_No=04-07-03-16-05
元原発技術者で、現在は原発の危険性を説き反原発を訴えている小倉志郎さんは、
リラッキングについてこう書いている。
「元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」 (小倉志郎著 彩流社)
-----(p.28-29 引用ここから)----
使用済燃料は原子炉建屋の最上階にある燃料プールの中で数年間保存して、
発熱量が輸送可能な程度に低下した後に青森県六ヶ所村の再処理工場に送ることが
予定されているが、再処理工場は建設中のトラブル続きのために、完成が大幅に遅れていた。
このまま放置しておけば、燃料プールが使用済み燃料で満杯になってしまい、
原子炉の燃料交換ができなくなってしまう可能性が出てきた。これを恐れた電力会社は、
燃料プールの貯蔵容量の増加のための改造工事の実施を決定したのだ。
その改造とは、最初の燃料ラックが燃料集合体を30体入れられるものだったものを
60体入れられるものとした。すなわち、30体用ラックを取り外し、60体用のラックを新たに
設置したことになる。これによって貯蔵されている燃料と燃料の間隔が相対的に小さくなった。
これはまだ反応度が残っている使用済み燃料が臨界にならないための余裕を削る改造であった。
しかも、その後さらに再処理工場の完成の遅れが見込まれると、60体用ラックをさらに90体用ラックに
するという改造もされることになった。この一連の改造工事を「燃料プール稠密化工事」と称したが、
90体用ラックの採用時には、燃料プール内での燃料を未臨界に保つために、ラックの材料の
ステンレス鋼に中性子を吸収しやすいホウ素を混ぜた「ボロンステンレス鋼」を使用することになった。
このような苦し紛れの改造工事をすることにより、やっと燃料交換のための燃料プール内のスペースを
確保しながら、原発が運転されてきたのだ。
-----(引用ここまで)----
ぎゅうぎゅう詰めにすれば、当然再臨界の危険が高まる。
発熱量は上がり、事故時に燃料露出や溶融の時間も早まる。
こんな背筋も凍るような危険な改造を平気で行なっているのである。
それを認可する政府も無責任きわまりない。
計算してリラッキングの安全性は確認しております、と電力会社は言うだろうが、
どうせデタラメに決まっている。計算などどうにでもなる。
例によって、安全だといいなぁという願望、お祈りにすぎない。
3号機の燃料プール内で即発臨界による核爆発があったことはほぼ確実だが、
リラッキングの影響が大きかったのではないか?
しかも、3号機にはエネルギー密度の高いMOX燃料も保管されていたのだ。
リラッキングをしていなければ、爆発せず燃料も何キロも先まで吹き飛ばなかったかも知れない。
水素爆発とごまかして、本来行なうべきこういった検証が一切行なわれず、再稼動をしようとしている。
とんでもないことである。
リラッキングしたところで、あと数年もすれば使用済み燃料プールはすべて満杯になる。
原子力を放棄する以外に解決策はない。
原発が停止しているからと言って、決して安心してはならない。
燃料プールの中は、ぎゅうぎゅう詰めにされた核燃料が隙あらば臨界・爆発してやろうと
チャンスを狙っているのだ。
燃料プールには格納容器はなく、むき出しであるから、爆発や溶融燃焼があったら、
あっというまに建屋から漏れ出し広範囲に汚染は拡がる。
われわれは、今日もたまたま無事で生きているにすぎないのだ。
(関連リンク)
「リラッキングは破滅への道 -- 玄海」 (院長の独り言 2011/7/6)
http://onodekita.sblo.jp/article/46569360.html
「原発を止めてもリラッキングされた使用済み燃料プールの危険はなくならない」
(Life is beautiful 2012/5/14)
http://satoshi.blogs.com/life/2012/05/nuke3.html
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