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石井孝明
@ishiitakaaki
「体の中に当然カリウムは存在し、含まれるカリウム40からは常にγ線が放出されており、その量は人間一人当たり4000〜5000ベクレルほど」あれゼロベクレルでないぞ
RT身のまわりの放射線について(その2)http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/2014-0159.html … 原子力委メルマガ、中西委員
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原子力委員会メールマガジンから
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/2014-0159.html
━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・
身のまわりの放射線について(その2)
中西 友子
放射線の利用を紹介するのに先立って、もう少し身のまわりの放射線のもと
となっている放射性核種の起源について考えてみたい。私達が住んでいる地球
の表面には、鉄、ニッケル、アルミニウムなど実に様々な元素が存在している。
では、それら個々の元素の“起源”について考えられたことがあるだろうか。
まず、どの位の量の元素が存在しているのかというと、地表に存在する元素の
存在量は、約半分弱が酸素、次に4分の1強がケイ素、そしてアルミニウム、
鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムと続き、その他の元素
は1%以下となる。もう少し地球の内部にいくと、地球の重量の7割弱を占め
るマントルはマグネシウム、鉄、ケイ素が主な元素であり、中心部の核には鉄
とニッケルが多く含まれると推測されている。しかし46億年前に誕生したこの
地球の元素組成は、宇宙の元素存在比とは全く異なるものである。宇宙ではそ
の90%以上を水素が占め、水素とヘリウムの量を合わせると99.9%を占めるこ
とになり、次に酸素、炭素の順に存在していると言われている。
ではどうして宇宙と地球の元素組成は異なり、宇宙には水素が圧倒的に多い
のだろうか。この研究は宇宙を対象とする研究者の大きな課題のひとつであり、
宇宙の進化論と合わせて、ガモフ(G. Gamow、1948年)、ならびにB2FH
(Burbidge夫妻、W.A. Fowler、F. Hoyle、1957年)らが理論化したことが始
まりといえよう。これらの理論は現在修正はされてきているものの、宇宙では
実に137億年前に誕生した時からずっと今日まで、その進化に伴って、原子核
反応により数多くの元素が生成されてきたことがその考えの基本となっている。
宇宙空間で水素やヘリウムを含むガス濃度が高くなったことから星が誕生する
ものの、その星の中では核反応が起きている。つまり星とは核反応容器のよう
なものと考えられる。まず、水素が燃焼してヘリウムができ、さらにヘリウム
が燃焼して炭素や酸素が作られていく。太陽では核融合反応が起きており、水
素からヘリウムが生成さていることは周知の通りである。そして星も進化を遂
げ、最後は爆発をしてそれまで作成してきた多くの元素を宇宙空間に出すこと
になる。そしてそれらの元素がまた次に生成される星の原料となる。
このような核反応により動いている宇宙の中で、地球は46億年前に生成し
た。そこで、その際に宇宙空間に存在していた核種を取り込んで地球ができた
わけである。私たち人間や動物、植物は地球の上で地球の材料を原料として
育ったものを食して生きてきた。そのため、当然、身体は地球に取り込まれた
放射性核種を含んだ元素で構成されている。地球が出来る時には多くの放射性
元素が取り込まれた。しかしそれらの放射性核種の中で、半減期(核種の量が
半分に減る時間)が短いものは46億年の間に殆ど消滅してしまったが、半減
期の長い核種、例えばカリウム40やウラン238・ウラン235等は相当量存在し、
今でも年々半減期に沿ってその量は減り続けている。カリウム40の半減期は
13億年であるから、地球ができた時に比べて、現在、その量は安定なカリウム
原子(カリウム39とカリウム41)と比較して、もう10分の1以下に減ってきて
いるわけであるが、現在、地球上のどんなカリウムの中にでもまだ依然として
1万分の1は存在している。私たちの体の中にも当然カリウムは存在し、その
中に含まれるカリウム40からは常にγ線が放出されており、その量は人間一
人当たり4000〜5000ベクレルほどの放射能となる。野菜にも多くのカリウムが
含まれているので、今回の原発事故によって放射性セシウムで汚染した野菜を
測定する場合には、もともと存在するカリウム40から出る放射線量も考慮して
測定をする必要がある。
以上、放射性元素の起源と、生き物の体内に含まれるカリウム40について
紹介した。次回はウランについて書いてみたい。
●次号は岡委員長からのひとことです!
━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・
●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は原則として霞ヶ
関にある合同庁舎8号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内
や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイトで御覧いただけます。
●9月16日(火)の会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。
【議題1】独立行政法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営に関す
る目標(中期目標)の変更について(諮問)(文部科学省)
<主なやりとり等>
文部科学省より、独立行政法人日本原子力研究開発機構の業務運営に関する
目標の変更として、高速増殖炉サイクル技術の研究開発について、放射性廃棄
物の減容・有害度低減等の観点を追加することや、福島の再生・復興に向けた
取組の促進の観点から、福島事故対応を踏まえ実施している廃止措置関連の研
究開発について明確化することなどを行うとした内容についての説明がありま
した。原子力委員会は、本諮問内容の検討を行い、後日答申を行うこととしま
した。
【議題2】平成27年度原子力関係経費ヒアリング(経済産業省)
<主なやりとり等>
経済産業省より、平成27年度の原子力関係経費の概算要求の状況について
説明があり、委員からは、要求額の増減理由等について質問がありました。
【議題3】我が国のプルトニウム管理状況について
<主なやりとり等>
事務局より、平成25年末時点の我が国のプルトニウム管理状況の報告があ
り、委員からは、海外に保管中のプルトニウム量の増減等について質問があり
ました。
※資料等は以下のURLで御覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm
●次回は9月30日(火)に会議を開催する予定です。詳しくは、以下の開催案内
を御覧ください。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm
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