05. 2014年12月17日 22:36:11
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焦点:東電が苦心の値上げ回避、銀行団は融資継続へ抜本策求める 2014年 12月 17日 20:38 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0JV15N20141217&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 17日 ロイター] - 当面の電気料金再値上げを回避した東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の発表は、コスト削減の効果とともに、課題を先送りしながら急場をしのぐ同社の実態をあらためて示した。来年度の融資をめぐって東電との本格交渉を控える金融機関側には、同社とその背後に控える経済産業省への懸念も根強く、原発再稼働や再値上げなど黒字定着に向けた抜本策の確約を求める声が強まっている。 <東電の黒字、持続可能性に不安> 東電は16日、抜本的なコスト削減を進めるための「生産性倍増委員会」を開いた。2014年度に約2600億円の追加コスト削減が達成できることになり、通期連結経常利益は前年比2.2倍の2270億円の見通しだと発表した。 3年8カ月前に発生した福島第1原発事故を受けて2年連続の経常赤字に陥った同社は、一転して2年連続の経常黒字に浮上。委員会を主導した数土文夫会長は、今年12月の判断するとしていた電気料金の再値上げ(前回は12年9月、家庭向けで平均8.46%)について「来年1年間は値上げしない」と明言した。 今年1月に政府の認定を受けた東電の新しい再建計画(新・総合特別事業計画=総特)は、収支改善に最も効果がある柏崎刈羽原発(新潟県)を今年7月から順次再稼働する前提で長期の収支見通しを立てている。 しかし、昨年11月に始まった原子力規制委員会による同原発6、7号機の規制基準審査がいつ終わるのか、現時点ではまったく見通しが立っていない。現在の東電再建計画はすでに「絵に描いた餅」になっている。 数土会長はこの日の会見で、「短期的なコスト削減は限界に接近している。これ以上の繰り延べは停電の可能性を起こしかねない」として危機的状況だと訴えた。 「相当無理をしている。そろそろ限界だ」。ある経産省幹部は東電による修繕費などコスト計上の先送りについてこう語り、原発再稼働がない限り東電の黒字決算は持続可能ではないとの判断を示す。 <銀行側は抜本策を融資の条件に> 当面の料金値上げを回避した東電にとって、次の課題は来年度に発生する社債償還資金などのうち、手当てが付いていない2800億円の調達だ。 これに加え、東電が中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)との包括提携で計画している新型火力発電所の建設資金も、具体的なスキームが固まっていないため、手当てが付いていない。 取引金融機関は「電力の安定供給のため、支援継続は既定路線」(主要取引銀行役員)としているものの、「必要資金が合計でいくらなのかも分からない。黒字確保だからと言って、中長期的な収支計画の前提が崩れたままで、なし崩し的に資金を出すわけにはいかない」(同上)と釘を刺す。 今月26日には、三井住友とみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の各行が震災直後に実行した1.9兆円の緊急融資について、最初の返済(各行500億円ずつ)が始まる。 東電関係者の中には「この分は、追加の融資に回せるはず」との期待もあるが、銀行側は「緊急融資を返済してもらったうえで、新たに融資判断したい」(幹部)との考えだ。融資実行に向けて「原発再稼働や値上げなど、本来東電がやるべきことが置き去りにされている」(別の役員)とみている。 東電が2016年度に計画している分社化・持ち株会社制への移行計画も融資実行に影を落とす。再建計画では、持ち株会社を設立して燃料調達・火力発電、送配電、小売りの3子会社を傘下に置き、原発事業は持ち株会社で抱え込む計画だが、ある大手行の役員は「分社化によって、貸出金の質の劣化が生じかねない」と懸念を隠さない。 <放置される賠償リスク> 金融機関側が不安視する背景には、福島事故で表面化した原発事業のリスクの高さと、政府による環境整備の遅れがある。 日本では、原子力の過酷事故が起きた場合、事業者の損害賠償責任に限度額を設けない「無限責任」を負わせる。世界では少数派の厳しい制度だ。 政府のエネルギー政策議論に参加する一橋大学大学院の橘川武郎教授は「賠償を有限にしない限り、原子力を民間で続けていくことは不可能だ」と指摘する。しかし、今のところ政府レベルで賠償責任を有限にするか無限にするかの本格的な議論は行われていない。 <不透明な原発再稼働の行方> 数土会長は現在の総特について「改定しないといけない」と見直しの必要性に言及した。その際は、柏崎刈羽原発の再稼働をどの時点に想定するかが焦点だ。 「収支上の前提時期として有力なのが来年7月。ある関係筋は「来年7月の再稼働は絶対に無理」とみるが、経産省関係者の意向が強く、この線で押す構えだという。 柏崎刈羽原発の規制委審査が進んだとしても、新潟県の泉田裕彦知事は、福島第1原発事故を起こした東電による再稼働に厳しい姿勢を崩していない。泉田知事は「そもそも(東電に)原発を運転する資格があるのか」(10月末の記者会見)と述べるなど、再稼働容認へ姿勢を軟化させる様子はまったく見せていない。 同関係筋は「再稼働しないと値上げは不可避というファイティングポーズで、政治的な対応だ」と指摘した上で、「銀行の経産省・資源エネルギー庁に対する信頼度は低い。金融庁も心配している」と打ち明ける。 (浜田健太郎 布施太郎 編集:北松克朗)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JV15N20141217?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true 東電会長が値上げ「1年間しない」と明言、コスト削減で2年連続黒字 2014年 12月 17日 20:02 JST http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0JV12V20141217&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 17日 ロイター] - 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の数土文夫会長は17日、記者会見し、年末までに判断するとしていた電気料金の値上げを当面は見送る意向を表明した。約2600億円の追加コスト削減を見込み、「来年1年間は値上げしない」(数土会長)と明言した。 未定だった2015年3月期の連結業績は、経常利益が前年比2.2倍の2270億円と2年連続の黒字を見込む。 15年3月期の年間コスト削減額は8370億円の見込み。ただ、約1700億円は修繕費などのコストの繰り延べによるものだという。数土会長は「短期的なコスト削減は限界に接近している。これ以上の繰り延べは停電の可能性を起こしかねない」と説明した。 その上で同会長は「このまま柏崎刈羽原発の不稼働が続けば、平成27年度(2015年度)上期は何とか黒字確保が視野に入るが、通期では見通しが立たない」と述べ、同原発の再稼働がないと再び赤字基調に転落すると危機感を露わにした。 東電は今年1月、政府から新しい再建計画(新・総合特別事業計画)の認定を受けた。同計画では柏崎刈羽原発が今年7月から順次再稼働する前提で2023年3月期までの収支計画を示している。ただ、同原発の再稼働は大幅に遅れ、いつ動くのかまったくメドが立っていない。 数土会長は同計画の見直しについて「環境が変わり、原発再稼働も予断を許さない。新総特を改定しないといけない。年末・年始にかけて政府とコンタクトを取る」と述べた。 (浜田健太郎 布施太郎 編集:山川薫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JV12V20141217 |