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吉田元所長 官邸などの指示に疑問:所長も東電本店も政府も原発を扱うことが元々無理であったことを満天下に晒した過酷事故
http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/871.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 8 月 26 日 03:38:16: Mo7ApAlflbQ6s
 


 亡くなられた吉田元所長は、「政府の事故調査・検証委員会に対し、官邸などから指示や質問が相次いだことを「ずっとおかしいと思っていました」と述べ、重大事故が起きた際の指揮の在り方に疑問を呈し」たそうであるが、法的権限としてもあの福島第一事故の対応には政府が責任を有している。

 指揮ないし指示の経路が、政府対策本部→東電本店→福島第一原発であるべきなのに、ダイレクトに福島第一に指示するのはおかしいということかもしれないが、進まない事故対応や要領を得ない説明と回答といった状況のなか、政府が現場に対しダイレクトに口を出すことを批判することはできない。
 「ずっとおかしいと思っていました」ではなく、具体的な経緯に即して、間違った指示が何であったかを明確する必要がある。

 もう一つ、「事故発生から3日後の3月14日の午後、吉田元所長は2号機の格納容器の圧力を下げる「ベント」という操作を検討していましたが、当時の原子力安全委員会の班目春樹委員長や清水正孝社長からは、注水を優先するよう指示を受けました」とあるが、吉田元所長がほんとうに2号機の格納容器の圧力を下げる「ベント」という操作を検討していたとしたら無能と言うしかない。

 2号機は14日昼頃から原子炉圧力容器の水位が低下しはじめ、原子炉隔離時冷却系の機能喪失が見えていた。
 この時点でやるべきことは、原子炉隔離時冷却系の機能を支えるだけでなく、原子炉の圧力を低下させる「主蒸気逃がし安全弁」操作にも必要な圧力抑制室(S/C:格納容器の周りにあるドーナツ型の圧力抑制プール)に注水することだったのである。

 原子炉隔離時冷却系の水源及び復水装置として使われ続けるなかで、2号機圧力抑制室の水が減っていったのである。

(もっと早い時点で、圧力抑制室に注水を始めていれば、原子炉隔離時冷却系の機能喪失を先に延ばすことができたはず)

 まず、吉田元所長の格納容器ベントは事故対応としてまったく意味がないもの(それどころか放射性物質を外界にまき散らす行為)であるが、ベントを実施するにも、放射性物質をできるだけ除去する役割を果たす圧力抑制室の水が必要である。

 班目春樹委員長や清水正孝社長が主張したとされる「注水」(原子炉圧力容器)を行うためには、消防ポンプの圧力で注水できるよう原子炉の圧力を10気圧よりずっと低いレベルにしなければならない。
 そのために必要なステップが「主蒸気逃がし安全弁」操作であり、原子炉の高温・高圧の蒸気を圧力抑制室(S/C)に送り込んで復水させるためには、圧力抑制室(S/C)に水がたっぷりと必要である。

 2号機が15日早朝に膨大な放射性物質漏れを起こしたのは、圧力抑制室(S/C)の水が枯渇した状態で「主蒸気逃がし安全弁」操作を繰り返したことが原因である。
 噴き出された高温・高圧の蒸気が圧力抑制室の壁を破壊し、それが膨大な量の放射性物質の漏出につながったのである。


※ 関連参照投稿

「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html

「[2号機圧力抑制室損壊問題]東電資料より:S/Cプールの水は隔離時冷却に使われ防護機能を喪失:圧力破壊の可能性が大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/219.html

「田中三彦氏:米国で脆弱性から“噴き出す蒸気の勢いで圧力抑制室が損壊する”可能性が指摘されていた[週刊エコノミスト]」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/822.html

「2号機圧力抑制室の損壊原因≠「水素爆発」発表(東電)から読み解く事故の経緯」
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/298.html

「2号機の“爆発”は「計器故障」とうそぶく東電:2号機のS/C損壊まで否定する腐敗臭漂う東電中間報告書」
http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/836.html

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吉田元所長 官邸などの指示に疑問[NHK]
8月25日 22時03分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で現場責任者として指揮をとり、去年亡くなった吉田昌郎元所長は、政府の事故調査・検証委員会に対し、官邸などから指示や質問が相次いだことを「ずっとおかしいと思っていました」と述べ、重大事故が起きた際の指揮の在り方に疑問を呈しています。

