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東電 福島第一原発がれき粉じん飛散防止対策公表 しかし効果は不透明 (福島民報)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=45374
7月 18th, 2014 Finance GreenWatch
東京電力福島第一原発で昨年8月、3号機がれき撤去作業により放射性物質を含む粉じんが飛散した問題で、東電は17日、飛散防止剤の散布回数を増やすなどの防止対策を発表した。福島県の廃炉安全監視協議会の視察で示した。
東電は早ければ今月中に1号機のがれき撤去に向け建屋カバー解体に着手する。東電は「飛散防止対策は改善された。問題ない」と説明するが、飛散防止剤散布などは抜本的な対策とは言えず、どれだけ効果があるかは不透明だ。
■対応を強化
福島第一原発で17日に行われた県廃炉安全監視協議会の現地調査。「(3号機とは)がれきの状況は違うが、難易度は高くない。経験を生かして作業を進める」。1号機の建屋カバー解体、がれき撤去に伴う放射性物質を含む粉じんの飛散防止策を説明する東電担当者は強調した。
東電が打ち出した飛散防止対策は、飛散を防ぐ薬剤散布回数を増やすほか、散水を行い、粉じんが舞い上がるのを抑制する内容だ。
大型がれきを切断する場合などに粉じんが生じるとして、局所的にも飛散防止剤を散布するという。建屋上部の3階開口部はゴム製の膜で覆い万全を期す。強風も想定し、建屋回りへの防風シート設置も検討している。
ただ、抜本対策とみられていた建屋カバー全体を覆うコンテナの設置は工期の長期化などを理由に見送られた。屋外での作業となる以上、気象条件によっては放射性物質が再び飛散するリスクを抱える。
■相次ぐ懸念
東電の実施する粉じんの飛散防止策のみで、放射性物質が飛ぶのを食い止められるのか−。県廃炉安全監視協議会の専門委員は効果を疑問視する。
「散水した水が乾いたらどうするのか」「風向きや風の強さを考慮すべきだ」。現地調査では東電の対応の不十分さをただす発言が相次いだ。いずれの飛散防止策も抜本的な対策とは言えず、原発敷地内に放射性物質を封じ込める効果が不透明なためだ。
1号機の建屋カバーの解体は昨年、原子力規制委員会が認可しており、県は安全な作業を求める立場だ。県の酒井広行原子力安全対策課主幹は東電に対し飛散防止対策について、県民に丁寧に説明し、不安を取り除くよう申し入れた。
県は周辺市町村と連携して第一原発周辺の大気中の粉じんの調査や空間放射線モニタリングを徹底し、放射性物質飛散の有無を監視する考えを示した。
■健康影響なし
東電は3号機のがれき撤去に伴い、1時間当たり1000億〜1兆ベクレルの放射性セシウムを放出したと試算した。約20キロ離れた南相馬市で1平方センチ当たり0・04ベクレルが沈着したと見積もり、放射性物質の飛散を認めている。
一部の県民はがれき撤去作業に伴う放射性物質の飛散に不安を抱く。ただ、福島医大放射線医学県民健康管理センターの丹羽太貫(おおつら)国際連携部門副部門長理事長付特命教授は、「限りなく微量で、人体に全く影響がないレベル。何の健康被害も生じない」と強調する。「飛散防止対策は必要だが、あまり過剰反応すべきではない」とした。
背景
東京電力福島第一原発3号機で昨年8月、がれき撤去作業に伴い放射性物質を含んだ粉じんが飛散した。農林水産省は南相馬市で昨年秋に収穫されたコメから食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことについて、粉じんの飛散が原因の可能性があるとして東電に対策を求めた。
東電は「因果関係は不明」としている。また、京都大の小泉昭夫教授(環境衛生学)のチームは福島第一原発から北西に約48キロ離れた相馬市で、粉じんが飛散した時期に通常の6倍を超える1立方メートル当たり1・28ミリベクレルの放射性セシウムが検出されたとする調査結果をまとめた。
http://www.minpo.jp/news/detail/2014071816924
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