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甲状腺検査を受ける女児(映画「A2−B−C」から)
突然大量の鼻血を出して倒れる子ども、胎児への影響を恐れて中絶する女性、子の健康案じて米監督が記録映画(7/4 東京新聞)
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Saturday, July 05, 2014 東京江戸川放射線
東京電力福島第一原発の事故から一年半後の福島を記録した映画「A2−B−C」が五日、東京都台東区谷中で上映される。今も子どもたちの健康に不安を抱え、ことさらに「安全」を強調する国や行政に憤る親たちの生の声を撮り続けた。イアン・トーマス・アッシュ監督(38)は「現状を告発した勇気あるお母さんたちから、大事な思いを託された」と話す。(原尚子)
タイトルのA2は甲状腺検査で二十ミリ以下ののう胞(腫瘍の一種)または五ミリ以下のしこり、Bはそれ以上の大きさ、Cはすぐに二次検査が必要な状態を示す。
米国人のアッシュさんは日本在住十三年。震災翌月の二〇一一年四月から現地を取材し、原発の警戒区域(当時)周辺の二十〜三十キロ圏で暮らす人々を記録した映画「グレーゾーンの中」で、米国ロードアイランド国際映画祭の新人監督賞と観客賞を受けた。
一年半後の一二年九月、再び福島入りして状況の変化に気づく。放射能に目をつぶる人と、不安を抱き続ける人。地域、家族間でも考えに違いが生まれ、子どもたちの甲状腺にはのう胞が見つかり始めていた。「新たな映画にするべきだ」。一三年一月まで毎月一週間ずつ、南相馬市や伊達市で取材した。
カメラは除染後の校庭を駆け回る子らを追う。母親が学校の敷地の外で線量を測ると、映像に映った数値は毎時三五マイクロシーベルト。一般の被ばく許容限度とされる毎時〇・二三マイクロシーベルトの百五十倍だ。それでも安全と主張する教諭たちに、母親は不信を感じながらも「自分が間違いなのか」と惑う。
突然大量の鼻血を出して倒れる子ども、胎児への影響を恐れて中絶する女性−。国や行政から出てくる情報が次第に減る中、出演した母親たちは周囲からの非難をも顧みず、福島の「今」を訴える。
アッシュさんもまた、声を上げる人が減ったことに危機感を覚える。「健康被害が表に出なくても、子どもたちの一生は変わってしまった。仕事としてではなく、ライフワークとして撮り続ける」
上映は午後四時から、谷中三の一七の一一の「谷中の家」で。千円。要予約。申し込みは、主催の地元住民グループ「ひがし広場」ホームページ(HP)か、メンバーの植松さん=電090(1265)0097=へ。
関東各地でも上映を予定している。詳細はHP(映画のタイトル「A2−B−C」で検索)で。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014070402000241.html
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