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あきれること ヨウ素剤を飲む医師とその家族
http://takedanet.com/2014/06/post_aab0.html
平成26年6月27日 武田邦彦(中部大学)
実を示すのにあまり詳しく書かなくても、その全貌がわかるものがある。その一つに「原発事故直後の福島の医師の行動」があり、あまりにはっきりしているので「あきれた」と言うことができるだろう。
原発が爆発して放射性物質が大量に福島に流れた時、政府、福島県、福島医大はそろって「大したことはない。子供が病気になることはない」と言い、文科省は被曝限度が1年1ミリであることを知っていながら「1年20ミリ」と言い、さらにNHKは事故直後には「被曝限度は1年1ミリ」と言いながら、少し後にはまったく言わなくなった。
そんな中、福島の医師団は調査や治療を開始するにあたって、「被曝が危険だから」ということで4000錠とされる「ヨウ素剤」を配布し、医師およびその家族が服用した。しかし、住民には「安全だからヨウ素剤を飲む必要はない」と自治体と口裏を併せて、投与しなかった。
自分と家族は危険だからと言う理由でヨウ素剤を飲み、自分の患者(もしくは予防が必要な人たち)には「大丈夫」というような人は「医師」ではない。医師は身分が独立し、職業的にも保護されているのは、「命」というもっとも大切なものを守るために、収入、地位、お金などに影響されないようになっている典型的な専門職なのだ。
医師は、たとえ医療機関の理事長から「高い薬を使え」と言われても、患者のためにベストの薬を選ぶという存在だ。1)長期間、高度な医学と医療を学び、2)不特定多数(患者および社会の人)に対して忠誠を誓う、ということであり、それでこそ、社会から尊敬され、保護されている。
福島のこのヨウ素剤の服用について、その事実を医師自らが明らかにし、反省すべきなら反省し、適切だったならその理由をのべ、今後、日本の医師として日本国民とどのような関係を保つのか、声明を発する必要がある。
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