賠償なく厳しい生活　福島　原発事故の自主避難者(7/2 日本農業新聞)
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Thursday, July 03, 2014　東京江戸川放射線

　東京電力福島第１原子力発電所事故による自主避難者が、経済的、精神的な苦悩を募らせている。事故から７月１１日で３年４カ月と、避難生活が長期化していることに加え、自主的な避難のため十分な支援が受けられないためだ。農業経営や子育ての環境などさまざまな要因から、古里に戻るかどうか答えを出せずにいる人も多い。行政は避難者の実態を把握しきれていない。専門家は、震災からの復興に向けて、自主避難者に対する支援の在り方が大きな焦点になると指摘する。

・支援の在り方焦点

　石川県七尾市で農業用施設やかん水装置の施工で生計を立てる國分剛さん（３６）は、妻の聡美さん（２９）と２人の子どもと７月下旬、古里の福島県南相馬市原町区に戻ることに決めた。「今の状態で子どもを養っていくのは難しい。生活が成り立たない」。剛さんは険しい表情で語る。

　國分さんが暮らしていた地域は２０１３年４月以降、東電から精神的被害の賠償金を打ち切られた。直近の１２年９月から１３年３月までは１人当たり一括２０万円に加え、高校生以下には月額５万円が支払われていた。現在の収入は月２０万円に満たない。母親は福島に残っているため、二重生活の負担が重くのしかかる。

　福島では水道関連事業の会社を経営しながら、伝統行事「相馬野馬追」に出る馬の飼育や牧草の栽培をしていた。原発事故直後、知人のつてを頼るなどして石川県に家族と移住。子どものことを考えると古里には戻れなかった。聡美さんは「帰る、帰らないで何度も夫ともめてきた。同世代でまだ帰っていない人も多く、迷いもある」と胸の内を明かし、こう続けた。「不安でいっぱいだが苦渋の決断をした」

　福島の自宅は原発から２４キロの場所にある。４キロ先の２０キロ地点は避難指示区域のため、賠償金が支払われる。国の決めた線引きに、國分さん夫妻は納得できないでいる。「事故から３年が過ぎ、世間は東京五輪やワールドカップで騒いでいる。被災者は置いてけぼりになっている」と感じる。

　福島県が４月末に実施した自主避難者を含む避難者６万２８１２世帯を対象にしたアンケート結果によると、震災発生時に家族と同居していた世帯のうち、半数近くの４８．９％が２カ所以上に離れて生活していることが分かった。避難後、心身の不調を訴えるようになった人がいる世帯は６７．５％に上る。

　ふくしま連携復興センターによると、１月時点の自主避難者はおよそ３万５０００人。多くは子どものいる若い世帯で、東電からの賠償金は打ち切られている。しかし、県は「自主避難者は住民票を異動していない人も多く、把握が困難」（避難者支援課）として実態をつかめていない。

　一方、５月には自主避難者が東電に損害賠償を求めて提訴し、地裁が支払いを認める仮処分を決定するなどの動きも出始めた。福島大学うつくしまふくしま未来支援センターの佐藤彰彦特任准教授は「避難指示区域以外の自主避難者をどう支援するかは、今後の復興に大きな焦点となる。既に帰郷した人への支援と並行し、自主避難している人の状況をもっと国民が知り、支えていく必要がある」と指摘する。

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28528

コメント
01. 2014年7月03日 22:39:18 : 1ioo7h1uY6 ■人権が踏み躙られてるこんな時 　日本弁護士なんとかは 　何やってるのだろう 　野党は何やってんだろう
02. 茶色のうさぎ 2014年7月04日 10:01:24 : qtmOTsgWNIsK2 : y2etv6BcKk ほんとうに、ひどい！ せっかく逃げたのにーーっ。 無能な野党、共産党や弁護士、って。。。いったい何なの？？？？
03. 2014年7月04日 19:53:02 : kiWL8VFdm2 逃げない被害者を、加害者と被害者の区別がつかなくなって罵倒している人々がいるが、これが実情というものでしょう。 きちんとした避難支援がないため、被害者が過大な負担を強いられているのが現実。 地方に住んでいる人の多くが、財産の大半、あるいは生活基盤の大半をその地域に置いています。 サラリーマンやOLが大半の都市生活者とは、そこが大きく違います。 ＞「今の状態で子どもを養っていくのは難しい。生活が成り立たない」 多くの人々が、そのような苦境を強いられています。 また、家を建てた人たちは住宅ローンを背負っているし、自営業の人たちは事業のための借金を抱えています。 東電の補償をもらっている人たちは、原発立地地域のごくごく少数の住民であって、大半の人たちは補償はほとんどゼロですし、住宅ローンの免責もなければ、それどころか汚染された土地や建物の固定資産税さえ、補助もされずに事故前と同じように請求されます。 この記事の方のように、２０１３年４月まで２０万円ももらえていたのならまだいいほうで、全然もらえなかったり、一回だけ8万程度をもらえたとか、そんな方々のほうが大半です。 農作物も放射能汚染を心配して作らなければ補助金も出ないし、作ったものが基準値以下ということになったら出荷して商売しなければ生活が成り立ちません。 被害農家は補償しないくせに、汚染されなかった地域へは相変わらず減反補助金がでて、非汚染地域の農産物生産を増やそうともしていません。 復興の名目で集めた税金は、被災地ではない沖縄や西日本にまでばらまいて使ってしまう。 このような政府と行政の非人間的な対応しか為されない状況の中で、被害者として普通に避難できて、普通に避難生活を続けられる人々はごく一部の人々であり、大半の被害者は、避難していてるしていないに関わらず、過酷な生活を強いられています。 自殺者が増えるのも当たり前です。 政府と東電が得をしたり責任逃れをするために、それこそ電気というメリットさえなかった無辜の住民が、原発の害とデメリットの大半を押しつけられているのです。
04. 2014年7月04日 20:43:33 : 6LCEne7AWw 現佐藤知事に投票した罰だ。 税金で補償なんてタカリか？
05. 茶色のうさぎ 2014年7月04日 22:06:40 : qtmOTsgWNIsK2 : y2etv6BcKk 子ども・被災者支援法を、骨抜きでなく活用するのでは？ 社民党の福島瑞穂も内容を充実すると言ってましたけど。なにやってんだかね！アホ？ 民主党の荒井聡衆議院議員の、へらへら笑った動画を観るとぶんなぐりたくなります。 http://www.at-douga.com/?p=10101 ＞０３さんのコメントに感動しました。同感ですね。
06. 2014年7月05日 01:09:00 : QaEyUXtyMM 地元の人は基本的に被害者だと思うが、原発立地に反対する人を押しつぶして原発を誘致した人は被害者とは単純に言えない。特に地方議員はほぼ全員加害者の要素はある。 ついでに言えば佐藤栄佐久元福島県知事の冤罪に加担したマスコミ、さらに原発安全を宣伝してきたマスコミは完全に加害者側だ。
07. 2014年7月05日 13:09:27 : LKPFR1lXXA 原発推進に直接の責任がある、立地自治体の住民の補償はそろそろ打ち切るべきだ。 大熊とか双葉は解散しろ。

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