あの震災の年の5月ごろ

80歳を過ぎた主人の兄が、いつも世話になっているからと、新聞紙に来るんだ大きな土産を主人に持たせてくれた。
開けてびっくり玉手箱
びっくりするほどデッカイ・・・・あれはまぎれもない福島のチタケ。
栃木のチタケは小さくて濃い茶色でまるでビロードを思わせる肌をしている・・が、
それはオード色のまぎれもない福島のデッカイチタケ・・・・・5000円くらいはしただろうと思われ・・・・・・

もちろん即行でゴミ箱行き。

「今度からはちゃんと真実をはっきり言って断りなさいよ」と言っても優柔不断の主人には出来ない。
何度も兄から危険な土産をもらってきたらしいが2度目からは私にナイショでこっそり捨てたそうだ。

知らなかったら自分でも食べちゃうから言ってやる方が親切なんだといくら言っても主人には言えない。

でも兄は固い人だから自分では高いチタケは食べなかったようだ、あれから3年半、まだ無事で生きている。

70歳代の主人の知り合いがやはりあの3.11後の夏頃だと思うが
「なぜか知らないけど今年は知り合いのキノコ屋さんが何回も大きな買い物袋でいくつもキノコをくれるから、あなたにもたくさん持ってきたわよ」と言った。

「・・・・・・・・・・・・ん〜〜〜・・・・・・ごめん！要らない。」
と言うと「宇都宮のキノコ屋さんの裏山で取れたキノコだから大丈夫だよ、私達ももうたくさん食べたよ、キノコは嫌いなの？」と言った。
私は正直にキノコの危険な事を話した。
その時も主人は「ブナシメジならハウス栽培じゃないか？」などとイイカゲンな口を挟んだ。
裏山のキノコだと言っているのに・・・・・。
結局断ったが5日後くらいに「山のキノコは危険なので食べないように」と地元の新聞に掲載された。

あれから何年後からだろうかその人のご主人はだんだん腕に内出血のアザが出来、今では常に、重なり合うほど無数になり、この頃では両の腕の見えるところは全部包帯をグルグル巻いている。
出血やリンパ液がジュクジュク出ているらしい。

その内出血が何のせいなのか、医者に行っても今もって分らないらしい。
本人は血液サラサラの薬のせいかな？と思っているらしい・・・・・
奥さんは同じ頃胃痙攣を起こしたと言っていた。

もしかして心臓か？と思ったが・・・・・・
結局私も何も言えなかった。

作るな取るな！