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2014年08月29日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「文明社会で生活することは、危険を買うことでもある」という言い方がある。科学技術が生む文明の利器である電車、新幹線、自動車、大型旅客船、航空機などに乗ることは、万が一起こり得る事故を覚悟の上で乗っていることを意味している。事故が絶対に起こらないということはあり得ないからである。原子力発電もやはり、文明の利器であるから、事故が絶対に起こらないということはあり得ない。しかし、電車、新幹線、自動車、大型旅客船、航空機などを利用することと、原発を利用することとは、同じことなのであろうか。素朴で難しい疑問である。
少なくとも、原発大事故が発生すると、電車、新幹線、自動車、大型旅客船、航空機などの事故とは比べ物にならない大被害が生ずることは、福島第1原発大事故を見れば、一目瞭然としている。米国のスリーマイル島の原発大事故、旧ソ連のチェルノブイリ原発大事故も然りである。こんな恐ろしい実例を突き付けられて、人類は「原発大事故という危険を買い続けるのか」という二者択一を迫られている。
◆日本はいま、「新しい国づくりを目指す勢力」と「戦前の日本を、取り戻す勢力」とが、激しく対立し、覇を競っている。「3大対立軸」をめぐる覇権争いである。
世界統治観の対立=国連中心の平和と秩序維持派(地球連邦政府・地球連邦軍)VS米英の多国籍派(多国籍軍)
文明史観の対立=原発ゼロVS原発推進
生活観の対立=国民の生活が第一VS企業利益優先
このうちの文明史観の対立は、「原発大事故という危険を買い続けるのか」、すなわち、「原発ゼロVS原発推進」のどちらを選ぶのかということである。
全国9電力のうち、原発を持つ北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の8電力会社は、これからも「文明の利器である原発が起こし得る危険を売り続けるつもり」であるのに対して、電力消費者のうち「原発ゼロ派」は「もう危険は買いたくない」と訴えている。そうなると、8電力会社は、「原発推進派」の要請のみに応えるわけにはいかなくなっている。「原発ゼロ派」の要請にも応えなくてはならない立場に立たされている。「もう危険は買いたくない」と訴えているのに、一方的に売りつけるのは「危険の押し売り」に他ならない。
◆埼玉新聞が8月28日付け朝刊「社会面」(19面)で「福島原発事故 東電賠償4兆円超に 直接交渉や和解、裁判で」という見出しをつけて、以下のように報じている。
「東京電力福島第1原発事故で避難し、自殺した福島県川俣町の女性の遺族が東電に損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁が26日、約4900万円の支払いを命じた。自殺が原因の損害賠償訴訟として初の判決となったが、原発事故の賠償は、裁判以外に、東電と直接交渉や和解手続きもあり、支払い総額は4兆円を超えている」
この4兆円の原資は、消費者が支払う電気料金であり、税金である。「危険を押し売り」しておきながら、損害賠償まで国民に支払わせている勘定だ。
おまけに福島第1原発事故による除染や賠償、廃炉などの損害額の最新の見通しを足し合わせると、11兆1600億円を超えているという。政府は「廃炉ビジネス」用に長期にわたって巨額の国家予算を注ぎ込み続けなくてはならない。こんなムダを続けるくらいなら、「原発ゼロ」に踏み切って、新しいエネルギー源を開発した方がよほどマシである。
東電は「安かろう、危なかろう」の原発電力を売りつけ、「危険を押し売り」するのを止める決断をすべきなのだ。
【参考引用】東京新聞が8月26日付け夕刊で「原発避難『うつで自殺」 東電に賠償命令 福島地裁」という見出しをつけて、以下のように報じた。
二〇一一年七月、東京電力福島第一原発事故で避難していた福島県川俣町山木屋地区の渡辺はま子さん=当時(58)=が自殺したのは「避難生活で精神的に追い詰められ、うつ状態になったため」として、遺族が東電に計約九千百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁(潮見直之裁判長)は二十六日、東電に約四千九百万円を賠償するよう命じた。
東電によると、原発事故が原因で自殺したとして東電に賠償を求めた訴訟で、初の判決。夫の幹夫さん(64)ら四人が訴えた。
訴状によると、一一年三月十一日の原発事故で、山木屋地区は四月二十二日、政府による計画的避難区域になった。はま子さんは六月、幹夫さんら家族とともに福島市内のアパートに避難。一時帰宅していた七月一日、自宅敷地内で焼身自殺した。
避難後、顔色が悪くなって食欲がなくなり「生きているうちに戻ることができるだろうか」などと話すようになったといい、原告側は「自宅に戻る見込みが立たず、勤めていた養鶏場も閉鎖され、精神状態が悪化した」と主張した。
東電は「原発事故で強い心理的負担が生じたことは認めるが事故前から睡眠障害で薬を飲んでおり、原発事故以外の原因を考慮するべきだ」として争っていた。
原発事故と自殺をめぐっては、東日本大震災から間もない一一年三月二十四日に自殺した福島県須賀川市の農業の男性=当時(64)=の遺族が賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東電が賠償することで和解した例がある。
◆自殺増加 避難長期化原因か
福島県では、東日本大震災との関連で自殺したと認定される人が増え続けている。集計する内閣府の担当者は「東京電力福島第一原発事故の影響で避難先の生活が長期化しているのが原因ではないか」と分析する。
内閣府によると、福島県の震災関連の自殺者は、統計を取り始めた二〇一一年六月から今年七月までに五十六人。同様に震災で大きな被害を受けた岩手県の三十人、宮城県の三十七人と比べても多く、全国最多だ。福島では一一年に十人、一二年に十三人、一三年に二十三人と、増加傾向が著しい特徴もある。
自殺防止対策について内閣府は「福島県には対策費を多めに配分している」とし、県も相談ダイヤル設置や仮設住宅への相談員派遣などに取り組んでいるが、十分な効果が挙がっていないのが実情だ。
震災関連の自殺と認定されるのは、仮設住宅で遺体が発見されたり、亡くなったのが原発事故の避難者だったりしたケース。ほかにも遺書や遺族の話を基に、震災関連かどうか判断している。
<原発事故と避難> 東京電力福島第一原発事故に伴い、政府は2011年4月22日、福島県内の原発周辺11市町村に避難区域(警戒区域と計画的避難区域)を設定。12年4月からは順次、放射線量が高い順に、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の三つに再編した。避難区域は14年4月に田村市で初めて解除され、現在10市町村で継続中。自主避難を含め今も約12万5000人の福島県民が、県内外で避難生活を続けている。
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