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原発の怖さ 元東芝技術者が告発 構造複雑 対応不能
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2014年9月1日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 俺的メモあれこれ
福島原発事故発生当初の不安が風化する中、東京電力福島第一原発の建設に携わった元東芝社員の小倉志郎さん(73)=横浜市=がこのほど、原発の危険性を訴える「元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」(彩流社)を出版した。元技術者だからこそ分かる原発の危険と安全の限界を記している。(林啓太)
◆事故形態無数 想定できぬ
「原発は一度、事故が起きたら放射性物質による取り返しのつかない危険にさらされる。にもかかわらず、構造の複雑さから事故への適切な対応は難しい」
小倉さんは旧日本原子力事業と、同社を吸収合併した東芝で35年間、原発の設計や建設、定期検査などに携わった。福島原発事故の原因を調べた国会の事故調査委員会では、協力調査員として報告書の作成にもかかわった。
福島第一原発の設計など13年間のデスクワークをへて、1980年代初めに東電柏崎刈羽原発1号機(新潟県柏崎市)の建設現場に常駐した。このとき、原発の複雑さが人の能力を超えると実感したという。
「原発は無数の部品でできている。部品同士が組み合わないなどのトラブルも多かった。当時は維持管理が大変と考えた程度だったが、今にして思えば複雑さは原発の重大な弱点だ」
「複雑な機械ゆえ、想定される事故のパターンも無数に出てくる。全ての事故に対応できるマニュアルを作ることなど不可能だ。事故に完全に対応できないのは致命的といえる」
その後、東電福島第二原発の保守点検作業を担当した。部品の点検や交換で、自ら放射線管理区域内に入った。フード付きの上下のつなぎを着て全面マスクを着け、四重の手袋をする重装備。「手で細かい作業をするのは無理。他の作業員との会話もはっきり聞き取れず、やりにくかった」
90年代初めには、電力会社の「場当たり主義」を目の当たりにした。東電や中部電、東北電などが勤め先の東芝に、使用済み核燃料を貯蔵するプールの貯蔵容量を増やす改造工事を発注した。小倉さんは東北電女川原発(宮城県女川町、石巻市)を担当した。
電力各社がプールの貯蔵容量を増やしたのは、青森県六ケ所村の再処理工場がトラブル続きで、使用済み核燃料を引き取るめどが立たなくなったからだった。
「既設のプールは底の面積が変えられない。それで貯蔵量を増やそうとすれば、燃料棒の束を格納する『収納ラック』の間隔が狭まり、臨界事故の危険性が高まる。臨界を引き起こす中性子を吸収しやすいホウ素をラックの素材に混ぜる苦し紛れの対応をした」
それでもまだ、原発の安全性を信じていた。「場当たり的な施設の改造など非合理的な産業だとは感じていたが、何重もの安全システムが備わり、大事故はないと思い込んでいた」
しかし、その思いに疑念がよぎったのは、定年退職して5年後の2007年。新潟県中越沖地震による「想定外」の揺れで柏崎刈羽原発で火災が発生した。
「想定外の事態は本当に起こり得るのだと知り、深刻な事故が起こらないかと不安になった。福島原発事故でその不安は的中した」
事故から3年がたち、政府、電力会社はいま再稼働を急いでいる。推進派の専門家は確率論に基づき、再稼働を正当化する。だが、小倉さんは「原発が扱う放射性物質は人の命に直接かかわる。安全性を確率論だけで判断するべきではない」と訴える。
「事故の可能性が一分でもあることへの不安の感覚こそが、正しい結論に至れる。技術者として原発を推進した私の、罪の償いを込めた提案です」
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