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住宅の庭先で行われる除染作業=2013年4月、福島県伊達市
除染、目安が消えた 「どう作業」自治体任せ 環境省方針、個人線量に重点
http://www.asahi.com/articles/DA3S11279029.html
2014年8月2日05時00分 朝日新聞
市町村が行う除染の進め方について、環境省は1日、住民一人ひとりが実際に浴びる個人線量を重視する新たな方針を発表した。福島県内4市から「これまで基準としてきた空中の放射線量にもとづく推計は、住民の被曝(ひばく)実態とかけ離れている」などと求められていた。ただ、具体的な基準は示さず、どこまで除染するかの判断は自治体に丸投げしたままだ。
■空間0.23マイクロシーベルト「目標でない」
方針は、国と福島、郡山、伊達、相馬4市の勉強会の中間報告としてまとめられ、環境省の井上信治副大臣が福島市で発表した。
国は、追加被曝の長期的な目標として年1ミリシーベルト未満を掲げる。これを一律の生活様式に当てはめると空間線量にして毎時0・23マイクロシーベルトとなるため、県内の多くの市町村はこの数値を除染目標と設定。住民の多くは安全の基準ととらえている。
今回、伊達市など除染作業が進む4市のデータをもとに、空間線量が毎時0・3〜0・6マイクロシーベルトの場所の住民で年1ミリシーベルト程度になるとし、0・23にこだわらなくても長期目標は達成できると指摘。「生活パターンによる差異が大きく、空間線量に基づく除染のみでは被曝線量低減に結びつかない」と、個人線量の把握が重要とした。
一方、毎時0・23マイクロシーベルトは本来、除染の状況を重点的に調査する地域を判断するためのもので、目標ではないと強調。住民に正しい情報を分かりやすく伝える必要があるとした。
国は今回の方針について「他の自治体にも参考になる」としたが、地元で要望の強い具体的な除染目標は示さず、個人線量をどう除染作業につなげるかの方法も示さなかった。環境省の担当者は「各市町村で除染の進度が違う。それぞれの状況に合うやり方をやってもらう」と話した。
(奥村輝)
■すぐ測れず、現場困惑
新たな方針は、除染の現場に困惑を広げそうだ。
自治体による除染を行っている福島県内の29市町村に先月、朝日新聞がアンケートをした結果、20市町村(69%)が0・23マイクロを除染の目標にしていると答えた。
除染の現場で空間線量が使われるのは、周辺住民の積算個人線量をすぐに測ることができないからだ。個人線量を重視するにしても、除染が十分に行われたかを知るには、その場で計測できる空間線量に換算した目安がなければ事実上、生かせない。一方、個人線量をもとに除染をすすめる場合、住民が暮らす地域の状況や生活様式に応じて、個人ごとに被曝を減らす対策をとらなければならないが、実現するのは難しい。
今回の方針に対し、県内の自治体からは「市町村の判断に委ねるのではなく、国が明確な基準を設定して欲しい」(白河市)、「個人線量と空間線量の関係について国が検証し、科学的に示して欲しい」(相馬市)などと、除染目標となる空間線量の設定を求める声が上がった。
(大岩ゆり、小坪遊)
◆キーワード
<毎時0.23マイクロシーベルト> 東電福島第一原発事故による個人の被曝線量を「年1ミリシーベルト」に下げるのが国の長期的な目標。これを、1日8時間屋外、16時間を木造家屋の屋内にいると仮定して1時間当たりの空間線量に換算すると毎時0.23マイクロシーベルトになる。国は、これより線量の高い地域の除染費用を負担している。個人線量の「年1ミリ」は、国際放射線防護委員会(ICRP)が原発事故後の復旧時期の線量参考値とする「年1〜20ミリ」の一番低い数値。健康影響が出るかどうかの基準ではない。
■市町村除染に関する新方針の骨子
<個人被曝線量を重視した対策>
・被曝線量を把握するため個人線量計を配布
・高線量の場所を避け、遮蔽(しゃへい)物を設置
・相談員制度などを利用し人材確保や育成を図る
<効果的な除染>
・線量に応じて除染作業実施を判断
・側溝など高線量地点への作業重点化による除染の加速。面的な除染は基本的にしない
<リスクコミュニケーション>
・除染に関する政府方針や科学的知見を正確かつ分かりやすく伝える
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