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産経から
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140708/dst14070801190003-n1.htm
原発新基準施行1年、遅れる規制委審査 事業者と相互不信深刻
2014.7.8 01:19 (1/2ページ)
原発の新規制基準の施行と同時に始まった原子力規制委員会による安全審査が、8日で丸1年を迎える。当初「半年」を目安にしていたが、審査は大幅に遅れ、電力需要のピークになる8月までの再稼働は絶望的だ。優先的に審査が進む九州電力川内原発(鹿児島県)でも、再稼働は今秋以降の見込み。何が審査を遅らせているのか。
「事業者がきちっと対応してくれればもう少し早くいったかなという思いがある。福島第1原発事故が起こった事実を厳しく受け止めるという姿勢に欠けているから、そこに(規制委と事業者の間に)温度差があったのかもしれない」
規制委の田中俊一委員長は審査から1年を迎えるにあたってこう語った。
審査は昨年7月8日に始まり、計12原発19基が審査中。今月7日までに計122回の公開審査会合を数えたほか、毎日のように事業者から申請内容を聴取している。会合の中では、事業者の準備不足に規制委から厳しい指摘が相次ぐ。
先月下旬に開かれた会合では、規制委の更田(ふけた)豊志委員が東北電力に対し「とりあえず申請して、議論の中でクリアできるレベルを探るという姿勢では困る」と憤りをあらわにした。東通原発1号機(青森県)を申請した東北電は、安全性に関わる具体的な数値を求める規制委側に対し、「検討中」と繰り返したからだ。
特に福島の事故後、自然災害に対する規制が大幅に強化されたため、地震の揺れの想定値(基準地震動)や想定される津波の高さ(基準津波)の準備不足が目につき、ほとんどの事業者が会合の中で、数値の修正を繰り返している。
ただ審査の遅れについては、事業者側にも言い分がある。規制委の審査体制が約90人と不十分なため、現在は川内原発に集中し、すでに大きな課題をクリアした原発でも審査がストップしているからだ。
さらに審査の中では、新基準や審査ガイドにはない規制委側の個人的な見解が披露されることもある。
関西電力大飯、高浜原発(いずれも福井県)の地下構造が取り上げられた際には、規制委の審査官が「私見になってしまうが」と断りを入れた上で、震源の深さ3キロの見解を出し、事業者側が縛られた。
ある事業者は「学会レベルでも見解が確立されていないものまで要求され、何が科学的な見解か前もってはっきりさせてほしい」と審査への不満をぶつけた。(原子力取材班)
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