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日本の原発の安全神話の責任
7月25日の報道ステーションでオルキルオト3号機のことが取り上げられていた。フィルターベントはもちろん、格納容器の2重化やコアキャッチャーなどの安全対策がされているということが取り上げられた。そして、それに対して日本の原発での安全対策がされていないことも示された。そして、安倍首相が「世界で最も厳しい安全基準」というようなことを言われている場面も流された。
自分は、テレ朝がヨーロッパでフィルターベントが既に標準化されていることを取り上げたことに拍手を送りたいが、一部、誤解を与える部分もあるように思う。それは格納容器2重化やコアキャッチャーについてだ。これらはヨーロッパの基準でもまだ標準化はされていない。ほとんどの原子炉でこういった施策はまだ行われていない。多分世界でただ一つ完成した原子炉でコアキャッチャーを持っていた原子炉がドイツの高速増殖炉SNR-300で、結局稼働せずに廃炉にされている。航空機テロ対策の格納容器二重化もまだ稼働した原子炉では例がないと思う。実際、これらの設備を付けたオルキルオト3号機はまだ建設工事中だ。なお、欧州加圧水型炉(EPR)というのは、コアキャッチャーや二重化した格納容器を標準化したものだが、オルキルオト3号機を含めて現在まだ完成したものはない。
フィルターベントは格納容器にフィルター付きのベント設備を付けるもので、これがどの程度ヨーロッパで普及しているのかよく分からない。番組中ではチェルノブイリ事故後ヨーロッパでは標準化されたと言っていたがチェルノブイリ原発事故前に完成していた原子炉に追加工事で付けられているのかどうかよく分からない。
自分が気になるのは、日本の原発の安全対策がヨーロッパやアメリカに比べて10年遅れなのは、そういった状況が故意に産学官の共同で作られてきたからだということ。よりはっきり言えば、アメリカの植民地政策でそうされてきたということだ。政治の責任は当然あったと思うが、日本の状況でその責任を追及するのはかなり難しいと思う。
実際、2000年ごろに東京電力原発トラブル隠し事件が発生したが、あの時、GE社員であったケイ・スガオカ氏の内部告発を握りつぶしたのは東電と言うよりもGEだ。
自分は日本の原発安全神話を作った張本人は原発関係の学者ではないかと思っている。多分、高木仁三郎氏を除いて、本気で原発が危ないと活動された方はいないのではないかと感じている。ただし、原発の安全神話はとても根深い問題を内部に秘めているのであって、専門家の問題とか、政治の問題とか、または経済性の問題とか単純化できるものではないと考えている。しかし、この時期にテレ朝が原発の問題を取り上げたことは大変にいいことで、日本の安全基準が決して世界最高ではないことを明らかにしたというだけでもたいしたことだと思う。問題は、そういった問題提起が、原子力村の内部から出てこないことだと思う。
2014年07月26日00時35分 武田信弘 ジオログ(http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700)はヤフーブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700)へ移行しました。1225
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