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【吉田調書抄録(4)】1号機爆発「短時間のドンという振動」「どう生かすかが一番重要だ」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140821/dst14082113370010-n1.htm
2014.8.21 13:37 産経新聞
東京電力福島第1原発事故で、所長として現場の指揮を執った吉田昌郎氏の聞き取り調査をまとめた「吉田調書」。4回目は、1号機が爆発したときの吉田氏の証言をまとめた。
■想定していなかった
〈1号機は平成23年3月12日午後3時36分、水素爆発を起こし、原子炉建屋上部が大きく損壊した〉
−−どのように爆発を把握したのか
吉田氏「爆発については全然想定していなかった。免震重要棟にいたが、1号機は全然見えないんですね。線量が高いから外に出られないような状態で、誰も外に行って見ていない。その時に下から突き上げるような、非常に短時間のドンという振動がありましたから、また地震だという認識でおりました」
「現場から帰ってきた人間から情報が入ってきて、原子炉建屋の一番上が柱だけになっているという情報が入ってきて、何だそれはと。その後、けがした人間も帰ってきて。最初は原因が分からないという状況でやっていました」
−−爆発する前、炉心の状態はどのようなものだったか
吉田氏「格納容器の圧力が上がっていたわけだから、ベント(排気)しようということで操作したわけですよ。バルブを開けても圧力バランスでベントできない。もう1つは注水。この2本に絞って作業を傾注していた」
−−水素が発生しているという認識は持っていたのか
吉田氏「持っていました。ただし、格納容器の中にとどまっているので、まずは容器の圧力を下げないといけない。加圧している原因が水素であり、これをベントで逃してやらないと」
−−周辺では放射線量が相当上昇して、格納容器の中からどんどん漏洩(ろうえい)したという可能性が高かったのか
吉田氏「高いですね」
■今思えばアホだけど
−−水素爆発が意外だったというのは何か変ではないか
吉田氏「格納容器の爆発をすごく気にしていたわけです。今から思えばアホなんですけど、水素が建屋にたまるという思いがいたっていない。今回の大反省だと思っているけれども、思い込みがあって、あそこが爆発すると思っていなかった。所長としては何とも言えないですけれども」
−−徹底的に考えないと
吉田氏「今回のものを設計にどう生かすかという所が一番重要だと思っている。これからこの国が原子力を続けられるかどうか知りませんけれども、続けられるとすればそうですね」
−−爆発で損傷状況はどうなのか
吉田氏「作業をしていた人間が上がってきて、破片やがれきなどいろんなものが飛び散ってきていますと。電源車が使えなくなったという話もきて、消防車も注水が一時できないような状態になっている。
−−作業員はいったん退避させているという状態か
吉田氏「まずは安否確認です。とりあえず死んだ人がいないということでほっとしたが、一番近くにいたうちの保全担当が爆風で腕を折って帰ってきたんですね。そいつにどうなっているんだという話を聞いたら、もう大変ですよという話が入ってきた」
「次のステップとして一番怖いのは格納容器が爆発するんじゃないかということになるが、データを見ていると容器の圧力は爆発前後で大きく変わっていないわけです。格納容器は健全だったということなので、要するに可燃源はもうなくなっている可能性が高いと判断して、水を入れに行かないとどうしようもないので、人をどうするかという判断が一番悩ましかった」
−−電源車も使えない状態だったのか
吉田氏「新たな電源車をよそから注文して。これから先、山ほどいるでしょうから、手当たり次第送ってこいと注文はずっとしていた」
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