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原発安全との洗脳に新聞「広告」活用、「記事」でなく
http://ameblo.jp/sannriku/entry-11942935848.html
2014-10-23 16:50:34 放射能を天恵の海に流す六ヶ所再処理工場閉鎖を!(katsukoのブログ)より引用
【アサヒ芸能『北海道新聞、福島民報、東奧日報、新潟日報、福井新聞…「原発と地方紙」癒着暴露本でわかった2兆5000億円収賄全貌!】
原発立地県で発行される「地方紙」には多くの原発広告があるはずーー。そんな疑問から、延べ136年間もの莫大な量の新聞を調べた結果が本になった。暴露 されたのは「広告料」を軸にした「原発」と「メディア」の“収賄”関係。圧倒的な地域シェアの媒体は住民を洗脳するために使われていた!
《広告の量が重大事故と連動》
10月1日に発売された『原発広告と地方紙ーー原発立地県の報道姿勢』(亜紀書房)。1960年代から遡って地方紙に掲載された原発広告の量と内容を調査したものだ。著者の本間龍氏が語る。
本間龍「完全に国民をダマそうとする意図が政府や電力会社にあり、その意図に基づいて40年以上も行われてきた事実を見ていただきたい。国民の原発に対す る無知をいいことに、電気料金を使って洗脳を続けてきました。そのことを思い返してほしい。現実味を帯びてきた再稼働も皆さんをダマすものです。証拠はこ の本の中にあります」
地方紙の地域シェア率は、同じ地域に配られる朝日・読売などの全国紙を圧倒的に凌駕している。
本間龍「日本の原発の4分の1が集中する原発銀座ーー福井県の福井新聞はシェア率72.8%です。生まれてから死ぬまで、その新聞しか読んでいない人もいるでしょう。ネットが登場する以前は反論するものがない。一方的に情報を伝えることができたわけです」
大手広告代理店で18年間勤め、担当地域の売り上げを6倍にした経歴を持つ本間氏は、いわば地方広告のプロ。一般読者にわかりやすいように、データの『量』にこだわったという。
本間龍「環境NGOのグリーンピース・ジャパンに協力いただき、30数名のボランティアの方が7カ月、1つ1つの紙面をチェックしました。延べ136年間分の新聞を調査した集大成です」
【電力9社の普及開発関係費】
(1970年〜2011年度/億円未満は切り捨て)
北海道1266億円
東北2616億円
北陸1186億円
東京6445億円
中部2554億円
関西4830億円
中国1736億円
四国922億円
九州2624億円
合計2兆4179億円
広告主が広告を媒体に出すことを『広告出稿』と呼ぶ。電力会社は広告料を『普及開発関係費』として計上する。1970年〜2011年までの電力9社の合計額は、実に約2兆5000億円にもなるのだ。
本間龍「広告代理店時代、担当地域には原発がなく、地方銀行が地方紙へ最も多く出稿していました。それでも年間5〜6億円。ローカル企業の広告料はそんな ものなのです。一方、東京電力も関東ローカル企業ですが、05年には1年間で約290億円もの広告料を出している。これはありえない。まさに桁が違うわけ です」
広告の分量を示す基準としたのが『段』である。新聞1面は15段あり、『段数』の合計で広告の量を視覚化している。段数が多ければそれだけ多くの原発マネーが使われたことになるのだ。
本間龍「私の担当していた地域の銀行で出稿段数は年間は100段もいかないくらいです。原発関連は年間200段、300段を平気で出稿している。事故があると増えるのは、新聞で『賛成』と書きにくくなったので、代わって広告を使って安全神話を宣伝するということです」
『原発広告出稿段数表』によると、原発広告は69年の福島民報(19億円)から始まることがわかる。67年に福島第一原発が着工し、71年に運転を開始する。この時期が原発広告の始まりだった。
表を見ると出稿段数の増減は、まさに原発の着工、稼働や事故と連動していることがわかる。では、歴史的事故の年を見てみよう。
