http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/881.html
Tweet |
以前、原発には長距離・超高圧送電必要で、その非効率性、危険性を指摘したが、
今回は、もう一つ原発に不可欠で無駄の塊である揚水発電所を取り上げよう。
揚水発電は、簡単に言えば、山の上と下に貯水池を造り、電力が余る夜間に下から上の貯水池に
水をくみ上げ、需要の高い昼にその水を落として発電するもので、蓄電池のような役割を果たす。
原発は出力調整ができないので、夜間、とくに深夜は電力が大量に余って困ってしまう。
仕方がないので、揚水発電所に揚水させて無理やり電力を消費させるわけだ。
しかし効率は極めて悪い。原発の熱効率は約30%、山中にある揚水発電所への送電で約5%のロス、
揚水発電の効率は50%ぐらい、トータルの効率はたったの15%程度だ。
原発で発生させた熱エネルギーの大半を捨てていることになる。
火力や水力発電は出力調整ができるので揚水発電は不要であり、原発を稼動するからこそ、
効率の非常に悪い揚水発電所が必要になるのだ。
揚水発電所は原発に不可欠な「付属施設」であり、本来ならその建設費や保守費用も
原発の発電コストに加算されるべきものである。
これを考えても、他の発電方式に比べ、原発が最もコストが高いことは明らかである。
それでも総括(総カツアゲ)原価方式で、コストはすべて電力料金に上乗せできるから、
電力会社は涼しい顔である。揚水発電所の建設にいくらかかろうがおかまいなしだ。
こんな無駄の塊である揚水発電所が全国に何と40以上ある。
「日本の揚水発電所一覧」 (ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%9A%E6%B0%B4%E7%99%BA%E9%9B%BB#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E6.8F.9A.E6.B0.B4.E7.99.BA.E9.9B.BB.E6.89.80.E4.B8.80.E8.A6.A7
揚水発電所を建設するには、山を切り開き谷を水没させなければならず、自然破壊も無視できない。
普通の水力発電の自然破壊を笑えたものではない。
原発の抱える環境問題は、放射能汚染や温排水だけではないのだ。
経産省の発表によると、揚水発電の利用率は現在たったの3%だという。
何千億円もかけて建設した発電所がほとんど遊んでいるのである。
全原発が停止しているのだから低迷するのは当然だ。
「揚水発電利用率わずか3% 経産省『再生エネ蓄電に活用を』」 (東京新聞 2014/11/1)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014110101001649.html
(引用ここから)
標高が高い場所に水をくみ上げることで余った電気を実質的にためることができる「揚水発電所」の設備利用率は昨年度、全国で3%にとどまり、太陽光 発電などの再生可能エネルギーが余ったときに蓄電する受け皿としてはほとんど活用されていないことが、経済産業省の集計で1日、分かった。
九州電力など電力5社は再生エネの供給が増え過ぎて需給バランスが崩れる恐れがあるなどとして、新規受け入れを中断している。経産省は揚水発電を最大限活用すれば、再生エネの受け入れ可能量が増えるとみており、5社に試算の提出を求める
(引用ここまで)
再生エネ蓄電に活用をと言っているが、無理・無駄がある。
そもそも太陽光発電は夜間に発電しないから、原発のように電力過剰にはならない。
また、これからは家庭やビル向けの蓄電設備が普及するだろう。
余った電力で水を温め給湯に使うこともできる。
何も、はるばる山奥の、しかも効率の悪い揚水発電所に電力を送って蓄電する必要は全くない。
送電ロスだけでも往復で2倍になるのだ。
原発を廃止すれば、その付属施設の揚水発電所は無用の長物になる。
揚水をしない普通の水力発電所として利用できるものは残し、残りは廃止・解体して自然環境の復元を
進めるべきだろう。
(関連リンク)
「電力を捨てる『発電所』 揚水式発電 〜〜「ベストミックス」というけれど〜〜 」
(よくわかる原子力 原子力教育を考える会)
http://www.nuketext.org/mondaiten_yousui.html
「原発に超高圧送電は不可欠 -- 送電線から発生する電磁波(低周波磁界)の危険性」
(拙稿 2014/9/4)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/199.html
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素40掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。