政府の事故調査・検証委員会などによりますと、事故発生から3日後の3月14日の午後、吉田元所長は2号機の格納容器の圧力を下げる「ベント」という操作を検討していましたが、当時の原子力安全委員会の班目春樹委員長や清水正孝社長からは、注水を優先するよう指示を受けました。

これについて吉田元所長は、政府の事故調査・検証委員会に「四の五の言わずに減圧、注水しろということがあって、現場も分からないのによく言うなと思いながらいました」と述べています。
そのうえで「私だって、早く水を入れたくてしようがない。そう思っているんですよ。現場はできるかぎりのことをやって、なかなかそれが通じないんですね。ちゅうちょしていると思われているんです」と困惑した心境を証言しています。

吉田元所長は、このほかにも官邸から指示や質問があったとしたうえで「何で官邸なんだというのがまず最初です。本店の本部は何をしているんだ。ずっとおかしいと思っていました」と疑問を呈しています。
政府は、来月にも吉田元所長の証言の記録を公表することにしていますが、原発の再稼働に向けた動きが進むなか、重大事故が起きた際の指揮の在り方が改めて問われています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140825/t10014074211000.html

 

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コメント
 
01. 2014年8月26日 05:33:39 : FyodjO52js
以前、事故当時に吉田氏から東電本社に宛てた直筆のファックス報告の殆どを時系列順に読んで思ったことは、都合の悪いことは隠蔽されているということだった。合法的安全性義務よりも常にコストを優先させてきた東電本社の意向を斟酌してきた典型的サラリーマン管理職が、この時まさに自己保身の真っ最中でもあったのだ。

曰く、「現場も分からないのによく言うなと思いながらいました」「私だって、早く水を入れたくてしようがない・・ちゅうちょしていると思われているんです」
その通りだろう。事故によって機能が麻痺しているのではなく、ブツが崩壊してしまっているのだ。現場にいる当人らは、その状況を知っていて「現場はできるかぎりのことをやって」いるのだ。

投稿子の勘違いは、原発がどこまで壊れているのか知らずに憶測していることだ。配管破断の範囲も分からず、判断はできまい。
隔靴掻痒の本社宛ファックス文を読んで見えてきたことは、為るようにしかならない、どうしようもないほど破壊された現場の状況だった。


02. 知る大切さ 2014年8月26日 09:59:43 : wlmZvu/t95VP. : E0D2ojuPZY
これだけの設備、当然事故対応マニュアルがある筈ですが、
どの時点からマニュアルの対象外の自体となって、刻刻と変化する状況にその場での検討対策に移行したのか? 現場判断と後方支援の判断の優先はどうなってたのか?
良く判らない聞き取り方法ですね。(目的を明確にせずに取り敢えず聞きました感が)
もっと聞き手の確認能力がある方に聞き取り調査をして欲しかったです。
(一番の現場責任者に突っ込んだ質問を避けてリサーチしてませんか?)

NASAはわずか数人の宇宙飛行士の生命維持に後方支援が充実していますが、
この国の原発はお寒い限りなのは福島で十分確認しました。



03. taked4700 2014年8月26日 13:00:55 : 9XFNe/BiX575U : Z7NsfHEgSk
>>02

>良く判らない聞き取り方法ですね。

そうなんです。まるで小学生の遠足の感想文です。印象は述べられているが、具体的な事実は出てこない。

要するに、事実は隠ぺいするという宣言なんです。事実は隠ぺいしたまま、情報開示の真似事だけをして、きちんと情報公開していますよと言うふりをしているということです。

とてもある意味危険なことだと思います。非常に大きな力が、自分が何をやっているか、はっきりしたフィードバックなしに使われていくことになるからです。

東電テレビ会議の公開資料はほぼ100%お芝居であり、それが示していることは、事故当初から東電は事故対応の埒外に置かれていたということです。現場がそうなのですから、官邸はなおさらであり、情報が官邸に行かなかったことは明らかです。

それにもかかわらず、一部の官僚、福島県の一部の関係者、そして、東電の一部の関係者はかなりリアルタイムで状況を知っていた可能性があります。

事故直後から現場対応していた方たちはいったい誰なのかを明らかにしないといけないと思いますが、よく分かりません。


04. アルゴ55 2014年8月26日 14:12:14 : daFPzCs3J/4hY : BQZVzXsGfA
何しろ 実質的な責任者も 形式的な責任者も

「責任者」と名の付く人はどこにもいないのだから訳が分からないのは当たり前。

日頃威張ってた人ほど 事故の非常事態には、おら知らね〜と逃げ回る。

原発などという複雑なシステムを動かすに際して 責任者がいない日本という国。

まっこと おめでたき 限りなり!!

