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福島全県民に線量計配布、人体実験への批判で拒否が相次ぎ、被爆データ収集ピンチ(7/13 福島民報)
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Monday, July 14, 2014 Monday, July 14, 2014
■全住民対象に開始13市町村
環境省は個人被ばく線量を基に新たな除染方針を策定するが、平成26年度内に全住民を対象とした被ばく量測定事業を開始するのは県内で13市町村にとどまる。福島民報社の12日までの調べで分かった。事業に対する住民の関心が低いとして計画を中止したケースも多い。このままでは基礎データ収集が不十分となり、実態に即した除染方針が策定されるか疑問だとする指摘が出ている。
■複数見送り
環境省は新たな除染方針を策定するため、幅広い年代層、職種から外部被ばく線量のデータを集めたい考えだ。同省の動きを視野に県は26年度、市町村が行う個人線量計の測定事業に対する補助制度の内容を拡充。これまで「15歳以下と妊婦」としていた制限を外し全住民に広げた。
一方、復興庁は26年度、全住民を対象に市町村が実施する測定事業を福島再生加速化交付金制度の対象に加えた。
県の補助を受けて全住民を対象に実施するのは10市町村、国から交付金を受けるのは3市町村の計13市町村で【表】の通り。二本松市は40歳までを対象に実施する。
一方、27市町村は昨年度末時点で、県の補助を受け全住民を対象に実施する計画だった。住民に個人線量計を携帯し外部被ばく線量を測定する意思はあるか聞いたところ、「関心がない」などとする意見が多く実施を見送ったケースが複数ある。
ある市の担当者は「東京電力福島第一原発事故から3年4カ月が経過し、放射線に対して過敏になる人が徐々に減っているのではないか」と分析している。
環境省は今月中にも、個人被ばく線量を活用した新たな除染方針を示す方針。
その後、個人線量計で県民が測定した数値を基に、除染目標を示したい考えだ。しかし、肝心のデータが集まらなければ、目標値を公表する時期がずれ込む可能性も出る。
環境省放射線健康管理担当参事官室は「なるべく多くの人に実測値を知ってもらいたい」と訴えているが、測定者を増やす対策を打ち出せていない。
■申し込み30件
猪苗代町は全住民を対象に測定事業を開始したが、成人からの「個人線量計を借りたい」とする申し込みは30件程度にとどまった。町の担当者は「ここまで要望が少ないとは…」と困惑している。
県関係者は「さまざまな外部被ばくのデータをより多く蓄積するのが理想」との認識を示し、実態に即した除染方針が策定されるよう環境省と協議を進める考えだ。
■いまさら…
福島市は今月に入り、全世帯に個人線量計を貸し出す案内文を郵送した。
市内の男性会社員(46)は「原発事故直後に、もっと県民の健康を心配してほしかった」と明かす。市役所から届いた茶封筒を眺め白けた気持ちになったという。
市は放射線に対する市民の関心を高めるため、医師ら専門家を迎えた講座を市内各地で開く予定。担当者は「個人被ばく線量のデータは今後の除染方針に反映される。重要性を訴えていきたい」と話している。
◆全住民を対象に外部被ばく線量の測定事業を開始する市町村=福島、須賀川、相馬、田村、南相馬、桑折、猪苗代、矢吹、富岡、浪江、天栄、玉川、中島
■背景
環境省は放射線防護のための長期目標として個人が受ける年間の追加被ばく線量を1ミリシーベルトに設定している。同省は年間1ミリシーベルトを毎時0・23マイクロシーベルトと換算し、0・23マイクロシーベルト以上の地域を汚染状況重点調査地域として指定した。県内で40市町村に上る。ただ、0・23マイクロシーベルト以上の地域でも個人の年間追加被ばく線量は1ミリシーベルト以下になるケースが多いことが分かった。このため同省は、個人の被ばく線量に則した地域の除染方針を新たに策定する。
http://www.minpo.jp/news/detail/2014071316833
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