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四国電力伊方原発の現状と問題点「伊方原子力発電所は北には中央構造線、南には南海トラフがあるという、まさに地震の巣のような所に建っています」〜第95回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no95/
2014年11月01日 ラジオフォーラム
20141101 R/F #095「小出裕章ジャーナル」【四国電力伊方原発の現状と問題点】
谷岡里香:
今日のテーマが「四国電力伊方原発の現状と問題点」ということですが、伊方原発は四国でたったひとつだけの、しかも内海に面している原発ですね。
小出さん:
そうです。
谷岡:
という所をお話した所ではあるのですが、今日のお客様が噺家の古今亭菊千代さんでして。どうぞ、菊千代さん。小出さんとお話下さい。
菊千代さん:
すいません、こんにちは。
小出さん:
はい、こんにちは。
菊千代さん:
古今亭菊千代と申します。私は、国会でのお話をなさった時から小出先生の大ファンで。でも、もうすごいご活躍というかみんなに力を与えて頂いてるんですけど。あまりにもいろんな所でご活躍なさってるようなので、お体が心配なので、元気でますます私達を正しい方へ導いて頂きたいと思います。
小出さん:
はい、ありがとうございます。ただ、私自身は原子力の場で生きてきた人間として、福島第一原子力発電所の事故を防ぐこともできなかったわけですから、皆さんに対して大変申し訳ないと思っています。少しでも被害を軽減するためにできる力をこれからも使おうと思っています。
菊千代さん:
はい、よろしくお願い致します。
小出さん:
よろしくお願いします。
谷岡:
菊千代さん、もしこの後、聞きたいことがあったら途中から参加して下さい。お願い致します。
菊千代さん:
分かりました。
谷岡:
それでは伊方原発の所に話を戻しますが、愛媛県の伊方町で原発から5キロ圏内に住んでいる皆さんに安定ヨウ素剤の配布が行われました。これは、安全対策として放射能が漏れるような大事故に備えて配られたものということですが、小出さんはこの安定ヨウ素剤をもう既に配布したということは、どういうふうに評価されていますか?
小出さん:
当たり前のことだと思います。安定ヨウ素剤というのは、原子力発電所の事故が起きて、放射性のヨウ素が住民達の元に届く前に飲まなければいけませんので、あらかじめ住民達に配布しておかなければ間に合わないのです。
国や電力会社の方は安定ヨウ素剤を配布すると、何か事故が起きるというイメージを住民に与えてしまうということで、事前に配布することを嫌がっていたわけですけれども。そんなことでは全く意味がありませんので、あらかじめ配っておかなければいけませんし、5キロなんていう範囲では狭すぎるとむしろ私は思います。
谷岡:
そうですか。小出さんとしては、どのぐらいの範囲までの住人に手渡すべきだという風に思ってらっしゃるんですか?
小出さん:
例えば、福島第一原子力発電所の事故の場合には、40キロ〜50キロ離れた福島県飯舘村という所まで猛烈な汚染が行ってしまいましたので、せめてそのぐらいの範囲はやっておくべきだと思います。
谷岡:
そうすると、かなり大きな範囲になりますね。愛媛の伊方町から50キロの範囲と言うと、宇和島とかその辺まで行くんですかね?
小出さん:
はい、そうですね。松山もひょっとしたら入ってくるんじゃないかと思いますが。
谷岡:
逆に、今度内海ですから対岸にまではいかないにしても、結構な距離になりますね?
小出さん:
そうです。
谷岡:
安定ヨウ素剤ですから、これ基本的には錠剤のような物を想像すればいんですか?
小出さん:
そうです。
谷岡:
もし、起こった場合にはすぐに飲む?
小出さん:
はい。日本のこの国というのは、事故が起きた時の情報を正しく住民になかなか伝えてくれないということが福島第一原子力発電所の事故の時にも起こりましたので、事故が起きたということを知ったら速やかに飲むべきだと私は思います。
谷岡:
速やかに、大人子供どのように飲むべきかという事も当然既に配布された時に情報も伝わっているという理解でよろしいのでしょうか?
小出さん:
伝えておかなければいけないのですが、どれだけキチッと伝えて下さってるのか、申し訳ありません。私は知りません。
谷岡:
この伊方原発、今手元に地図があるのですが、ほんとに突端の海に面した所ですが、ここの原発をどういうふうに評価してらっしゃいますか?
小出さん:
はい、私は1974年に京都大学原子炉実験所に就職してきたのですが、ちょうどその前年の秋から伊方原子力発電所の設置許可取消裁判というのが始まりまして、私もその裁判に関わって、証人に出たりしたことがありました。そのためにたびたび現地にも行きましたし、現地の放射能汚染の測定ということもやってきましたので、私にとっては大変馴染みの深い原子力発電所です。
谷岡:
そうですか。今、伊方には1号機、2号機、3号機まであるんですね?
小出さん:
そうです。
谷岡:
全部もちろん今、稼働はしていないという状況ですが、この内海に面した所にある伊方原発はどのようなリスクを負っているのでしょうか?
小出さん:
はい、皆さんは中央構造線というのをご存じでしょうか? 日本最大の活断層といわれてるものでして、1973年だったと思いますが、小松左京さんが『日本沈没』という小説を出してくれたことがありました。それは、その中央構造線を境に日本が割れて海の中に滑り落ちていくという、そういう事を題材にした小説でした。
それほど、この中央構造線というのは、日本という国の中では重要な位置を占めていまして、もし、この中央構造線という活断層が動くようになれば、巨大な地震が起きるだろうと考えられています。その中央構造線のほんとにきわの所に伊方原子力発電所は建っています。
谷岡:
その中央構造線に加えて、ここ数年は南海トラフという言葉を非常によく聞こえるようになりました。その両方が関係するということもあり得るわけですよね?
小出さん:
はい、中央構造線自身は伊方原子力発電所のすぐ近くの北側に走っているのです。南の方には南海トラフという、また巨大な断層というかプレートの境界というものがあって、そこでも南海地震、東南海地震というような巨大な地震が過去繰り返し、繰り返し起きてきたという事が分かっているのです。ですから、伊方原子力発電所は北には中央構造線、南には南海トラフがあるという、まさに地震の巣のような所に建っています。
谷岡:
1号機〜3号機の中でも、特に3号機が問題があるというふうに考えてよろしいですか?
小出さん:
3号機はプルサーマルという非常に馬鹿げたというか、安全性を犠牲にし、そして経済性もないというようなことをやろうとしているわけでして、プルサーマルというのは、プルトニウムという物質を燃料に使うということなのですが、プルトニウムというのは、人類が遭遇したうちで最大の毒物と言われてるほどの毒物でして、普通の原子力発電所で使っているウランに比べれば、何万倍、何十万倍も毒性が強いという、そういう物を燃料として使ってしまおうという計画なのです。なんとしても止めさせなければいけないと思います。
谷岡:
私たちに何ができるかということを、自分にできることっていうのを考えて行動していかなければならないなあって、菊千代師匠思いますよね?
菊千代さん:
そうですね。まだまだ全然。「もう大丈夫なんでしょ?」なんて平気で言ってる人ほんとにいますからね。
小出さん:
そうですね。
谷岡:
なかなかテレビでは伝えられない情報がたくさんあるので、みなさんに小出さんのお話を私達が拡散していくということも大事な役割だなって改めて思いますね。
小出さん:
ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いします。
谷岡:
小出さん、どうもありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
菊千代さん:
ありがとうございました。
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