再稼働も なんとなく始まるが 責任者はいない。
なんで稼働したんだ 責任者出てこい!!……誰も出てこない


05. 2014年8月27日 03:55:56 : 3L4lXg3Kfs
だいたい、この人類が経験のしたことがない過酷原発事故の対処に、いちいち政治家とりわけ総理大臣(菅直人)の指示を仰ぐことがナンセンス! 政治家はドシロートでしょ。

菅直人の対応を云々する自民大好き人間やネトウヨが散見さるるが、総理大臣がなんで原発事故対応に長けているんだ!

だいたい菅直人は元市川房江の弟子だったらしいが、市川房江はあの時代に投獄されたり虐殺されることを恐れてうまく立ち回った日和見運動家で左翼でもなんでもない。だからメディアは持ち上げた。その市川に引導を渡されたのだからお里が知れるというものだ。

原発事故の対応は専門家集団(ムラ以外の)が当たるべき。吉田所長は東電の実質的責任者であったことは事実で、結果の良し悪しはともかく彼の対応がこの国の現実でお粗末極まりないということだ。


06. 2014年8月27日 13:57:59 : sPf5RKbdWc
明確に否定していた「撤退」

所員たちのその後の行動を辿れば、朝日報道が事実を捻じ曲げた虚報であることがはっきりする。

福島第二原発に退避した所員たちは、当日の昼頃には放射線量が高い福島第一原発に続々と戻ってきた。彼らはその後も、被曝量が基準値いっぱいかそれ以上になるまで除染や電源回復、冷却などの作業にあたった。

退避しなかった69人の「フクシマ・フィフティ」だけでなく、戻った所員全員が献身的に事故と闘い、それぞれが少なからぬ被曝をした人々なのである。

いったん退避した所員が戻ったことは当時、本誌だけでなく朝日を含む新聞各紙も報じている。その行為のどこが「命令違反で撤退」なのか。福島第二原発への退避は所長の指示を現場が合理的に解釈した結果で、所員たちは命令違反をしたわけでもない。

むしろ、真っ先に記者に逃げるように指示したのは当の朝日の方だった。朝日新聞社は政府が住民への避難指示を原発10q圏から20q圏に拡大した2011年3月12日、全社員に「原発30q以内」に近づかないように指示を出している。ならば彼らは「命令違反」こそしていないが、報道すべき重大事故の現場から「撤退」した無責任者なのだろうか。

重大な虚報はまだある。

朝日が吉田調書の核心証言を隠して、所員の「退避」を「撤退」と報じたことだ。退避は一時的な避難のニュアンスが強いが、撤退は「陣地や拠点を引き払って退くこと」(大辞泉)の意味になる。いわゆる東電の撤退問題は原発事故対応の検証の重要なテーマになっている。

発端は、当時の菅直人内閣の閣僚や首相補佐官たちから、東電の清水正孝・社長(当時)が福島第一原発からの「全面撤退」を要請し、菅直人・首相がそれを拒否したという情報が流されたことだった。菅直人政権の事故対応は現場を混乱させ、安全デマを流して被害を拡大させたと今も批判が強いが、東電撤退論はそうした批判への反論の根拠とされ、総理補佐官だった細野豪志氏は、民間事故調の調査に、<菅氏は、何の躊躇もなく『撤退はあり得ない』と言った。私は日本を救ったと今でも思っている>と、”菅英雄伝説”まで振りまいた。対する東電側は一貫して、「全面撤退と言ったことはない」と主張している。

