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福島第一 氷投入での止水失敗 新たにセメント投入へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014082002000145.html
2014年8月20日 東京新聞
東京電力福島第一原発の地下トンネルにたまる高濃度汚染水を抜き取るための凍結止水が難航している問題で、東電は十九日、トンネル内にセメントなどを流し込む新たな対策を実施する方針を明らかにした。水の流れをせき止め、凍結を促す狙いだが、うまくいくかどうかは未知数だ。
東電は、トンネル内の汚染水が海に漏れるリスクをなくすため、タービン建屋とトンネルの接合部近くに粘土などを詰めた袋をいくつも設置し、凍結液を循環させて氷の壁を造るはずだった。三カ月以上たっても凍らず、七月末からは大量の氷を投入しているが、うまくいかず、追加策を取る必要が出てきた。
この日の原子力規制委員会の検討会で、東電は、凍結が進まないのは、建屋とトンネルの間で汚染水の行き来があり、凍る前に水が流れてしまうからだと主張。
追加策として、粘土を詰めた袋と建屋の三十センチほどのすき間に直径三センチほどのホースを使って水中でも固まるセメントなどを流し込み、水の行き来をなくし、氷の投入と併用する方法を説明した。模擬試験を経て、九月中旬から始めるという。ただ、委員からは「すき間が残ったままセメントが固まったりしないか」「失敗した場合はやり直しがきかないのでは」などの疑問が続出。「泥縄式でずるずる行きかねない。発想を変えるべきだ」と、凍結以外の方法に切り替えないと、時間が無駄になるとの指摘もあった。
これに対し、東電の姉川尚史原子力・立地本部長は「汚染水を抜き取ってリスクをなくすためにも、今は凍結止水の方法に力を尽くしたい」と話した。
<福島第一原発と汚染水問題> 福島第一で進む数多くの汚染水対策は、それぞれが密接に関連する。地下トンネル対策と、1〜4号機を囲うように建設を進める凍土遮水壁の関係がその典型だ。トンネルは遮水壁のルートを横切っており、トンネルから水を抜いた後、上から穴を開けて凍結管を通す計画。トンネル問題が終わらないと、遮水壁計画も続けられない。遮水壁が完成しないと、建屋に流れ込む1日400トンの地下水を遮断できず、汚染水が増え続ける。汚染水は除染して一部は再利用できるが、残りはタンクにためるしかなく、増設用地は残り少ない。
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