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原発事故と現在の危険性・・・科学的に考えよう
http://takedanet.com/2014/11/post_b0c3.html
平成26年11月2日 武田邦彦(中部大学)
2013年(昨年)の8月に福島原発三号機の杜撰なガレキ処理で「大量」の放射性物質が漏れました。このことについて、当初、東電は1兆ベクレルと発表し、先日(2014年8月31日)、原子力規制委員会が1100億ベクレルとほぼ10分の1の数値を発表しました。
また、この秋には一号機のカバーを外したので、多くの人が心配しています。東電も規制委員会もほとんど「安全なレベル」とか「南相馬のコメには影響がない」といった抽象的な表現で切り抜けようとし、マスコミもそれ以上は追求しないという状態が続いています。
まずは「科学的」に、2011年の爆発と比較してどのぐらい危険なのかを示したいと思います。
1) 2011年に漏れた量 100京ベクレル
2) 2013年の8月の量 1兆ベクレル(多い方をとった)
3) 2014年の一号機 1億ベクレル(武田推定)
単位が京、兆、億となっているので、普通の人がすぐ比較することが難しいので、直感的にわかりやすいように「2011年の3月に漏れた量」との比較で示したいと思います。
2011年3月の量を 1.0 とすると、2013年8月の「大量に漏れた量」というのは、100万分の1、つまり、0.000001 ということになります。また今年の分は 100億分の1でこうなると書けないぐらい少ないことがわかります。
つまり、2011年の量があまりに膨大なので、もしその時に致死量に近い、1シーベルトを浴びた人を考えると、2013年は、1マイクロシーベルトがプラスされ、さらに2014年は、そのさらに1万分の1の被爆になることがわかります。普通の人で2011年に被曝基準の1ミリシーベルトを浴びたとすると、2013年の3号機の漏れでは0.000001ミリシーベルトが追加されるだけになります。
つまり、簡単に言えば、2011年の量がものすごいので、それに比較すると3号機の漏れは「少ない」と言えます。ただ、かつて新潟の柏崎刈葉の事故では3億ベクレルの漏洩でNHKも朝日新聞も大騒ぎをしたので、感覚がマヒしているということです。
わたしは2011年に膨大な量が漏れたのに、その対策(除染など)を十分にせずに、それと比較すると100万分の1の漏れを大げさに言うと、本当の危険が霞んでしまうと心配しています。いずれにしても2011年のことが今でも最優先で考えなければならず、そのほかのことは「目くらまし」ぐらいで無視したほうが良いと思います。
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ところで、先日、読者の方から次のようなバッシングを受けました。
「いつも楽しくブログを読んでいます。武田先生のブログは心ある物だと思っていました。ですけど原発関連は何故まぐまぐに移行したのですか?放射能汚染は小さいお子さんがいるお母さん方が1番気にしてると思います。でも、まぐまぐは有料ですよね?お子さんがいるって事は、金銭的に1番余裕の無い時期だと思います。なのに有料に移ったということは良い収入源だと思ったからですか?科学のために今まで特許を申請しなかったとおっしゃっていたので、世のため人のために動く人なんだと尊敬していたのですが残念です。原発関連で収入をと思ったのであれば、今まで特許取得してる方が生き方にブレが無いと思いました。今回は正直ガッカリです。」
わたしはバッシングは慣れていますので、大丈夫ですが、このような感想をもっておられる人が多いと思いますし、被曝について「どのぐらい注意をすれば良いのか」の参考になりますので、ちょっと私の考え方を書いておくことにします。
私が「まぐまぐ」の方にも原稿を書くようにした理由は、
1)原発の正しいことを載せてくれるところを増やさなければならない、
2)まぐまぐは読者層も違い、とても良心的に努力してくれる、
3)被曝も一段落して、お母さんが毎日、変化に注意する時期ではなくなった、
4)まぐまぐはかなり論理的で深い内容のことも掲載してくれる優れたサイト
だからです。
原発事故から4年が経とうとしていますが、最初の危険な状態とは違い、落ち着いて毎日の被曝を減らす時期でもあります。この記事に書いたように、2011年の汚染が特別に大きかったので、その後のことは気にせずに、むしろ2011年に汚染されたものに集中的に注意が必要です。
現在、最も危険なのは食材、次に海洋と再飛散で、その状態は変わっていません。もし、日本人が危険なことが起こったり、変化が生じたりすればかならずこのブログに書きます。ただ、現在は再稼働など少し長期的で政治的なことに中心があり、このことは私のブログだけでは止めることができず、できるだけ多くの人が目にするところに積極的に記事を書いていくことが大切と思っています。
どんな時でも批判は重要ですが、批判は「事実のみ」にして「その人の心の中を邪推する」というのはお互いに感情的になるので少し控えたほうが良いと思います。マスコミがいい加減な報道をする中で、ネットはとても大切です。その情報を生かすためには、「バッシング」をできるだけ減らすことだろうとわたしは思っています。
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