吉田氏は調書の中で、この撤退論を完全に否定していた。産経報道でそこが明らかになった。
<吉田氏「逃げていないではないか、逃げたんだったら言えと。本店だとか官邸でくだらない議論をしているか知らないですけども、現場は逃げていないだろう。それをくだらない、逃げたと言ったとか言わないとか菅首相が言っているんですけども、何だ馬鹿(ばか)野郎というのが基本的な私のポジションで、逃げろなんてちっとも言っていないではないか。注水とか最低限の人間は置いておく。私も残るつもりでした。場合によって事務の人間を退避させることは考えていると言った」
ー本店から逃げろというような話は
吉田氏「全くない」
ー「撤退」という言葉は使ったか
吉田氏「使いません、『撤退』なんて」
ところが、朝日はこの部分を入手していながら意図的に報じていない。「東電は卑怯者」という自らのストーリーに合わないから隠したと見られても仕方がない。


07. 2014年8月27日 15:37:54 : MhW7P3qGGs
菅直人擁護で書かれた『プロメテウスの罠』

事故当時は菅直人内閣、東電経営陣ともに対応能力を完全に失っており、撤退論争は責任のなすり合いに過ぎない。しかし、同じ東電でも、でくのぼう同然だった経営陣と、福島第一原発の所員の献身的な行動は分けて検証しなければならない。

朝日は、福島第一原発の所員が退避したことを、東電経営陣の撤退論の象徴のように「撤退」と報じた。

朝日はなぜ、吉田調書の核心部分を報じず、「退避」を「撤退」と言い換えて、所員たちの名誉をズタズタにする書き方をしたのか。

新聞協会賞を受賞した朝日の看板連載企画『プロメテウスの罠』を読むとそのヒントが見える。

同連載では事故直後の官邸の動きを検証した第6シリーズ「官邸の5日間」の章が菅直人政権擁護の立場から書かれたことは朝日自ら認めている。連載をまとめた単行本『プロメテウスの罠』第一巻のあとがきにこうある。

<第6シリーズは「官邸の5日間」。4月以来、国の原発対応が杜撰だった点を首相の責に帰す報道が続いていた。第2シリーズの取材をしていて感じたのは、それへの違和感だった>

そうした朝日の報道のあり方は慰安婦をめぐる虚報問題と重なる。

朝日は慰安婦問題について、韓国人元慰安婦の「母親に妓生 (キーセン)検番に売られた」という証言を報じずに、「強制連行された」と事実を捻じ曲げて報じ、その結果、国際社会に「日本は性奴隷国家」という誤解を広げた。

今回の原発検証報道でも、朝日は吉田調書の都合の悪い部分に目をつぶり、自らの危険を顧みず事故対応にあたった福島第一原発の所員たちを”敵前逃亡”したかのように報じたことで、彼らは世界から言われなき中傷を受けることになった。

「朝日の論理」に沿った記事を作るために事実を捻じ曲げ、国民に損害を与える一方、そうした姿勢を批判する報道には抗議して記事の検証を許さない。今回も本誌取材には「(2014年6月20日号記事に)抗議中なので回答しない」(朝日新聞広報部)とした。報道機関としてこれほど恥ずかしいことはない。

*世界にバラ撒かれた朝日報道
<2011年、パニックに陥った作業員たちは命令を無視して福島原発から逃げ去っていた>(米ニューヨークタイムズ)
<危機の最中に福島原発の作業員が逃走と日本の新聞が報じる>(英BBC)
<福島の”ヒーローたち”は実は怖くなって逃げ出していた>(豪オーストラリアン)
朝日新聞が「吉田調書」の”スクープ”を報じた後、それを記事にした海外主要メディアの見出しだ。多くは朝日の記事をそのっま写したもので独自取材はない。それゆえ朝日の言い分がそのまま世界に垂れ流された。
韓国ではさらに過激な見出しが躍る。
<福島原発事故は日本版セウォル号だった!職員90%が無断脱出・・・・・初期対応できず>(週刊誌「エコノミックレビュー」)
<福島事故もセウォル号の船員たちのように・・・・・>(ソウル新聞)
<日本版セウォル号・・・・・福島事故時に職員ら命令無視して原発から脱出>(国民日報)
不正確な記事を海外メディアが引用し世界各国から「日本叩き」の潮流ができあがる。これはまさに慰安婦問題を朝日が膨張させた構図そのままだ。


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