79年、アメリカのスリーマイル島原発で人為的ミスによりメルトダウンが起こる。のちにレベル5(最高はレベル7)と判定されたこの事故は日本に伝わり、 作り上げてきた原発の安全神話が崩壊しかかった。原発立地県民の不安を解消するためか、この年の広告出稿量の合計は前年の389段(福島民報『福島第一・ 第二原発』66段・福島民友『同』124段・静岡新聞『浜岡』157段・南日本新聞『川内』42段)の約2倍に当たる789段(河北『女川原発』63段・ 福島民報295段・福島民友227段・福井新聞『敦賀・美浜・大飯ほか』204段)となっている。
さらに86年には、人類史上初のレベル7事故である、チェルノブイリ原発事故が起こる。
この年、青森県の東奧日報では、年間なんと777段(北海道新聞『泊原発』60段・東奧777段・福島民報127段・福島民友282段・福井新聞156段・愛媛『伊方』104段、合計1506段)もの記録的な原発広告が掲載された。なぜかーー。
本間龍「歴代最高の出稿記録です。この年、青森県『六ヶ所村再処理工場』建設の前段階である海洋調査が行われました。誘致から工事に進む第一歩の年です。 チェルノブイリの恐怖を払拭するために、紙面全部を買うくらいの資本を投下したのでしょう。危ないことが起こると、それを消すためにアクションを起こすと いうことです」
六ヶ所村の施設は、全国の原発から出た使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す工場。つまり、原発に関わる全国全ての企業、電力会社から広告が集まることになる。
『原発広告出稿段数表』によれば99年には合計1541段(河北233段・東奧日報460段・福島民報411段・福島民友437段)もの広告が出稿されていた。
「この年、2つの大きな事故が起こります。石川県志賀原発臨界事故と、茨城県の東海村JCO臨界事故です。チェルノブイリの記憶が強く、国民が反原発に傾いていった」(社会部記者)
《「アラレちゃん、星野仙一を広告塔にして安全神話を作った」》
広告の分量は世論操作のために、莫大な資本が投下された『証し』である。
広告が『安全神話』や『原発のメリット』流布に使われたことは、本間龍氏の著書『原発広告と地方紙』に掲載された403点もの広告や記事写真からも明らかなのである。
「この子らの20年後」(78年11月2日 福島民報)
「大熊町、双葉町では雇用が増え、経済活動も活発になりました」(86年3月16日 東奧日報)
「そろそろバテ気味石油くん」(85年10月26日 新潟日報)
福島第一原発事故以降ではしらじらしく聞こえるが、当時、こうした言葉は地方紙を通じて立地県の読者たちに浸透していった。
福井新聞では81年10月26日、当時、人気絶頂だった鳥山明氏の漫画「Dr.スランプ」の「アラレちゃん」が「原子力発電豆辞典」として、原発を解説している。
2010年11月11日には、先日、楽天の監督を勇退した星野仙一氏を前面に出して「まっすぐ、低炭素な社会へ」という広告を掲載している。
調査の結果、印象深かったのは福島県の2紙ーー『福島民報』『福島民友』における、『広告』と『論調』の調和であったという。
本間龍「同じ県に2紙あるので推進・反対で論調が割れているのではと、考えていました。ところが、調べると2紙とも原発賛成の論調。福井で事故が起こると『あちらは原燃で、福島は東電だから安全』という記事が載ります。電源三法のお金の恩恵が大きいという記事も多い」
《安全神話から安心神話へ転換》
3.11の福島第一原発事故で『安全神話』は崩壊した。原発は停止し、各電力会社は広告を出稿する余裕がなくなった。原発広告も稼働停止となったのかーー。
本間龍「すでに一部の電力会社が『テレビCMを流せないか』と打診しています。今までのように『安全神話』を訴えられないので、現在では『安心神話』を訴えるようになっています」
これまでは、
「原発は絶対安全な技術→原発クリーンなエネルギー→それは日本に必要」
という広告の論調が、
「化石燃料で収益悪化→放射能の影響は風評被害で実害は軽微→経済維持には原発の部分稼働が必須」
という論調に変わっているというのだ。
本間龍「『原発広告』は『安心神話』を流布する形で静かに復活しているのです」
再稼働目前の今だからこそ、本間氏の『原発広告と地方紙』の凄みが伝わってくるのだ。
終
〜2014年10月14日火曜日発売のアサヒ芸能より
http://www.magastore.jp/product/21436
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