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リラッキング -- 核燃料ぎゅうぎゅう詰めの恐怖
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/501.html
投稿者 魑魅魍魎男 日時 2014 年 12 月 26 日 10:00:37: FpBksTgsjX9Gw
 

今回はリラッキングについて。

リラッキングとは、使用済み燃料プールの中で核燃料を保管するラックの間隔を詰めて、
より多くの燃料を収納できるように改造することである。
名前はかっこよく聞こえるが、要するに朝の満員電車と同じ、「ぎゅうぎゅう詰め」である。

青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場はトラブル続きでさっぱり処理が始まらない。
そのため、六ヶ所村と各原発の一時貯蔵プールは使用済み燃料で満杯、糞詰まり状態になり、
原発が稼動できないところまで来てしまった。

そこで、核燃料を保管するラックを改造して「ぎゅうぎゅう詰め」にすることにした。
ここに図がある。

「リラッキング」 (原子力百科事典ATOMICA)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/fig_pict.php?Pict_No=04-07-03-16-05


元原発技術者で、現在は原発の危険性を説き反原発を訴えている小倉志郎さんは、
リラッキングについてこう書いている。

「元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」 (小倉志郎著 彩流社)

-----(p.28-29 引用ここから)----

使用済燃料は原子炉建屋の最上階にある燃料プールの中で数年間保存して、
発熱量が輸送可能な程度に低下した後に青森県六ヶ所村の再処理工場に送ることが
予定されているが、再処理工場は建設中のトラブル続きのために、完成が大幅に遅れていた。

このまま放置しておけば、燃料プールが使用済み燃料で満杯になってしまい、
原子炉の燃料交換ができなくなってしまう可能性が出てきた。これを恐れた電力会社は、
燃料プールの貯蔵容量の増加のための改造工事の実施を決定したのだ。

その改造とは、最初の燃料ラックが燃料集合体を30体入れられるものだったものを
60体入れられるものとした。すなわち、30体用ラックを取り外し、60体用のラックを新たに
設置したことになる。これによって貯蔵されている燃料と燃料の間隔が相対的に小さくなった。
これはまだ反応度が残っている使用済み燃料が臨界にならないための余裕を削る改造であった。

しかも、その後さらに再処理工場の完成の遅れが見込まれると、60体用ラックをさらに90体用ラックに
するという改造もされることになった。この一連の改造工事を「燃料プール稠密化工事」と称したが、
90体用ラックの採用時には、燃料プール内での燃料を未臨界に保つために、ラックの材料の
ステンレス鋼に中性子を吸収しやすいホウ素を混ぜた「ボロンステンレス鋼」を使用することになった。

このような苦し紛れの改造工事をすることにより、やっと燃料交換のための燃料プール内のスペースを
確保しながら、原発が運転されてきたのだ。

-----(引用ここまで)----

ぎゅうぎゅう詰めにすれば、当然再臨界の危険が高まる。
発熱量は上がり、事故時に燃料露出や溶融の時間も早まる。

こんな背筋も凍るような危険な改造を平気で行なっているのである。
それを認可する政府も無責任きわまりない。

計算してリラッキングの安全性は確認しております、と電力会社は言うだろうが、
どうせデタラメに決まっている。計算などどうにでもなる。
例によって、安全だといいなぁという願望、お祈りにすぎない。

3号機の燃料プール内で即発臨界による核爆発があったことはほぼ確実だが、
リラッキングの影響が大きかったのではないか?
しかも、3号機にはエネルギー密度の高いMOX燃料も保管されていたのだ。

リラッキングをしていなければ、爆発せず燃料も何キロも先まで吹き飛ばなかったかも知れない。

水素爆発とごまかして、本来行なうべきこういった検証が一切行なわれず、再稼動をしようとしている。
とんでもないことである。

リラッキングしたところで、あと数年もすれば使用済み燃料プールはすべて満杯になる。
原子力を放棄する以外に解決策はない。

原発が停止しているからと言って、決して安心してはならない。
燃料プールの中は、ぎゅうぎゅう詰めにされた核燃料が隙あらば臨界・爆発してやろうと
チャンスを狙っているのだ。

燃料プールには格納容器はなく、むき出しであるから、爆発や溶融燃焼があったら、
あっというまに建屋から漏れ出し広範囲に汚染は拡がる。

われわれは、今日もたまたま無事で生きているにすぎないのだ。


(関連リンク)
「リラッキングは破滅への道 -- 玄海」 (院長の独り言 2011/7/6)
http://onodekita.sblo.jp/article/46569360.html

「原発を止めてもリラッキングされた使用済み燃料プールの危険はなくならない」
(Life is beautiful 2012/5/14)
http://satoshi.blogs.com/life/2012/05/nuke3.html

 

