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吉田調書を通じて見えるもの 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7737843.html
2014年06月22日18:47 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
石井:
今日は以前、朝日新聞にいらした、現在ジャーナリストで、現在デモクラTV代表の山田厚史さんにも加わっていただきます。
山田さん:
よろしくお願い致します。
小出さん:
山田さん、よろしくお願いします。
石井:
今日は、先月5月20日付の朝日新聞が朝刊の1面に掲載した独占スクープ「吉田調書」についてお伺いしたいと思うのですが。この吉田調書は簡単に説明すると、政府事故調査検証委員会が東京電力福島第一原発の最高責任者だった吉田昌郎元所長。
残念ながらお亡くなりになりましたけれども、を聴取した聴取結果書を巡っていろいろな問題が指摘されているという状況です。この吉田調書について、まず小出さんはどんな風にご覧になってらっしゃいますか?
小出さん:
はい。私自身は、あの当時の事故の経過をそれなりに注意深く情報を集めながら判断をしてきましたので、吉田さんが書かれたというか、調書に応じて話されたということの内容自身は、特別不思議なことでも何でもないと思います。
ただ、今改めて吉田さんの調書を読むとですね、当時がもの凄い緊迫した状態だったんだなと。何かもう3年経って皆さんすっかり忘れてしまっているように私には思えるのですが、ほんとに酷い事故があの当時起きていて、吉田さんも含めて生きるか死ぬかの瀬戸際で何日もの苦闘を続けていたということが改めてひしひしと伝わってきました。
石井:
なるほどね。現実に、所員の9割が福島第二原発に逃げていて、現場には約1割ぐらいの人達しか対応ができない。その時に、1号機・2号機・3号機でいろいろなことが全部起きてくる。当然、対応ができない。つまり、吉田さん自身がこの調書の中で、「チェルノブイリ級ではなくてチャイナシンドロームだ」というような感想ももらしているという風に朝日は報じています。
チェルノブイリよりさらにひどい事が起きる。つまり、もはや自分たちでは制御できないものに私達は手を付けてしまったという事がこれを読むとよく私は分かると思うんですが。
小出さん:
はい。吉田さん自身はおそらくそうなるかもしれないという危機感の中で、どうすれば所員を少しでも被ばくから守れるか。
そして、一方では何としても事故を終息させなければいけないという、本当に二律背反ですね。その中で、一刻一刻どうすればいいかとか考えていたのだと思いますが、東電本社が全然頼りにならないという中で、彼はやらざるを得なかったという立場だと思います。
石井:
なるほどね。山田さんから、ご質問があれば。
山田さん:
あの時に、東電の本社では撤退するって話がありましたよね?
小出さん:
そうでした。
山田さん:
結果的に、あの時に吉田さんは頑張ったんですけども、くじけちゃって浮き足立ってみんな逃げちゃったら、どんな事になったんでしょうかねえ?
小出さん:
はい。吉田さんの確か調書の中にあったと思いますけれども、ずーっとあの時、注水をしなければいけないということで、1号機・2号機・3号機、あるいは4号機に水を入れようとしていたわけです。
なんとかその作業をずーっと維持できたからこそ、今の段階でとどまってるわけですけれども、あの段階で、福島第一原発の作業員がみんな逃げてしまうということになれば、注水自身が全くできなくなるわけですから、これまででも出てきた放射性物質は大量ですけれども、それ以上の放射性物質がたぶん吹き出してきたということになったと思います。
石井:
なるほどね。それと、もうひとつ小出さん、そのドライベントを準備せざるを得なかった。格納容器の圧力が高くなったために、高濃度の放射性物質を3号機から空中に出そうとしていたと。しかも、この格納容器の中の圧力が上昇していたことを公表することを規制したということが、この調書の中で明らかになりましたね。
小出さん:
はい。私の言葉で聞いて頂こうと思いますけれども、当時、事故の進行の最中で日本の政府が恐れたことは、住民達がパニックに陥るということだったのだと思います。住民たちを被ばくから守るというよりは、むしろパニックを恐れるというのが日本政府の基本的な方針だったように私には当時も見えましたし、今ふり返ってみてもそうなんだと思います。
そういう時には、住民がパニックを起こすような情報というのは、できる限り抑えなければいけないということになるわけですし、実際に当時も彼らはSPEEDIという計算コードの結果を隠したりして、とにかく住民にパニックを起こさせないというように行動していました。
石井:
そうですよね。
山田さん:
事故が起きた時の情報の出し方というのは凄く難しいわけですね。これだと、完全に情報統制をして知らせないまんま、その高濃度のガスを生出ししようとしたわけですよね?
結果的には、なんか下の方で爆発したから、その事もしなくて済んだでしょうけど。あの時に生出ししてたら、これ大変な話になりましたよね?
小出さん:
はい。住民達も不安にはなったでしょうけれども、でも例えばSPEEDIの情報を政府が隠してしまったというために、住民たちは逃げることもできないまま、大量の被ばくをしてしまったという人達だっているわけですし、やはり、情報というのは限りなく公表して、住民たちにも知らせた上で、どんなことができるかということを選んでいくということは私はいいのだと思います。
石井:
小出さん、なんとかそういう形のなるべく隠そう隠そう、なかったことにしようということに対して、せっかく吉田さんがここまで答えている中で、そのことから学ぶべきことというのは、多分小出さん沢山ありますよね?
小出さん:
当然です。吉田さんという方は、お亡くなりになった方に矢を放つようで申し訳ありませんが、福島第一原子力発電所の所長だったのです。
幸いなことにというか、大変豪胆な気質を持たれた方で、最後まで自分の責任を全うしようとして戦って下さった方であって、私は吉田さん自身は優れた方だとは思うけれども、それでもきちっとした責任のある立場な人なわけですから、その人が公表を望まなかったから、公表しないということはあり得ないと思います。
現在、たくさんの人々が被害者として存在しているわけですから、責任のあった立場の人の調書として、きちっと公表すべきだと思います。
石井:
ありがとうございました。またよろしくお願い致します。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no76/
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福島原発事故
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日本の無責任、隠蔽体質、命軽視…
20140621「小出裕章ジャーナル」
【吉田調書を通じて見えるもの】
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吉田調書/朝日新聞
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— ドン・キホーテ・デ・京都 (@Don_Quixote_kyo) 2014, 6月 21
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