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20140705 R/F #078「小出裕章ジャーナル」【原発のない夏は電力が足りないって本当?】
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原発のない夏は電力が足りないって本当?「火力発電所と水力発電所が膨大にありまして、いついかなる時にも原子力なんて全く不要なのです」〜第78回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no78/
2014年07月05日 「ラジオフォーラム
湯浅誠:
今日のテーマは、『原発のない夏は、電力が足りないって本当?』という話なんですけれども。2011年の東日本大震災後、初めて原発のない夏を迎える今年の夏と。意外ですが、去年は大飯原発の3号機と4号機は動いてたんですかね?なので、今年が本当の意味でゼロ。そういう夏だということなんですが、その中で関西と九州で電気の供給が綱渡りになりそうだということを、これ関電と九電が言ってんですかね?それは、どういう話なんでしょうかということですが。
小出さん:
関西電力という電力会社は、日本の電力会社で一番に原子力比率が高かったという会社なのです。つまり、原子力発電に重きを置いてしまって、原子力発電におんぶしてきたというそういう会社なのですね。その会社が全ての原子力発電所を動かせないということになるわけですから、もちろん厳しいのは当然なのです。
ただし、何度も私聞いて頂いたはずだと思いますけれども、日本というこの国では、火力発電所と水力発電所が膨大にありまして、いついかなる時にも原子力なんて全く不要なのです。例えば、関西電力が少し電気が足りない時には、他の電力会社から融通を受けるということも勿論できるわけですので、「足りない、足りない」と言いながらも、実際は全く問題がなく乗り越えられます。
湯浅:
そもそもね、この3年間「もうなくなったら原発を動かさなかったら絶対無理だ」という雰囲気がありましたけど、結局乗り切ってきましたもんね。
小出さん:
もちろんです。去年だって大飯の3号機、4号機が動いていました。合わせて270万キロワット分ぐらいが大飯の3号機と4号機なのですけれども、それを動かすことによって、関西電力は300万キロワット分の火力発電所を停止させていたのです。去年だって、別に大飯なんか要りませんでしたし、今年だってなんでもなく乗り切れます。
湯浅:
じゃあ、去年だって270動かす分、300火力を止めていただけで、300の火力を動かしていれば、去年だって問題なかった。
小出さん:
なんでもなかった。
湯浅:
不要だった?
小出さん:
そうです。
湯浅:
なんで、また今年は電力の供給が綱渡りだと、関電と九電が言ってるんですか?
小出さん:
まあ、原子力発電所、先ほど聞いて頂いたように、関電の場合には主力だったわけですから、それが動かなくなるということはもちろん、電力会社としては運営が大変になるわけですね。
ですから、老朽火力と言われてるような火力発電所もこの際、動かさざる得なくなるわけですし、「燃料代がいるぞ」とかいうような事も関電は言ってるわけで、「出来るならば原子力を動かしたい。動かしたい。」と彼らは思っているのですね。ですから、事ある毎に「足りないぞ、足りないぞ」という脅しの伝令を流すということだと思います。
湯浅:
まあ、ずーっと小出さんおっしゃってるように、もともと火力・水力で足りてるんだって事をずっとおっしゃってますもんね。
小出さん:
そうです。それは、もう政府の統計データがそれを示していますので、私が言うような事ではなく、充分に足りるのです。
湯浅:
そもそも足りなくなるかもしれないっていうのも、もの凄い狭い時期の話なんでしょ?真夏の…。
小出さん:
そうです。そうです。最大需要電力量というのが発生する時があるのですが、真夏の数日間の、また午後の数時間という。本当にわずかな時に、電気を沢山使うという時が来るのですけれども、その時ですら実は足りてしまうのです。
湯浅:
なんか今年は、東京電力から電力を分けてもらう。
小出さん:
まあ、そういう計画になっていますけれども。本当にそんな事をしなければいけなくなるかどうかも私は疑問だと思っています。
湯浅:
なるほどね。「やっぱり原発ないと困るね」という雰囲気を作るためのから騒ぎの傾向があるんじゃないかという事ですね。それでも、東電は黒字になるんですか?東京電力の話ですね。
小出さん:
と言ってますね。誠に呆れた話だと思いますが、福島第一原子力発電所の事故を起こしてしまって、その事故をキチッと精算する、あるいはその住民の方々に賠償するということをするのであれば、東京電力なんて何十回倒産しても足りません。
そのツケを住民達に負わせる、あるいは国から支払わせてるということであって、東京電力は、本当であれば倒産させなければいけないのです。その会社が黒字だなんていうのは、本当に呆れたというかですね。この国のひどい政治の在り方だと私は思います。
湯浅:
なんか、その発電しない原発に基本料というのも払ってるんですか?
小出さん:
日本にはですね、原子力発電所が1966年から動き始めたのですが、その時には、ひとつひとつの電力会社がそれに手を付けることが怖かったのです。そのため、日本原子力発電という会社をですね、それにみんなが集まって作ったのです。
その会社が東海第1原子力発電所と福井県の敦賀にですね、敦賀第1、第2というのを作ってきたわけですけれども、今みんな止まってるわけですね。そうすると、日本原子力発電株式会社という会社は、一切の営業活動をしていないわけです。ですから、本当は収入がないはずなんですけれども、電力会社が寄ってたかって原子力発電にお金を払ってですね、基本料という形でお金を払って、日本原子力発電の倒産を防いでいるという事をやっているのです。
湯浅:
東電とか九電とか関電が日本原子力発電にお金を払っている。その払ってるお金は我々の電力料金に上乗せされている。
小出さん:
そうです。それぞれの、湯浅さんだったら多分、東京電力でしょうか。私だったら関西電力から電気を買ってるわけですけれども、その料金に含まれてしまっているわけです。
湯浅:
資本主義の論理で動いてるわけじゃないって事ですね。
小出さん:
もちろんです。原子力というのは、もともと資本主義の論理では動いていないのです。ですから、大きな事故が起きたって、普通の企業であれば自分で責任を取るわけですけれども。原子力に関する限りは、責任取ろうとすれば会社が潰れてしまうということ分かっているわけですから、初めから『原子力損害賠償法』という法律をわざわざ作って、資本主義の原理から排除し例外を作ったのです。
湯浅:
だから、まあ言ってしまえば法律も関係ないと。
小出さん:
もちろんそうです。動こうと動くまいと、どんな事をやっても儲かりますよということで、電気事業法の中で「総括原価方式」というのを作って、電力会社は原子力をやればやるだけ、とにかく儲かってしまうという仕組みを作ったのです。
湯浅:
なるほど。 そのなんかその例外ぶりが、小出さんの言う「原子力マフィア」という言葉に結び付くわけですからね。
小出さん:
そうです。
湯浅:
いや、ありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
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