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凍結による地下トンネルの止水実験。セメントなどを詰めた袋が凍って壁状になるはずだったが、難航している=東電提供
凍らない「凍土壁」早くも黄信号、地下トンネル、高濃度汚染水抜き難航(6/26 東京新聞)
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Thursday, June 26, 2014 東京江戸川放射線
東京電力福島第一原発の汚染水対策の柱として、政府が三百二十億円の税金を投じる凍土遮水壁に、着工から三週間で黄信号がともっている。海側の建設ルート上を地下トンネルが横切っており、中の高濃度汚染水を抜かないと凍土壁は造れない。その水抜き工事が難航しているからだ。 (小倉貞俊)
問題のトンネルは、2号機タービン建屋から海側の取水口付近に延びる。二〇一一年の事故発生当初、大量の汚染水が海に漏れたルートだ。近くのトンネルと合わせると、今なお一万トンを超える汚染水がたまっている。
二十五日の原子力規制委員会でも、福島第一が抱える当面の最大の懸念は、トンネル内の汚染水との認識で一致した。
凍土壁を造るには、まず建屋からトンネルへの水の流れを遮断し、トンネル内の汚染水を抜いてセメントを充填(じゅうてん)する。水漏れの危険をなくしてから、トンネルごと地中に穴を開け、凍土壁用の凍結管を入れる必要がある。
東電は、建屋とトンネルの接合部にセメントなどを詰めた袋を並べ、凍結管を入れて“ミニ凍土壁”を造成。接合部が凍っている間に水抜きなどの作業を進める計画を立てた。
だが、凍結液を流し始めて一カ月半もたつのに、ほとんど凍っていない。
実証試験は成功したが、実際の現場では水の流れがあり、凍る前に水が入れ替わってしまうのが原因だった。東電は凍結管を増やしたり、水流を緩めるなどの対策を試みたりしているものの、状況は改善しない。
このまま問題が解決しないとどうなるか。凍土壁を造る凍結管をトンネル部分だけ避けて設置すると、トンネルの幅は約四メートルあるため、巨大な隙間ができて壁は完成しない。水抜きをしないままトンネルに穴を開けると、凍土壁はできても地中や海を汚染する。
東電は、建屋の接合部が凍らない場合、トンネル内にセメントを少しずつ充填しながら、水を抜くことも検討している。ただ、この工法は、作業員の被ばくリスクが高まるなど大きな危険を伴う上、確実にトンネルがふさがる保証はない。
規制委の田中俊一委員長は、今回の水抜き作業が難航していることについて、「福島第一のような(厳しい環境の)所は試行錯誤的に多重性を持って考えておく必要がある、との教訓ではないか」とし、複数の対策を試みる必要があるとの考えを示した。
<凍土遮水壁> 1〜4号機の周りに1550本の鋼管を地下30メートルまで打ち込み、マイナス30度の液体を循環させて土壌を凍結。壁のようにして地下水の動きを封じ込め、建屋への地下水流入、建屋からの汚染水流出をブロックさせる狙い。今月2日、1号機近くで着工、本年度末の完成を見込んでいる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014062602000158.html
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