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吉田元所長の証言“猛烈に反省”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140824/k10014044831000.html
8月24日 19時20分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会に対し、非常用の冷却装置が止まっていたことなど重要な情報を把握できていなかったことを「猛烈に反省している」と述べるとともに、吉田元所長に判断が集中した事故対応の在り方について課題を指摘していたことが分かりました。
専門家は「新しい知見を生み出しながら、事故の教訓を別の視点から伝え、解釈していくことが重要だ」と、吉田元所長の証言を公表することの意義を指摘しています。
去年7月に亡くなった福島第一原発の吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会の聴き取りに答えた証言の記録は、事故を検証する重要な資料と位置づけられ、政府は来月にも公表する方針です。
NHKが入手した記録によりますと、吉田元所長は、メルトダウンした1号機で、事故発生の直後から非常用の冷却装置が止まっていたことに長時間気付かず、対応が後手に回ったことについて、「猛烈に反省しているんですけれども、少なくとも、現場側からのSOS発信が、こちらに届いていなかった」と述べ、冷却装置が止まっていることを疑っていた現場の情報を把握できなかったことを悔やんでいます。
そのうえで、3つの原子炉が次々と危機に陥った事故について、「3つ暴れているものがあって、いろんな情報が来て、判断しないといけないときに、もう分からなくなってしまうんですね」と証言するなど、さまざまな情報や判断が吉田元所長に集中した事故対応の在り方に大きな課題があると指摘しています。
一方で、当時の政府の対応について、事故対応に忙殺されているなかで直接寄せられた問い合わせを例に挙げ、「警戒区域と避難区域、20キロ、30キロの話について、こう決めたけれども、所長はどう思うみたいな話をしてきたんです。知りませんと」と述べ、疑問を投げかけています。
さらに、東京電力本店側に対しても、政府の了解が得られるまで1号機への海水の注入を中断するよう指示があったことを例に挙げ、「いつ再開するんだと担保のないような指示には従えないので、私の判断でやると」「それを止めろだとか、何だかんだいうのは、全部雑音です」と話し、現場の実情に合わない事故対応の在り方を批判しています。
原発と社会の関係を研究している社会学者で、福島大学特任研究員の開沼博さんは、吉田元所長の証言を公表することの意義について、「これまでの報告書などには現れていない新しい知見を生み出しながら、この事故の教訓を、別の視点から伝えていく、解釈をしていくことが重要だ」と話しています。
非常用冷却装置
事故当日、最も早くメルトダウンした福島第一原発1号機では、すべての電源が失われた3月11日の午後3時半ごろから、非常用の冷却装置がほとんど動いていませんでした。
政府の事故調査・検証委員会の調べによりますと、現場の運転員も、当初は1号機の非常用の冷却装置が止まっていたことを明確には疑っていませんでしたが、夕方になって深刻な状況に気付きます。
ところが、この情報は吉田元所長には伝わらず、冷却装置は動いていると信じていて、ようやく事態を把握したのは、格納容器の圧力が異常に上がっていると報告を受けた午後11時50分ごろでした。
こうした重要な情報を把握できていなかったことが、原子炉への注水や格納容器の圧力を下げる「ベント」と呼ばれる作業の大幅な遅れにつながったと指摘されています。
これについて、吉田元所長は政府の事故調査・検証委員会に、「猛烈に反省しているんですけれども、少なくとも現場側からのSOS発信がこちらに届いていなかった」と述べ、非常用の冷却装置が止まっていることを疑っていた現場の情報を把握できなかったことを悔やんでいます。
そして、「IC(非常用冷却装置)は大丈夫なのかということを何回も私が確認すべきだったと、逆に言いますとね、今の時点に立って言うとそこは思い込みがあって、水位がある程度確保されているから大丈夫かなと思っていた部分があります」と話し、現場の責任者として判断を誤ったことを率直に認めています。
海水注入判断巡って
事故発生の翌日、1号機を冷却するために海水を注入する判断を巡り、当時の政府と東京電力との間で情報の行き違いがあり、混乱したことが指摘されています。
政府の事故調査・検証委員会の調べによりますと、福島第一原発では、事故発生の翌日の3月12日の午後7時すぎに1号機の原子炉を冷却するため海水の注入に踏み切りました。
これに対して、東京電力から官邸に派遣されていた当時の武黒一郎フェローは、吉田元所長に直接電話し、当時の菅総理大臣の了解がまだ得られていないとして中断するよう指示しました。
しかし、吉田元所長は、海水注入を中断すると原子炉の状況はもっと悪くなると判断して注入を継続し、本店には中断したと事実と異なる報告をしています。
このいきさつについて、吉田元所長は政府の事故調査・検証委員会に、「この時点で水をなくすなんていうと、注水を停止するなんて毛頭考えていませんでしたから。なおかつ中止だったらどれくらいの期間を中止するのかという指示もない中止なんて聞けませんから、いつ再開するんだと担保のないような指示には従えないので、私の判断でやると」と証言しています。
そのうえで、当時の本店側に対して、「四の五の言わずに止めろと、そのときの電話だけはいまだに覚えていますけれども、それでやっていられないなと、私からするとそうなったわけです。だから論理根拠も何もないですから」と話し、現場の実情に合わない事故対応の在り方を厳しく批判しています。
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