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(回答先: 長野県北部地震の最大加速度は589gal、これは引き上げ前の川内原発の最大加速度より大きい。 投稿者 taked4700 日時 2014 年 11 月 24 日 23:15:12)
http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12233563.html
1997年鹿児島県北西部地震で観測された最大加速度は900ガル超でした。
11月24日の記事、「長野県北部地震の最大加速度は589gal、これは引き上げ前の川内原発の最大加速度より大きい」で、「熊本大学の資料( http://www.civil.kumamoto-u.ac.jp/matsu/kagoshima.pdf )には南北方向での最大加速度727ガルが出水市で記録された」と書きましたが、自分が検索結果をきちんと見ていなかったようで、もっと大きな値が公開されていました。
一つは鹿児島大学のサイトで、1997年鹿児島県北西部地震の二回目の地震である「1997年第2鹿児島県北西部地震」( http://eniac.sci.kagoshima-u.ac.jp/~oyo/hokusatsu3.html )の記事に次の記述がありました。
「宮之城で902ガル 科技庁強震ネット(K-NET)によれば、宮之城町で最大加速度南北902gal、東西901gal、上下288galを記録しました。これは阪神大震災の記録818galを上回っています。今回の地震が短周期成分が卓越していたことと局地的な地盤の影響が考えられます。」
また、防災科学技術研究所のK-netでも、 http://www.kyoshin.bosai.go.jp/cgi-bin/kyoshin/bigeqs/details.cgi?+19970513143800+all+1997/05/13-14:38:00.00%2031.95N%20130.30E%20008km%20M6.2 に「宮之城 976.8gal」という記述がありました。
これらの値は川内原発再稼働にあたって規制委員会が了承した引き上げ後の最大加速度よりもずっと大きな値です。九州電力が耐震工事をしたというのは620ガルであり、976ガルに比べると300ガル以上も小さいものです。
更に、1997年鹿児島北西部地震で一回目の地震については、K-netの http://www.kyoshin.bosai.go.jp/cgi-bin/kyoshin/bigeqs/details.cgi?+19970326173100+all+1997/03/26-17:31:00.00%2031.99N%20130.36E%20008km%20M6.3 のページに「出水 903.1gal」という記載があります。
1997年鹿児島県北西部地震は二つあり、3月26日に発生したM6.6、震源深さ12kmの地震、及び5月13日のM6.4、深さ9kmの地震です。ともに北東-南西方向に圧縮軸、北西-南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型です。二回目の地震のほうが震源深さが浅かったため地表部分での揺れが大きかったのでしょう。
なお、原発の耐震性というときに使われる基準地震動は地表面での揺れではなく、「上部地盤や建物の振動による影響を全く受けない岩盤の表面(解放基盤表面)で設定されたもの」( https://www.tohoku-epco.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/04/26/110407_np_t3.pdf )と定義されています。要するに、地面はかなり軟らかい地層なので揺れが大きくなるが、岩盤はそういった増幅がないので、地震計によって計測された値よりも小さい値でいいのだという理屈です。原子炉建屋などは地表面の地盤を削って岩盤を露出させて、岩盤に直接基礎を造って建設しますから、一応こういった理屈はそれなりに論理的です。
そして、基準地震動に対する最大応答加速度値というものが実際の意味を持ってきます。これは「耐震安全性評価において、基準地震動Ssを想定した際の建物などの揺れを加速度で評価した場合の最大値」( http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110401013/20110401013.pdf )ということで、基準地震動に比べて大きな値が設定されるからです。この値が近隣、または原発敷地内で実際に計測された加速度よりも大きくなくては耐震性があるとは言えないからです。
しかし、どうもはっきりしないのですが、1997年鹿児島県北西部地震で川内原発内の地震計がどの程度の加速度を計測したのかが公開されていない様子です。「原告ら準備書面 9」( http://no-sendaigenpatsu.a.la9.jp/genkoku_junbi9.pdf )に「平成 9年 5月 19日の鹿児島県北西部地震において観測されたデー夕、少なくとも、データが欠如していないものについては、いかなる地点において、最大の加速度は何ガルで、あったのか、開示すべきである」とあるからです。
また、規制委員会が再稼働を許可した際の最大応答加速度値もはっきりしません。自分の調べ方が悪いのかもしれませんが、出てきません。九州電力のサイトにはない様子です。また、「原発なくそう!九州川内訴訟」のサイト( http://no-sendaigenpatsu.a.la9.jp/ )には、九電側の文書の数年前の答弁書しか掲示されていないようです。規制委員会の再稼動許可をした審査書(案)( http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716/gaiyou.pdf )にも載っていない様子。 再稼働が許可された際の最大応答加速度値が、例えば原子炉建屋1階で900ガルを下回るようであるなら、1997年鹿児島北西部地震程度の地震に対する耐震性が無いことになると思うのですが。
なお、「長野県北部地震の最大加速度は589gal、これは引き上げ前の川内原発の最大加速度より大きい」の記事にもう一つ間違えがありました。「川内原発は建設時に540ガルを想定して造ってあるはず」と書いたのですが、川内原発発電所建設当初の基準地震動は約400(372)ガルでした。つまり、540ガルは完成後、追加工事をして強化した後の数値です。お詫びして訂正します。
2014年11月26日01時45分 武田信弘
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