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原発の規制について日中韓で情報交換した会合。中央は原子力規制委員会の田中俊一委員長=9月2日、東京・六本木
日中韓の原発規制当局者が日本で“極秘会合” そこには3国の絡み合う思惑が…
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140915/plt1409151138001-n1.htm
2014.09.15 夕刊フジ
外交レベルでは関係が冷え込んでいる日本と中国、韓国が、原発をめぐって連携を深めている。9月2〜4日には、中国と韓国の原発規制当局の幹部が来日し、日本の原子力規制委員会と情報交換の会合を持った。交換会合は、メディアに騒がれるのを嫌がるかのように非公開で、詳細な日程も公表されなかった。しかし関係者によると、中国と韓国は東京電力福島第1原発事故後も原発の増設を続けているため、安全性への不安を口にし、規制を強化した日本に教えを請うという謙虚な姿勢が見られたという。中韓の思惑は何なのか。“秘密会合”の内幕に迫った。(原子力取材班)
■3カ国「安全向上へ連携を」
東京・六本木で開かれた日中韓の情報交換会合。冒頭のあいさつで、規制委の田中俊一委員長は「日中韓が最新の知識を共有し、安全向上へ連携することは重要だ。東京電力福島第1原発事故の教訓について可能な限り情報提供するので、適切なフィードバックをしてほしい」と促した。
参加したのは、中国側から国家核安全局の副長官ら7人と、韓国側は韓国原子力安全セキュリティー委員会の事務総局長ら10人。日中韓3カ国による会議は平成20年から毎年、各国持ち回りで開かれ今回で7回目となるが、福島の事故後、日本で開かれるのは23年11月以来2回目。4日には両国関係者が福島第1原発を視察した。
参加した関係者によると、「雰囲気はとても良好で、お互い原発のプロ同士の話し合いができた」と語る。この関係者が成果としてあげたのは、3カ国合同の防災訓練だ。
訓練は11月20日に韓国で初めて実施される。事故が起きたときの対応や、住民の避難態勢などについて中韓は整備が不十分とされ、日本の知見が求められているという。
日本にとって、両国と関係を深めようとする背景には、事故が起きたときの影響が懸念されている。田中委員長は「日本にとってみれば韓国も中国も風上で、お互いに安全に関しては国境の壁を取り払って協力しなければならない」と強調する。
つまり、中国や韓国の原発がトラブルを起こし放射性物質が大量に放出される事態になると、偏西風に乗って日本に流れ着き、汚染されることが予想される。
3カ国は昨年11月、国際的な事故の評価尺度(INES)で8段階のうち下から3番目の「レベル2以上」と推定される事故が起きた際に、早期に通報することで合意している。今回の会合でも、具体的な通報方法が議論になった。
■中国原発は「粗製乱造」
中国の原発建設は過去に例のないスピードで進んでいる。
各国の電力会社から原発に関するアンケートを毎年まとめている日本原子力産業協会の調査によると、今年1月時点で、中国は運転中の原発が17基だが、建設中・計画中のものはその3倍以上の54基もある。増設を進める背景には、人口増大や経済成長による電力不足があるとともに、PM2・5といった粒子状汚染物質など大気汚染が問題化しているため、クリーンエネルギーとされる原発に注目が集まっているという現実がある。
中国の原発事情に詳しい作家で、島根県立大名誉教授の豊田有恒氏は「中国は異常なスピードで建設を強行しており、『粗製乱造』といえる。日本は常に中国政府に危険を訴え続けることが肝要だ」と指摘してきた。
特に中国はそれぞれの電力会社が独立して営業運転しているため、部品の互換性もなければ燃料棒の製法や様式もバラバラで、運転要員の訓練も系統だったものがないという。
しかも規制当局の体制も不十分で、原発の安全規制を担う中国の国家核安全局のスタッフは70人ほど。日本の規制当局は今年倍増して約1000人、米国は3000人以上いることからすると、中国の規制は心許ない。しかも日中科学技術交流協会によると、中国の原発1基当たりのトラブルは、日本の5倍以上の割合で記録されている。
トラブルがあった場合、日本では原子炉を止めて安全を確認するが、中国では稼働しながら故障を修理するという経済優先の対処方法も見られるという。
■再処理狙う韓国
一方の韓国は、原子力産業協会の調査で、運転中の原発が23基、建設中・計画中が9基あるとされる。世界第5位の原子力国だ。
ただ1978年の運転開始からすでに36年たっており、「核のゴミ」が飽和状態で、その処理に頭を悩ませている。
日本の原子力学会関係者が「ノドから手が出るほどほしいはず」と表現するほど、韓国は核のゴミの再処理事業に狙いを付けている。再処理で出るプルトニウムは核爆弾への転換も可能となり、核不拡散の目的から、非核保有国で再処理が認められているのは日本だけだ。
2014年3月に期限を迎えた米韓原子力協定の改定交渉では、再処理事業をを実現するべく交渉を重ねてきた。原子力協定は米国が原発の技術や設備を韓国に輸出する代わりに、韓国は米国の許しがなければ核燃料の再処理ができない。結局、朝鮮半島での核開発競争を懸念する米国の同意を得られず、現状のまま2年間、協定は延長することになった。
ただ米国はベトナムとの原子力協定には前向きで、韓国紙・中央日報は2月27日付で、「韓国には禁止しているのにベトナムには核処理を黙認している。公平性をめぐる論争が予想される」と報じた。米国がベトナムに譲歩したのは、急成長する原発市場を狙って、ロシアが目を付けて投資を拡大しているため、ライバルが先に進出することを防ぐ戦略眼がある。
安全保障をめぐる問題が複雑に絡みながら進む原発の国際連携。福島第1原発事故を経験した日本は、「世界一厳しい」と自負する安全規制を武器に、各国とどのような関係を結んでいくか、今後の動きが注視される。
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