単なる「陳情」や「懇願」だけなら
確かにあまり直接的な「効果」があるとは思えません。
しかし、「陳情」や「懇願」を集める過程において
議論を積み重ねてきたことまでもが無駄ではありません。
また、真摯な「陳情」や「懇願」を軽く否定されて、
ではどうすればよいのかと、思考が深化していくのなら、
一切が無駄であるとは言えません。

>政治機構や司法機構や治安機構がすでにデタラメになってんだから、
>やつらのような国家犯罪者に対しては実力行動しかないんだよー。

それは極論です。
裁判闘争にも意義はあります。
現に大飯原発運転差し止め判決が出ています。
まあこれも更に上では判決が覆るとは思いますが。

原発に反対し、再稼働を阻止し、全廃炉にする。
そのためには、全社会的な、各層、各レベルの、
様々な運動を展開し、量的にも、質的にも高度化していく。
そうやって反対運動を拡大・強化する以外に
私は他に方法は思いつきません。

例えば住民説明会も「アリバイ作り」だと思っていますが、
その欺瞞性を具体的に暴きだすことを通して、
再稼働反対の声を広げていく。

裁判闘争においても、最終的には負けるだろうけれども、
その裁判の過程において、反対側の意見を展開し、
推進側の欺瞞性を暴きだしていく。

日本全国で各種・各階層での学習会や講演会、集会やデモ等々、
そのような展開の過程において反対運動総体を拡大・強化していく。
日本全国各地において、様々な反対運動を各種、各レベルにおいて展開していく。
その延長線上に最終目的を実現する。

そんな全社会的な運動以外の「実力行動」って何ですか？
貴方の言う「実力行動しかないんだよー」というのは、
どういう内容なのでしょうか？

裁判闘争すら否定する人の言う「実力行動」なんて、
私には単なる妄動・妄言にしか受け止められません。

本気で原発に反対する気はあるのでしょうか？
まあ、本気で原発に反対する気があったとしても、
原発を全廃止する社会的力を
一体、どうやって創造するというのでしょうか？

少なくとも全国各地で裁判闘争を長年闘っている
多くの人達に対して、大変に失礼であると思います。
その大変な長年の苦闘に対して、否定し得るなにものが
貴方にあるというのでしょうか。

上記記事の最後にある動画まで観たでしょうか？

2014/11/07 川内原発、市民による異議申立ての緊急行動に規制委、
敷居を上げて手続きをより大変なものにしようとする姿勢が浮き彫りに
http://www.youtube.com/watch?v=faZM_Fh3418
「この時期にきて原子力安全委員会に異議申し立てをするというのは
どういう効果があるかというのははなはだ疑問ではあるんですけど、
無責任な原子力行政を今回やってしまったという部署に対して
市民の疑問とか、憤り等、怒りをきちんと言っていかないと
今できる最大限のことを
意思表示を続けていかなければならない」」

異議申し立てをしている方自身が
「効果があるかはなはだ疑問」と言いつつも、
「今できる最大限のことを」
「市民の疑問とか、憤り等、怒りをきちんと言っていかないと」

私には“止むに止まれず”声を挙げたと感じられます。

もし本当に原発全廃を目指すなら、
貴方からみて、たとえ不十分であり、足りないと思っても、
まずは、その反対の意思を共有し、共に闘い、
その中で、運動の只中で、
不十分さや足りないものを足していく。
本当に運動の勝利を目指すなら、
そうあるべきであり、そうなるはずであると私は思う。
貴方には、それが感じられない。

再稼動する自治体には交付金を増やし、再稼動しない自治体は交付金を減らすと言う。
交付金頼みの自治体にとっては死活問題の兵糧攻めと言える。
ついに経産省は、いつもの得意技である札束で頬っぺたを叩く愚行に出てきた。
何処かの国と同じで、官僚は政治の空白を攻めるのが得意中の得意。

ここでも政治家は蚊帳の外で、物事が進んで行く。
国会議員というのは、選挙、縄張り争い、足の引っ張り合いをするのが仕事か。
いっその事、各省庁の事務次官が大臣になり、
政治を行えばよい。そうすれば、自ずと顔が見えてくる。
現状の大臣の役割は、単なるbuffer（自分自身では、指令を出すことも処理も出来ない緩衝域）に過ぎない。