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原発事故「デブリ」回収技術開発へ 福島・楢葉で拠点着工 廃炉作業を左右
東京電力福島第1原子力発電所で、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すための技術開発が本格化する。政府は26日、福島県楢葉町で研究拠点の建設に着工、デブリ回収に用いる遠隔操作技術の開発に乗り出す。開発の成否は長期的な廃炉作業に影響を与えそうだ。
着工する拠点は「楢葉遠隔技術開発センター」。日本原子力研究開発機構が主体となり、延べ床面積約6300平方メートルの建屋に福島第1原発と同じ大きさの格納容器の一部を再現して実証試験などに利用する。2015年度末の完成を目指す。
福島第1原発は事故により1〜3号機で炉心溶融が起きた。特に1号機と3号機では大半の核燃料が溶け、圧力容器の底を突き破って外側を覆う格納容器まで落ちた。デブリの一部は、格納容器の底にあるコンクリートを溶かし固まっているとみられる。
政府と東電は20年度以降に回収を始める考えだが、強い放射線を出すため人が近づくことができない。このため、ロボットなどを使い遠隔操作で取り出すことになる。
これまで原発で炉心溶融が起きた事例には、1979年の米スリーマイル島の原発事故と、86年の旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故がある。
スリーマイルではデブリが圧力容器内にとどまっており、遠隔操作によって90年までにすべて取り出すことができた。一方、チェルノブイリでは外部へ大量の放射性物質を放出したうえ、溶け落ちたデブリは原子炉建屋の底で固まった。強い放射線を出し、表面は極めて硬くなり回収は難しいと判断。「石棺」と呼ぶ巨大なシェルターで原発全体を覆う方法を採用し、デブリは当面建屋内に残したままだ。
福島第1原発はこの2つの事故と状況が異なり、未知の要素が多い。圧力容器から外部へ漏れだしたほか、いまだにデブリの姿を直接見ることができないからだ。政府や東電に廃炉について助言する原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元副理事長は「どうすればデブリ取り出しをより合理的にできるか、じっくり考える」と話す。
拠点では放射性物質は直接扱わないが、事故で破損した格納容器を修復したり建屋内を除染したりする技術を研究し、被曝(ひばく)を避けながらデブリを取り出す技術開発につなげる。原発敷地の近くにデブリを含めた放射性物質の分析拠点も設ける。技術開発を担う人材を確保するため、原子力機構を中心に100〜200人の研究チームをつくる構想もある。
30〜40年に及ぶ廃炉の工程のなかでもデブリ取り出しは最も重要な作業だ。企業や大学、研究機関などの知恵を集めて着実に研究を進める必要がある。
[日経新聞9月23日朝刊P.14]
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