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「この審査は安全審査ではないのです」 小出裕章
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2014年08月02日11:21 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
20140802 R/F #082「小出裕章ジャーナル」【川内原発再稼働適合判断について】
「この審査は安全審査ではないのです」〜第82回小出裕章ジャーナル
湯浅誠:
今日は、各種報道でも大きく取り上げられました川内原発再稼働適合しているという風に規制委員会が下した判断ということについて、お伺いしようと思っております。
原子力規制委員会は、7月16日に鹿児島県にあります、九州電力の川内原発1号機と2号機ですね。原発の新規制基準を満たしているというふうに審査 結果を出しました。これによって、政権としては原発再稼働への動きを加速するんじゃないかというふうに言われておりますし、まあそうなんでしょうね。九州 電力は、今年の秋にも再稼働を実現したいとしているようなんですけれども。さて、まずは今回の規制委員会の安全審査のポイントはどこだったんでしょうか?
小出さん:
今、湯浅さんが安全審査のポイントとおっしゃいましたけれども、この審査は安全審査ではないのです。
規制基準というものが出来たのですけれども、元々は安全基準と言いたかった。でも、安全基準と言えなくて、規制基準ということにしたのです。ですから、安全であるかどうかを審査したのではないのです。
規制委員会の委員長である田中さんが、今回の川内のGOサインを出して以降に、「安全だと言ってるのではない」と、彼自身がはっきりと言ったように、安全なんていうことはもう確認できないと。規制の基準を決めた。
つまり、社会的にどこまでなら許せるかということの規制の基準を決めて、それだけはクリアしたと言ってるだけなのです。別に、安全になったわけでも何でもありません。それが一番大切なことだと私は思います。
湯浅:
となると、「規制」というのは何なんですかね。
小出さん:
要するに機械ですから、どんな事故も起きるということは当たり前なのです。原子力発電所というのは、とびきり膨大な危険を抱えた機械なのであって、それ が、時によっては大きな事故を起こしてしまうということは、言ってみれば当たり前のことであって、それを何とか少しでも起こらないようにしたいと言って、 規制の基準を決めたわけですけれども。でも、やっぱり起こってしまうかもしれないということは前提になっているわけです。
だからこそ、規制基準と決めた外側には住民の避難計画を立てろということも、また別に設定されているわけです。ただし、その住民の避難計画に関しては、規制委員会は何にもしなくてもいいということにされてしまっていて、規制委員会は、「私達は知りません」と、「ただ、この原子力発電所がある一定の基準を満たしたかどうかだけを判断しました」と言って、それで終わりにしてしまったわけです。
湯浅:
あの、まあ自動車も場合によっては人を轢くかもしれない。だけども、この規制基準を満たしてる自動車は、一般市道を走って、公道走っていいというふうに認めると。だからと言って、自動車が決して人を轢き殺さない。そんなことはあり得ないとは言えませんよということですね。
なんか、世の中の受け止め方、報道のされ方見ると、政権がそもそもそう取りたいというのがにじみ出てるからなんでしょうけども、この規制がOKになったから、「原発=動かすよ」みたいな感じがかなり強くにじみ出てきてるような気がするんですがね。
小出さん:
そうですね。要するに、問題は2つあると。まず、ひとつは今、湯浅さんが自動車のことをおっしゃって下さったわけですけれども、自動車というのは長い歴史があるし、たくさんの経験があって、どんな事故がどのくらいの頻度で起きるかということが経験的にわかるわけです。
ですから、対策ということもそれなりに考えられるわけですけれども、原子力発電所の破局的な事故というのは経験すらない。ほんのわずかな例しかないし、どんな形で、どのくらいの頻度で起きるかということは経験的に知ることが出来ないのです。 規制基準というようなものも、何とかそれを減らそうとしてるわけですけれども、でも、ほんとにどれだけ減らすことが出来るかすらが分からないという状態で、許可が出されてしまうという、そのまずひとつの問題があると思います。
で、もうひとつは、じゃあ起きた時にほんとに対策ができるのかということなのですけれども、もう福島の事故で十分に私は分かったと思うのですけれど も、ほんとに大きな事故が起きてしまうと、対策自身が取りようがないと。もうどうにも情報すらが混乱してしまうわけで、政府自身もパニックに陥ってしまっ て、適切な指示が出来ないということになりました。
実際には避難できなかった方がたくさんいたわけだし、特に病院にいた方とかお年寄りとか、逃げることが出来ない方々が犠牲になっていくということになったわけで。
「避難計画を作れ」と政府はそれぞれの自治体に対策を丸投げしてしまったわけですけれども、実際のことを言えば、たぶん対策は取りようがないだろうと思います。
湯浅:
その時の風向きひとつで、どこまでどういうふうに被害が広がるのか。広がったら、日本半分ぐらいは人が住めなくなるかもしれない。それぐらいの大きな被害をもたらすことの社会的に受任できる規制は一体あるのかということですね。
小出さん:
今は少なくとも、その30キロ圏内の自治体に対して、「避難計画を作れ」と言ってるわけですけれども、福島の事故を見れば分かるように、30キロなんかではとどまらなかったのです。40キロ、50キロも離れた福島県の飯舘村という所も猛烈な汚染を受けてしまって、今現在も全村離村になっているのです。事故直後にも飯舘村の人達に対しては、何の情報も与えられませんでしたし、被ばくさせられるままにされてしまったわけです。
これから、事故がどんな事故が起きるか、それすらがよく分からないわけですし、30キロでとどまるなんていうこと、そのこと自身がまずはおかしいと 思います。もっと広範な地域の住民に対して対策を取ろうと思えば、まずは、もう全く出来ないという事だと思いますし、そうであれば、原子力発電所の再稼働 そのものを、はやり私は止めるべきだと思います。
湯浅:
世の中には規制委員会がより積極的に関与して、再稼働するかしないかの権限自体、規制委員会に持たした方がいいんじゃないかという意見もどうもあるような んですけれども。私自身も規制委員会に権限を与えて、政治に逃げ道残すよりは、規制委員会はあくまで規制についての判断で、 再稼働するかどうかは、あくまで政治的な責任において決めてくれという方が、まだ責任の所在がはっきりするんじゃないかなというふうに感じるんですけれど ね。
小出さん:
そうですね。ただ、今の安倍さんなんかはそうじゃなくて、「規制委員会の判断に全てを任せる」というような事を言って、安倍さん自身は逃げようとしているわけですね。
湯浅:
あれはなんか、集団的自衛権の時に「全部私が決めるです!」と言ったのと違って、なんかごまかしてますよね。
小出さん:
はい、と思います。
湯浅:
はい、どうもありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no82/
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てっ、まずいじゃんか→「川内原発における圧力容器破損(中略)MELCORでは30分。格納容器スプレー開始まで49分で、30分で原子炉容器破損が起きたら、水が溜まっていない」
原子力規制委の審査「厳正でない」=元安全委技術参与 ロイター http://t.co/dnW0WM8eOR
— 福島原発事故記録チーム (@farchive2013) 2014, 8月 1
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