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コメント
 
01. 2014年12月26日 17:05:39 : CM3dFV3fWc
>3号機の燃料プール内で即発臨界による核爆発があったことはほぼ確実だが、
リラッキングの影響が大きかったのではないか?
しかも、3号機にはエネルギー密度の高いMOX燃料も保管されていたのだ。

[福島3号機核爆発(ピカドン)の新証拠]

http://twishort.com/Mlkhc


東京理科大学の中井泉教授らの研究グループは、福島第一原発の事故直後の2011年3月14日の夜から翌朝にかけて原発から130キロ離れた茨城県つくば市で採取した大気中のチリを兵庫県にある大型の放射光施設「スプリング8」で分析した。その結果、放射性セシウムのほか、ウランや燃料棒の素材のジルコニウム、圧力容器の素材の鉄など、核燃料や原子炉内の構造物と一致する物質が検出されたということです。これらのチリは直径2マイクロメートルほどのボール状をしていて、高温で溶けたあと外部に放出されるなどして急に冷えた場合の特徴を示している。

-----------

シリーズ原発事故13「謎の放射性粒子を追え!」 (NHK 動画)

http://www.dailymotion.com/video/x2d2j8i_%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%8513-%E8%AC%8E%E3%81%AE%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%B2%92%E5%AD%90%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%88_news


02. 2014年12月26日 17:52:47 : CjTy8xQuMc
福島第一、福島第二、柏崎原発では、すでにリラッキングが行われていた。

福島第一原発では、地震によって、ラックが動き、安全なギャップが保持できなくなって、核分裂が始まった可能性も否定できない。

福島第一原発では、第二共用プールの建設が、2010年8月31日から始まっていた。(未完成)

キャスクで保存する施設も計画されていた。

そこに、福島第二、柏崎原発から使用済み核燃料を運び込む予定だった。

計画が順調に進んでいても、7年後には満杯になって保管できない状況に追い込まれた。(2010年3月現在見通し)

http://www.nirs.org/reactorwatch/accidents/6-1_powerpoint.pdf


03. 2014年12月26日 17:58:37 : aiMZAOJQqY
>>01
地獄玉は、3号機格納容器内の溶融燃料が火とともに吹きだし、
固まって散ったものでしょう。

それとは別に、燃料プールで即発臨界爆発があり、燃料が数キロ先まで
吹き飛んだと思われます。
リラッキングの影響と思われるのは、このプール内での爆発です。


04. 2014年12月26日 21:09:47 : iPRzQ8lTnY
さすが魑魅魍魎
汁とは頭のレベルが違う。

05. taked4700 2014年12月26日 21:58:48 : 9XFNe/BiX575U : pf6AQzTjz6
リラっキングって30体保管用のスペースに90体を保管するということなのですね。知りませんでした。勉強になります。容量の数割増し程度かと感じていたので300%にするとは驚きです。


06. 2014年12月27日 00:00:17 : CjTy8xQuMc
イワシの頭も信心から

>汁の相手をしてはいけません

このありがたい忠告に従って、汁の相手はしません。


07. 2014年12月27日 11:02:15 : As5Rhdfmkj
>>01
>3号機にはエネルギー密度の高いMOX燃料も保管されていたのだ。

爆発で大量のプルトニウムが飛散しただろう。枝野官房長官(当時)が南相馬に行
ったとき似たような線量の他市町では、背広だったのに南相馬ではフルアーマー(完
全防護)となった。プルトニウム情報を政府官僚から聞かされていたとしか考えられ
ない。

爆発後も3号機プールはMOX燃料で熱量も大きいから、いち早く危機に陥った。消防隊
の放水があと1日遅れていたら、日本はいまなくなっていただろう。線量が上がりすぎ、
だれも福島第一にいられなくなって、全号機から放射能が放出されることになった。そ
れは福島第二にも波及し、さらには女川原発も維持できなくなる。

投稿の最後の文「われわれは、今日もたまたま無事で生きているにすぎないのだ。」
は、そのとおりなのだ。


08. 2014年12月27日 11:45:41 : RRHB3K9wS6
 「われわれは、今日もたまたま無事で生きているに過ぎないのだ」を日々感じながら生活している。

 次の地震によってどこの原発や核施設がやられるか?福一が些細なトラブルから破局に至るか?はたまた火山爆発か?

 その日まで1日でも幸運が続くように祈るしかない。現時点では解決法は無い。ただ、再稼働はその危険性をまたまた大きくするだけ(新鮮な放射性物質の増産にすぎない)の愚行ではある。


09. 2014年12月28日 11:19:14 : p7NFsv193g
>>08
>再稼働はその危険性をまたまた大きくするだけ(新鮮な放射性物質の増産にすぎない)の愚行

ご存知とはおもいますが、再稼働は使用済み燃料を増やす側面以外に、事故が拡大
しやすいという面もあります。何年か稼働が止まっていればいくらか使用済み燃料
は冷えているし、原子炉に高温の核燃料もありませんから、事故があっても対処が
しやすいといえます。


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